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消費税増税前に必要な生活家電を検討しよう【エアコン・冷蔵庫編】

新元号「令和」が発表されて、平成も残すところ本当にわずかになった。しかし、10月には「空から恐怖の大王が舞い降り、アンゴルモアの大王を蘇らせる」。そう、アンゴルモアの大王とは消費税増税で、その税率が現在の8%から10%に上がるのはご存じのとおり。

10%っていったら1割だよ! 1割。鉄道好きなら100‰(パーミル)といったほうがわかりやすいか? 日本一急こう配の京津線ですら40‰。その2倍以上の急こう配なみの税率だ、そんな税率を登れる鉄道はないっ!(ラックレール式除く)

12万円のエアコンを買うと、当然だが1万2,000円の消費税がかかる

いきなり話が逸れたが、100円のペンを買うと「貴様は100円もするペンを買ったんだから、それなりの代償を払ってもらわないとな……」と言われ、問答無用でお代官様に10円上納するというわけだ。

100円の買い物ならまだいいが、10万円のPCを購入したらお上に上納金を1万円抜かれ、100万円のクルマを購入したら、10万円を巻き上げられる。金額が大きくなればなるほど、上納金も大きくなっていくわけだ。

ただし、現状の消費税率は8%なので、実質の値上げは2%。それでも1,000円で20円、1万円で200円、10万円で2,000円、100万円で2万円の値上げだ。なーんて考えてしまう自分は、消費税率3%、5%、8%と少しずつ上げられ、除々に痛みに慣れてきたM男そのものじゃないか!

一円玉貯金をしている人にとっては、大規模な資金源を失うことになる!?

しかし、メリットもある。それはポケットやお財布内の1円玉が減るということ。398円とかめっちゃ中途半端な価格が少なくなる。あと1円足りなくて「クソッ!」と嘆いた人も多かっただろう。

また、一円玉や五円玉貯金をしていた人にとっては、何十年ぶりかの激減するかもしれない。そう、一円玉や五円玉が発生するチャンスが少なくなるので、貯金箱に入れる資金が激減するかもしれないのだ。

食品に関する消費税の特例は?なことに

10月に実施される消費税率変更についてあらためておさらいしておこう。じつは税率8%で据え置きという場合もあるという点。

これは主に日常で食べる飲食品についての特例だ。でも「贅沢」とみなされると、同じ飲食品であっても消費税が10%になるというヘンテコなルール。

国税庁が配布している「平成31年(2019年)10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されます」というパンフレットより(詳細PDFはこちら

たとえば、ファーストフード店に行って「テイクアウト」としてハンバーガーを買うと「贅沢」じゃないので消費税率は8%。でも、店内で食べると同じハンバーガーを買っても消費税率が10%になる。ならばテイクアウトで購入して、やっぱり気が変わって店内で食べると節税できるという変な話になる。とにかく「トレイ」に乗った飲食品が提供される場合は、贅沢扱いで10%になる。

まあ詳しい話は、いろいろなサイトでも紹介されているので参考にしてほしい。

ちなみにコンサートや演劇、入場券や電車などの切符は、9月30日までに購入しておくといいだろう。電車やバスの一日乗車券などを買いまくっておけば、増税後に運賃が値上がりしてもこれまでの料金で乗れてお得。とはいえ、増税後も料金の改定がなかったら、お買い得でもなんでもなく、単純に大人買いしただけのことになる。

今のうちに大量の一日乗車券を買っておくと、もしかすると得するかもしれない。値上げされなかったら、ただの大人買いになるだけ

2012年以前の冷蔵庫とエアコンは買い替えを推奨!

大型家電の買い替えでオススメしたいのは、エアコンと冷蔵庫。特に2012年以前に購入した製品だ。今年は2019年なので約7年経過しているので、製品寿命の8年を超えている人も結構いるはず。

何よりも2011年の東日本大震災以前のエアコンや冷蔵庫は、省エネ性をそれほど考慮している製品は少なく、言い方は悪いが電気を食い放題。

東日本大震災が起きたのが2011年3月。2011~2012年製より以前のモデルのエアコンや冷蔵庫はそろそろ買い替え時
それ以降のモデルでは省エネ性能が大きく改善された

しかし、東日本大震災以降は輪番停電や原発停止などで、電力需要が逼迫して、省エネ性能が加速度的に発達した。メーカーはとにかく省エネ性能を前面に押し出し、技術や部品の性能も年々向上。政府が後押しした「省エネ達成率」などの表示もあいまって、エアコンと冷蔵庫の省エネ性が2012年以降で格段に向上したのだ。

そのため、東日本大震災以前や直後に購入した製品は省エネ性能が悪いため、最新式のモデルへの買い替えをオススメしたい。

「エコジョーズ」と呼ばれる給湯器は、従来の給湯器よりガスの使用量と廃熱も少ない

また、家電ではないが給湯器の省エネ性も家電同様に進化している。家の新築や増改築を予定している場合は、エコキュートのような発電と給湯ができるシステムの導入も視野に入れたほうがいいだろう。

エアコンや冷蔵庫、給湯器などは、壊れてから買い替えると被害が甚大。できるだけ耐用年数の8~10年を目安に買い替えることをオススメしたい。

エアコンの寿命をチェックして電気代の安いエアコンに!

エアコンが壊れるきっかけの大半は、暖房から冷房、冷房から暖房に運転を切り替えたとき。なので、「そろそろ寿命かも?」という場合は、エアコンを使わない春に寿命チェックをするといいだろう。

運転モードと暖房→冷房、冷房→暖房に切り替えて、それぞれ冷風と温風が出るかをチェックする

手順は簡単だ。運転モードを暖房から冷房に切り替えて、きちんと吹き出し口から冷気が出ればいい。さらに、もう一度冷房から暖房に切り替え、今度は温風が出るかをチェックする。

また、電気代も買い替えのひとつの目安になる。夏場のエアコン料金が、1万円単位で上がる場合は買い替えのサイン。最近のエアコンは、モーターの性能に加えて、コンプレッサの性能も向上している。屋外機と室内機の熱交換器と呼ばれる、温風や冷気を作る機構が非常に効率良くなっているので、より少ない電力で部屋を効率良く冷暖房できるようになっている。24時間つけっぱなしでもなければ、冷房にかかる電気代は1万円/月かからないだろう。

各社のセンサー技術が向上したおかげで、自動的に節約運転してくれるので、もはやエアコンはつけっぱなしが一番経済的

さらに、センサー技術の向上に加え、ソフトウェアが賢くなったので、こまめに電源を切るより、自動運転にしておくと一番経済的に運転してくれるようになった。洗濯物の取り込みや買い物などでいちいち電源を切る必要はなく、人を見張るセンサー任せにするといいだろう。

冷蔵庫の買い替えも検討したい。同じスペースにワンサイズ大きい容量を

冷蔵庫の寿命チェックもできるが、チェックすると故障する可能性が高いので注意してほしい。というか、壊れるかどうかで寿命を判断するというほうが正しい。なので、冷蔵庫の調子がおかしいと感じてチェックする場合は、次に購入する冷蔵庫に目星を付けた段階で行いたい。

チェックの手順は簡単。冷蔵庫のコンセントを抜いて、冷蔵室のドアを開けた状態で5分ほど待つ。再びドアを閉めてコンセントを差し込んで、動かなくなったら寿命。かなりの荒業なので、先述した状況でもなければオススメはできない。

冷蔵庫のチェックは、コンセントを抜き差しするだけ。ただし、2度と動かなくなる場合もあるので注意!

冷蔵庫はモーターでコンプレッサという圧縮機を動かしているが、モーターやコンプレッサが経年劣化してくると動きが悪くなり、再起動するのに大きな力が必要なため故障する場合が多い。

エアコンは季節の変わり目で壊れやすいが、冷蔵庫は長時間の停電のあとに壊れやすいのだ。

冷蔵庫内の断熱材の進化により、薄くても高断熱の新素材となった。これにより冷蔵庫の壁を薄くでき、放熱スペースも少なくなったので、キッチンの同じスペースにワンサイズ大きい冷蔵庫が入れられるようになった

最新式の冷蔵庫は、電気代が安くなるだけではない。冷蔵庫の中に入っている断熱材の性能向上で、冷蔵庫の壁が非常に薄くなっている。また、従来は前後左右に放熱のためのスペースを確保する必要があったが、最近は上部のみでOKという機種が多くなった。そのため設置スペースが同じでも、ワンサイズ上の大容量冷蔵庫が購入できる。

家族が増えたり共働きになったりと、ライフスタイルが変わって容量不足になった場合も買い替えの目安になるだろう。

次回は洗濯機や調理機器などについて紹介しよう。