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Palmシリーズはどのように電力を消費しているのか?

 Palmシリーズに限らず、携帯機器で気になるのは「電池の持ち」、つまり電池寿命の長さである。電池交換なしに半年以上動くような機器は別として、最近の多くの携帯機器は、消費電力が大きく、電池交換の頻度は高い。このため、電池の管理を怠ると、大事なときに電池切れで動かないといった「悲劇」を招くことになる。今回は、Palmシリーズの電力消費について考えてみた。


■ Palmシリーズで使う電池について

 Palmシリーズの電力消費について説明する前に、Palmシリーズで利用できる電池について簡単に説明しておこう。

 Plam VやWorkPad c3といった充電式専用バッテリーを採用した機種を除いて、Palmシリーズでは、単4型(米国表記ではAAA type)の電池を2本使う。メーカーの推奨はアルカリ電池であるが、Palmシリーズでは、充電可能なNi-Cd(ニッケル・カドミウム)電池やNi-MH(ニッケル・水素。MHはMetal Hydrideの略)電池を使うことが可能である(なお、これにはちょっとした設定が必要になる。後述)。

 これは、Palmシリーズが内部で、電池の電圧を3.3Vに変換して、電池が違っても(Ni-CdやNi-Hは、電池1つあたり1.2Vになっている)動作できるようにしているためである。一部の電子機器で、Ni-Cd電池の使用を禁じているものがあるが、それは、内部で電圧を変換することなく乾電池の1本1.5Vを前提にした設計にしているため、1.2Vでは動作がおかしくなる可能性があるからだ。  乾電池のように充電が不可能な電池を一次電池、充電が可能なNi-Cd電池などをニ次電池という。一般に一次電池のほうが、蓄えてある電力は大きい。また、充電できないため、経年変化で次第に蓄積されている電力が減っていく。このため、乾電池には、推奨有効期限が付けられている。よくディスカウントストアなどで乾電池の安売りをしていることがあるが、このときにはこの有効期限を確認して購入したほうがよい。購入後すぐ使うものなら、有効期限が迫っているものでもいいが、ストック用に購入するなら、期限のなるべく長いものを選ぶべきであろう。

 なお、Ni-CdやNi-MH電池では、出力電圧が1本当たり1.2Vになること、および放電特性(電池を使うにつれておこる出力電圧の変化)が違っているため、電池の寿命検出方法を切り替える必要がある。このためには、『「ショートカット記号」、タップ2回、数字の7』を入力する。すると“[Alkaline]”(アルカリ乾電池の場合)、“[NiCd]”(Ni-Cd、Ni-MH電池の場合)が表示される(Palm III以降は“[Rechargeable Alkaline]”も表示される)。これで該当の電池名を表示させればOKである。また、以前紹介したBattery Level Hackなどでは、ダイアログで直接切り替えることも可能だ。

 電池の種類から電池寿命を見ると、アルカリ乾電池が最も長く、ついでNi-MH、次にNi-Cdの順になる。ただし、Ni-MHとNi-Cdには、電池容量が明記してあるので、その数値(通常は、1.2V/550mAhなどと表記してある)により寿命が決まる。購入にあたっては、この数値のなるべく大きいものを選ぶほうがよい。



■ Palmシリーズはどのように電力を消費しているのか?

 電池の寿命を考えるときに、その機器の電力消費パターンを知ることは必須である。この手の機器では、ある程度の電力管理が行われているため、電力消費量は一定ではなく、使い方などで変化する。モーターのようにほとんど一定の電力消費であれば、電池の容量と流れる電流を測定すれば、おおよその動作時間がわかるが、消費電力が刻々と変化する機器では、電池の寿命を予測することはかなり難しい。ここでは、簡単な測定により、電力がどのように消費されるかを測定してみた。測定には、市販のテスターを使ったので、厳密な意味でいえば、不正確な部分もあり、また、電池やPalmシリーズの個体差もあるので、あくまでも傾向として見ていただけると幸いである。

 測定機器は、PCに接続できる三和電気計器のPC100で、Palm Pilot Professional(2M Upgrade内蔵)の消費電流を測定し、付属ソフトを使って測定値をPCに取り込んだ。実験用に、3V出力のACアダプタを電池の替わりに使用した。ただし、ACアダプタは、電池に比べると最大電流が小さく、電池を使う場合とは多少、特性が違ってくる可能性がある。ただ、電池を測定に使うと、電池の消耗があるため、毎回新しい電池を使わないと条件をそろえることができない(のと、とってもお金がかかる)ので、ACアダプタで代用した。

 まずは、電源オフの状態では、約190μAと低いながらも電流が流れる。これは、メモリのバックアップなどに電力が使われているからである。電源をオンにしただけの状態では、22.9mAとなる。さて、ここで、アプリケーションを起動したり、操作を行ってみると、平常の20mA程度から最大63.7mA程度まで、消費電流は激しく変化する(図1:操作しているときの消費電流)。簡単にいうと、CPUが何かの処理を行なっている場合や、タブレットのスキャンを行っている場合など、周辺回路が働く場合には、消費電力が増え、ユーザーの入力待ちなど、一時でも、アイドル状態になると、電力消費が減り、20mA程度に落ち着くのである。ちなみに、プログラムを使って、CPUを連続的に稼働状態にしてみると、67mA程度を連続して消費するようになる。

図1:操作しているときの消費電流

 では、次にホットシンクを行わせてみた。この状態では、最大で74.6mAとなり、ホットシンク中の平均は69mAとなった。通常の操作よりも大きな電力消費が見られた(図2:ホットシンク中)。これは、CPU処理に加えて、RS-232用のインターフェースチップ(内部信号を、RS-232C準拠の±5V程度に変換している)が動作したためだと思われる。また、クレイドルに載せた状態で電源をオンにするとクレイドルに載せていないときと比較して約2mAほど消費電流の増加が見られた。

図2:ホットシンク中の消費電流

 このほか、バックライト点灯では、何も操作しない状態で57mAとなり、バックライトだけで36mAを消費している計算になる。サウンドを鳴らしてみたが、これについては、通常の動作状態と同じく、ほとんど区別が付かなかった。

 また、赤外線の利用では、相手なしでアドレスのビジネスカード送信(アドレスボタンを押しっぱなしにすること)で、最大70mAが出たものの、40〜50mA程度が消費された。なお、2MB Upgradeボードには、赤外線インターフェース用のシリアルチップが乗っているので、この値は、他の機種と比べると多少大きなものになるかもしれない。



■ 動作パターンから電池寿命を推定する

 話をわかりやすくするために、600mAhのNi-MH電池を使っているとしよう。電池2本で、2.4V、1200mAhの容量になる。電源オフの状態では、以下の通りで、210日程度――7カ月以上持つ計算になる。

1200mAh×2.4V÷(190μA×3V)≒5053h≒211日

 実際には、電池の自然放電や電池交換時にメモリをバックアップするキャパシタを充電する分も取られるので、これよりは短くなる。さらに、アラームなどが鳴ると電源がオンになり消費電力が増えてしまう。電池がフル状態で放置される確率は低く、ある程度消費している可能性が高いと思われるので、1カ月程度が限界と思っていたほうがいいだろう。

 では、毎日使った場合には、どれぐらいになるのか? という問題だが、すごく大ざっぱな計算として、通常操作を合計15分程度/日、バックライト点灯3分/日、ホットシンクを1回3分/日という利用パターンを考える。通常使用時の平均消費電流を40mA、バックライト点灯で36mAにホットシンク時1回を平均69mAとすれば、以下のようになる。2カ月ちょっとは使える勘定だ(個体差などがあり、必ずしもこうなるとは限らない)。

1200mAh×2.4V÷((40mA×15min/day+62mA×3min/day+36mA×3min/day)÷60min/h×3V)
≒63day≒2.1month

 なお、単4型アルカリ乾電池では、1本あたり1000mAh程度に相当する(Ni-CdやNi-MHは、電圧降下が小さく、寿命直前で急に落ちるのに対して、アルカリ乾電池は、電力消費に応じて電圧が下がるという特性の違いから、こうした表記はしないのだが、無理矢理に換算するとこの程度という意味である)ので、もう少し持つはずである。計算上では、105日、約3.5カ月となる。

 ただし、これは、使い方によって、まったく違うということだけは覚えておいて欲しい。筆者は、こういう原稿を書くため、毎日かなりの時間(平均1時間/日以上)使い、ホットシンクもたびたび行なう。このため、650mAhのNi-MH電池の場合、ひと月も持たない。だいたい2週間程度で交換するし、場合によっては1週間程度しか持たないときもある。つまり、使い方でこれだけの差が出るわけだ。

 また、電池は化学反応を利用しているため、電池個々のばらつきや経年変化やメモリ効果(電力が残っている充電池を充電すると取り出せる容量が減ってしまうこと。これを回避するには、充電前に十分放電させておく必要がある)があり、600mAhのNi-MH電池をフル充電したとしても、かならず600mAhを取り出せるとは限らない。

 電池の状態や個々のばらつきなどを勘案し、確実な線として前記数値の半分ぐらいを妥当なものとすると、アルカリ乾電池で約1.7カ月、600mAhのNi-MH電池で1カ月程度となる。IBMのカタログなどでも、アルカリ乾電池で「約2カ月」となっているので、ほぼこれにあった値だと思う。



■ クレイドルにのせておくと電力消費が増える

 最後に、注意したいのが、Palmシリーズは、電源がオフでもクレイドルに載せておくと電力消費が増えてしまうことだ。Palmシリーズのシリアル端子にはRS-232に準拠していない特殊な信号(1番ピン。Palmシリーズ側の信号名はDTR)が出ており、この信号は、クレイドルから出るケーブルのDSRという信号に接続されている。

 クレイドルをパソコンなどのシリアルインターフェイスに接続すると、このピンから電流が流れるため消費電力が大きくなる。クレイドルに載せていないPalmシリーズの消費電力は、前述のように190μA程度だが、これをPCに接続してあるクレイドルに載せるだけで、910μA程度まで増えてしまう(PC側の回路の違いなど条件により増減する)。

 このため、クレイドルで充電を行なうc3やV/Vxを除いてPalmシリーズをクレイドルに載せっぱなしにしておくと、それだけ消費電力が大きくなる。使わないときはクレイドルに載せておかないほうがいいだろう。なお、この対策として、クレイドルのDSRに相当する線を切ってしまうという方法がある。実際に試してみたが、Windows版のホットシンクマネージャは、この信号線を見ていないらしく、切断しても動作に変化はなかった。

 難しい作業ではないが、電気工作に慣れないユーザーが行なうにはちょっと危険である。Palm Computing のDevZoneにあるHardware Developementを見て、どの線だか判断できなければ、やらないほうが無難だ。


◎関連URL
三和電気計器
http://www.sanwa-meter.co.jp/
IBM WorkPad 30Jの仕様
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/wp95s.html
Palm Computing DevZone Hardware Development
http://palmpilot.3com.com/devzone/hw.html

WorkPad製品情報(日本IBM)
http://www.ibm.co.jp/pc/workpad/index.html
Palm Computingのホームページ
http://www.palm-japan.com/home.html

(塩田紳ニ)
1999/12/16


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