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スタバ、テイクアウトでもカップ貸出→回収→再利用する「Re&Go」

スターバックス コーヒー ジャパンは、繰り返し使える耐久性のある貸出カップでドリンクを提供し、店舗に返却、パートナー企業での洗浄を経て再利用する循環型プログラムの実証実験を、11月22日から2022年5月31日まで実施する。利用料金は、実証実験スタート時は無料。

実証実験の第1弾は、東京都内・丸の内エリアのスターバックス10店舗で実施。NISSHAとNECソリューションイノベータが提供する容器のリユースサービス「Re&Go(リーアンドゴー)」を活用する。

利用者は、Re&GoのLINEアカウントを友だち登録し、「お店を探す」で店舗を検索。店舗にて、ドリンク注文時に同サービスを利用したい旨を伝え、Re&Go LINEアカウントの「容器を借りる」をタップして、専用カップに付属されたQRコードを読み取る。

サービス画面

専用カップは、イートインでもテイクアウトでも利用可能で、好きな場所に持ち運んでドリンクを楽しめる。

返却時は、Re&Go LINEアカウントの「容器を返却」をタップして、店頭の返却コーナーにあるQRコードを読み取り、カウンターにカップを返却する。返却時のカップの洗浄は不要。返却期限は利用日を含めた3日間で、2022年1月頃より、期限内に返却がなかった場合の一定の料金徴収を検討している。

利用するカップはNISSHAが開発したもので、ベンティサイズ以外のすべてのドリンクに対応可能な保温・保冷性に優れたステンレス製カップ。持ち運びしやすいよう、シリコンパッキンが付いた樹脂製のフタが付属する。

返却されたカップは、高度な洗浄技術を持つパートナー企業が洗浄。当初はオペレーションの観点から店舗での洗浄も検討されたが、コロナ下における衛生意識の高まりを鑑み、外部とのパートナーシップに至ったという。

洗浄

実施店舗は、丸の内ビル店、グランスタ丸の内店、KITTE丸の内店、丸の内オアゾ店、丸の内新東京ビル店、丸の内三菱ビル店、大手町プレイス店、大手町東京サンケイビル店、新大手町ビル店、および12月1日オープン予定の皇居外苑 和田倉噴水公園店。

Re&Go LINEアカウントからは、「みんなの環境貢献度」や「利用履歴」の確認も可能。みんなの環境貢献度では、自身がいくつの使い捨て容器を削減できたかや、全利用者の使い捨て容器削減数が表示される。

また同アカウントでは、誕生年、性別、郵便番号といった利用者プロフィールを登録でき、これらのデータを返却場所などの行動データとあわせて分析に活用し、付加価値の高いサービス提供を目指す。

スターバックス コーヒー ジャパンでは2030年に向けた目標として、二酸化炭素排出量および店舗や向上から出る廃棄物の50%削減、事業運営、コーヒーや商品原材料、容器包装のサプライチェーンにおける水の50%削減または還元を掲げている。

Re&Goはこういったサステナビリティに関するビジョンに向けた、リユース文化の定着を目指す取り組みの1つで、これまでも、マイタンブラーや店内マグ利用の推進、リユーザーブルカップの販売、MYストローやMYスリーブの提案などに取り組んできた。Re&Goにより、「カップを借りる」という新しい選択肢を提供する。

利用料金については、実証実験スタート時点では無料だが、有料化および利用料金については、実証実験におけるニーズ等を踏まえて検討する。

Re&Go対象店舗は、3月頃より都内の他のエリアに拡大することを検討している。なお、2020年12月に沖縄県でRe&Goの実証実験が実施されており、その際にスターバックスも参画していた。Re&Goは、スターバックスのみで展開するサービスではなく、今後は他の事業者での実証実験も検討されている。

なおRe&Goでは、NISSHAがサービス構想、容器などハードウェアに関する開発・調達、NECソリューションイノベータがサービス構想、システムなどソフトウェアに関する開発・提供を担当する。