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ガラス管を鳴らすソニーの間接照明スピーカー「LSPX-S2」。音と声を楽しむ

ソニーは、ろうそくのような灯りと360度に広がるハイレゾサウンドを実現する「グラスサウンドスピーカー LSPX-S2」を発売する。有機ガラス管を使った広がりあるサウンドが特徴で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は45,000円前後。

BluetoothとIEEE 802.11a/b/g/n無線LAN(Wi-Fi)にも対応したワイヤレススピーカーに、間接照明の機能を統合。アプリからスピーカーやライトの操作が行なえる。

上部の有機ガラス管は、高域を再生するツイーターとして動作し、亜鉛ダイキャストで一体成型した下部筐体に、35mmウーファーとパッシブラジエーターを内蔵する。

下部筐体にウーファやLEDライトを内蔵

有機ガラス管は、独自のアドバンスド バーティカル ドライブにより、ガラス管の端面を叩いて、振動版(ガラス管)全体に振動を伝えて音を出す仕組み。ガラスの広い表面積を活かし、弦楽器の生々しさや響き、ピアノの明瞭度など、リアルかつクリアなサウンドが特徴という。

デジタルアンプ「S-Master HX」を搭載し、ウーファー出力は11W。再生周波数は60Hz~40kHzでハイレゾ再生に対応する。

LSPX-S2の高音質設計のための詳細は、別途AV Watchで紹介している。

AV Watchで詳しく読む

LSPX-S2は、2016年発売の初代グラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」の下位モデルという位置づけ。LSPX-S2は、ハイレゾ対応やWi-Fi対応などの機能強化が図られている一方で、実売価格は45,000円とS1の74,000円より低価格化。また、ガラス管の径が40mmとS1の80mmより細くなった。これにより、広い部屋で遠くまで音を到達できるのはS1となる。

今回のLSPX-S2で径を細くしたのは、「デザイン」のため。ダイニングテーブルで灯りを囲みながら、対面で話せるような環境を目指したという。

ガラス管の径は40mmで、80mmだったLSPX-S1より細くなっているため、音の到達距離はS1のほうが広く、大きな部屋向きとなる。

LSPX-S2(左)とLSPX-S1(右)


Bluetoothのほか、無線LAN(Wi-Fi)にも対応。DLNAスピーカーとして動作するほか、Spotify Connectにも対応。Spotifyの有料契約者であれば、スマホ等で曲を選んで、出力先にLSPX-S2を指定すれば、Spotifyの楽曲をLSPX-S2が直接ストリーミング再生。スマホから操作が行なえる。

また、本体ボタンを押すだけでダイレクトに接続したSpotifyの音楽をすぐに再生できる「プッシュ&プレイ」に対応。同機能で再生する曲は、「最後に再生したSpotifyの楽曲」、「指定しているSpotifyプレイリスト」、「Glass Sound Speaker Spotifyプレイリスト」の3種類から選択できる。

なお、Chromecast built-inには非対応で、Wi-Fi経由で使えるストリーミングサービスはSpotifyのみ。Google Play MusicやYouTube Music、AWA、Apple Musicなどを使う場合は、Bluetooth接続が必要となる。パソコンやNAS/サーバー上の楽曲再生も可能。アプリ「Music Center」でサーバーの曲を選んで、出力先にLSPX-S2を選べば、DSDやFLAC、ALACなどのハイレゾ楽曲も再生できる。

ウォークマン「NW-ZX2」とLSPX-S2

Wi-Fi経由であれば、10台までのLSPX-S2を連動可能。Bluetoothの場合は2台までで、ステレオ再生も行なえる。

ガラス管内にはフィラメント型LEDを内蔵し、間接照明として利用できる。

LEDライトは32段階の調光に加え、ろうそくのような揺らぎのある光でスピーカーの周りを照らす「キャンドルライトモード」を新搭載。強・弱の2種類のろうそく風の光を楽しめる。明るさは本体底面のボタンほか、「Music Center」アプリから調整できる。

内蔵バッテリーも強化し、最長8時間の再生に対応(Bluetooth再生時)。外形寸法は90×277mm(直径×高さ)、重量は1,100g。USB ACアダプタやクリーニングクロスが付属する。

広がるグラスサウンド。“声”がいい

短期間ながらLSPX-S2を使ってみた。ダイニングテーブルにもなじむデザイン。LSPX-S1も使ったことがあるが、テーブルに置いたときの圧迫感が少なく、使いやすくなったと感じる。ただ、設置面積はそれほどかわらず、重量はむしろ増えている(S1は920g)。

Spotifyから音楽をかけてみたが、広がりがあるサウンドはグラスサウンドスピーカーならでは。Google Homeとの比較でも、高域から中域の広がりの広がりには顕著な差があり、特にピアノの響きや弦楽器などの空気の“震え”がより確かに感じられるような印象だ。

低音もなかなか強く、ヒップホップやEDMでもそこそこ迫力あるサウンドになるし、低域を加えたい場合は、ベースブースターにより強調できる。このブースターのかかり具合も自然で、こちらをデフォルトでONにしていてもよいくらいだ。

灯りも上品で、夜の間接照明としては雰囲気がある。特徴であるろうそく風の「キャンドルライトモード」も、灯りがゆっくりと変化し、ムードは十分。ただし、パソコンで仕事をしながら、その脇でキャンドルライトモードを使うとわりと気が散る。やはりリラックスしたいときに、使うモードという印象だ。また、ベットサイドのライトとして寝る前につけておいて、スリープタイマーで消すといったという使い方も可能だ。

LSPX-S1と比べると、出力はやや控えめ。S1ではボリュームを上げると20畳弱のLDK全体に音楽がいきわたる印象だったが、S2はリビング端でやや音が減衰する感じはある。とはいえ、無指向性のGoogle Homeよりは明らかに広がりが自然で、減衰感は少ないので、グラスサウンドスピーカーならではの音の特徴はしっかりと維持されている。

そして、LSPX-S2にマッチするのがラジオやポッドキャスト。手元に置いていても遠くで聴いても、音像が明瞭でパーソナリティが語り掛けてくるような印象。仕事をしながらの「ながら聴き」でも、内容がよりしっかり入ってくる印象で、このスピーカーにとてもマッチしている。