『スパイ・ゲーム』

【アクション】 2001年　アメリカ　128分 12月15日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にて公開 監督：トニー・スコット 出演：ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット、キャサリン・マコーマックほか 東宝・東宝東和共同提供

　輝かしいキャリアを築いてきたCIAエージェントのネイサンは、ワシントンDCで勤務最後の日を迎えていた。引退後は、南の島でゆっくりと余生を過ごす計画を立てていた彼だったが、そこに飛び込んできたのは目をかけて育て上げた後輩工作員、トムが中国で投獄されたという知らせだった。

　ロバート・レッドフォード演じるいつも冷静沈着な工作員が、1人の男のためになぜかとことん熱くなる。その対象が、ブラッド・ピット演じる若者なのだが、2人の間に流れる特別な感情は、師弟愛なのか男同士の友情なのか。はたまた潜在的に存在する感情なのか。世代の違いこそあれ、スクリーンで肩を並べる2人は、外見も雰囲気もとても良く似ていて、何か特別なつながりを感じさせる。この共演が実現しなければ、2人の男の間に流れる特別な空気は表現し切れなかっただろうし、物語に説得力も生まれなかっただろう。

　手に汗握るアクション、練り上げられた救出劇のシナリオなど見所満載の本作だが何よりもオフ、そしてオン・スクリーンに垣間見える男たちの“親密さ”に涙する作品だ。

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