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JR西、切符購入のセルフ化推進。みどりの窓口を約8割削減

JR西日本は19日、環境変化を踏まえた今後の駅の運営体制を発表。みどりの窓口を新幹線駅や拠点駅に集約し、それ以外の駅についてはみどりの券売機プラスを導入することでみどりの窓口と同等のサービスを提供するとした。また、ICカードの購入やクレジットカードを利用した定期券の購入が可能な高機能型券売機(HT50‐II型)についても順次導入拡大していく。

みどりの券売機プラスと改札口コールシステム

目的は、労働力人口が減少していく中で、切符の購入などを、IC乗車、ネット予約によるセルフ化を進め、駅係員が利用者と向き合う「フロント業務」に注力し、少人数でもきめ細やかなサービスを持続的に提供できる体制を構築するため。

注力するフロント業務として、忘れ物の受付や捜索、運行不能時の払い戻し、輸送障害時の案内、訪日外国人への対応、きっぷの購入のサポート、不案内な利用者や身体の不自由な利用者の手伝いが挙げられている。

セルフ化については、切符を購入せずに乗車できるIC乗車券の利用率が約75%となっており、今後も順次利用可能エリアを拡大していくことで、利用者の利便性向上につなげるとしている。

また、みどりの券売機プラスの導入のほか、インターホンを通じてオペレーター等による案内を行なう「遠隔システムコールセンター」や、電話応対などを集約している「お客様センター」などの運営を委託しているグループ会社との連携も含めて、業務の集約化を図る。

みどりの券売機プラスは、みどりの窓口と同じように切符の購入、変更、払い戻しができる券売機で、割引証などの確認が必要な切符の取り扱いも可能。必要に応じて、インターホンを使い、遠隔システムコールセンターで対応する。

また、改札口付近で切符に関する内容や機器の操作手順、通り抜けなどで問い合わせがあった場合にオペレーターが遠隔で対応する「改札口コールシステム」の導入も進める。2月現在の導入数は230駅。

京阪神エリアの約340駅における導入や削減について、2030年度頃までに、みどりの券売機プラスは2018年初頭時点の50駅から100駅に、高機能型券売機は同70駅からほぼすべての有人駅に拡大。みどりの窓口は、現在の180駅から30駅程度に削減する。

京阪神エリアにおける導入拡大イメージ

今後は、「エクスプレス予約」や「e5489」などのネット予約サービスのほか、切符を受け取らずに新幹線に乗車できる「スマートEX」、在来特急のチケットレスサービス「eチケットレス特急券」などの導入により、みどりの窓口に並ばずに、予約、乗車、決済ができるサービスの構築に継続して努めるとしている。