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テレビパソコンの将来像とは?
新しいSmartVisionの魅力を語る

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 Twitter連携の「つぶやきプラス」など、斬新な機能を次々に追加し、家電製品との差異化を企てるSmartVision。前回に引き続き、大久保めぐみ氏(商品企画担当/コンシューマーPC商品企画本部、コンシューマー商品企画部)と、澤田英樹氏(開発担当/商品開発本部メディアプラットフォーム開発部)に、新しいSmartVisionの魅力を語ってもらおう。

―「つぶやきプラス」のリモート予約は、パソコンとスマホを連携させるという点で画期的なものですね。

澤田 現状は、つぶやく以外に、自分宛のDMを出すことでも予約ができるようになっています。システム的には、1日に3回ツイートを読みにいって、そのDMを見つけたらそこで予約を自動的に設定するという仕組みです。パソコンが電源オフやスリープ状態になっていても大丈夫です。  本当は、飲食店などで流れているテレビ番組を見て、おっ、これはあとで見たいというときに、すぐにつぶやけば即座に録画が開始されるように、外からパソコンを起こすような機能も考えなければならないでしょうね。こうした機能は、自宅のパソコンをリモート操作できるLuiリモートスクリーンでやっていますから、技術的にはすぐにできそうです。
 それと、予約機能ではありませんが、「つぶやきプラス」を一部強化しました。強化のポイントは、「テーマタグ」機能を追加したんです。今までは、放送局名のハッシュタグで収集したツイートをテレビ画面脇に表示していましたが、「テーマタグ」では、アスリートの名前や競技などの任意のキーワードやハッシュタグを簡単に追加できるんです。例えば競技場で観戦中のファンのツイートなど視聴中の番組に関連するツイートを幅広く収集、表示できるので、さらに多くの人と番組の感動を共有できうようになります。他にも、「ユーザIDを利用した表示機能」や「録画用のタグ機能」を強化しています。詳しくは、弊社121WareのWebサイト(「つぶやきプラス」機能サポートのSmartVision アップデートモジュールのご案内)で確認ください。

NECパーソナルコンピュータ株式会社
商品開発本部メディアプラットフォーム開発部 澤田英樹氏 コンシューマーPC商品企画本部、コンシューマー商品企画部
大久保めぐみ氏
NECパーソナルコンピュータ株式会社
商品開発本部メディアプラットフォーム開発部
澤田英樹氏

コンシューマーPC商品企画本部、コンシューマー商品企画部
大久保めぐみ氏

―番組の持ち出し機能はよく使われていますか。スマートフォンの普及で、電車の中で動画を楽しんでいる人が増えたように感じられます。

澤田 「外でもVIDEO」ですね。調査では悪くはない数値です。電車の中で動画を見るパターンが増えて利用率は高まってるようです。ですから、われわれも、かなり力を入れています。
 もちろん、デジタルになっても継続し、12年夏モデルのVALUESTAR Wでは2番組同時に「外でもVIDEO」用のファイルを用意することができるようになりました。録画の予約時に「外でもVIDEO」を作るように設定しておくだけでOKです。ワイヤレス転送に対応したスマートフォンならば、目覚めた時点では、できあがった「外でもVIDEO」ファイルがすべてスマホに転送されています。

―タイムシフトの新しいカタチですね。実際に、パソコンで録画済み番組を視聴するスタイルも変わりつつあるようです。

大久保 番組の実時間よりも、少しでも短い時間で100%の内容を楽しみたいという傾向が強くなっていますね。過去においてはCMチャプターのスキップなどが話題になりました。
 私の場合、典型的なOLと同様、今も昔もドラマを週に7~8本ほど見るのですが、まず、リアルタイムで見ることはありません。それに対して技術陣はライブ派が多いみたいです。
 それで、火曜日のお昼休みなどには、昨日の月9みた? なんていう話になるわけですよ。だから、そこでネタバレするのはイヤなので、早く見ておきたいじゃないですか。
 以前のSmartVisionは、リモコンで15秒ジャンプする機能があったのですが、最初は技術陣から、そんなものいらないとまでいわれたんですよ。ライブ視聴派に受け入れられないということなのでしょうか。できるようになるまでに2年かかりました。このへんって、女性じゃないとわからない部分なのかもしれません。
 私自身は、テレビが大好きなんですが、事実として、若者のテレビ離れは起きているように感じています。もっと見ろといいたいのですが、テレビの前にいないんですから無理なんです。その一方で、見る時間は無いけど、どんどん録画できるようになっています。ですから、ローカルな見る録るの機能性を高めてきたところを、少し方向性を変えて、今後は、ロケーションを問わずに効率よく見ることを考えていかなくてはなりません。そもそも、テレビって、家で見る必要ないくらいの考え方をしなくてはなりません。

―効率よく見るというと、「きこえる変速再生」の聞こえやすさは見事ですね。

澤田 音声のピッチを変えないで早回しする機能です。コンテンツにもよるのですが、2倍速でもそれなりに聞きとれるのはNECだけでしょうね。
 効率よく視て聞くということばかり考えていたのですが、ゆっくりというのもニーズがあることがわかってきて、今は、0.5倍から2倍までの速度をサポートしています。これによって、情報番組を短時間で楽しんだり、チャプタジャンプと組み合わせて正味45分のドラマを30分で見終わったり、あるいは、語学学習をじっくり学んでいただいたりができるようになりました。
 音声解析という点では、盛り上がり検出はやらない方針です。ワッと盛り上がる、おすすめてきな場所に飛ばすのは、昔からある手法なのですが、NECではかたくなにやらないですね。なぜなら、音声解析だけで重要そうなシーンを見つけ出すというのでは、個々のユーザーが本当に見たいところを勝手に飛ばされる不安もあるからです。そのあたりは、われわれのこだわりだと思ってください。

―いつでもどこでもという点では、家庭内のネットワークでの配信機能も、ようやく使えるものになってきました。

澤田 DLNAですが、この方面にも熱心に取り組んでいます。われわれとしては、本当のDLNAをめざそうと、PCからできるかぎりのアプローチをやっていくつもりです。家電を持たない強みというか、つながる相手も選ばないようになっています。
 2012年夏モデルからはチューナーレスのPCにもSmartVision/PLAYERを搭載しており、テレビや録画済み番組を見られるようになっています。
 このユーティリティは、今後ダウンロード販売をすることも考えています。
 スマートフォンについては、DLNAのコンテンツ保護規定で、過去においてはハードウェアを使っていたため、再生できる機種が限られていましたが、無償のDLNAクライアントも出てきており、SmartVisionとつながる機種はどんどん増えて行く見込みです。

―これからテレビパソコンは、どのように進化していくのでしょう。

澤田 まだまだ進化の余地はあると考えています。VODが流行れば録画はいらなくなるともいわれていますが、おそらくそんなことは起こらないでしょう。
 録画済み番組の処理についても、われわれは、材料としてのEPGデータをしゃぶりつくそうと考えています。そこでできることは全部残す方針です。おまかせ録画では、キーワードマッチングができますが、それにもEPGデータを使っています。とにかく電波の中に入っているものは全部使うということですね。でも、それにも限界があります。われわれの内部では放送前、放送後のデータに入ったメタデータを先メタ、後メタと言っているんですが、メタデータをとにかく活用することで、超越的な世界が実現できればと思っています。
 たとえば、録画済みの番組がどんどんたまっていき、複数台のハードディスク、しかも常時つながっていないUSBハードディスク上にあるものを、どうやったらスムーズに探し出せるかといったことです。

―録画なんてできなくてもいい、普通にテレビとして楽しめればいいんだという声も聞こえてきそうです。

澤田 そうした声をくんで取り入れたのが最初の「ぱっと観テレビ」です。2006年ですが、こだわりすぎでコストがかかりすぎた反省があります。なにしろ、専用ハードウェアを使いましたからね。いつかリベンジしたいと思っていたのですが、それが今年の夏モデルVALUESTAR Wの「ぱっと観テレビ」で実現できています。テレビボタンを押せば、パソコンがオフになっていても、約2秒でデジタル3波を視聴できるようになります。専用のチューナーを搭載し、ダブル録画中でも別の放送を視聴できます。
 自分自身では、いかにテレビを使いやすく楽しいものにしたいかという気持ちでは大久保にも負けないつもりです。技術屋としてこだわることで良い相乗効果を発揮していると思います。「ぱっと観テレビ」でもデジタル3波にこだわるようなところをみていただいても、それがわかると思います。

大久保 そうですね。絵作りなんかについては技術屋さんにおまかせですね。画質にこだわる技術者がとても多いことがわかっていますから安心です。

 彩りプラスを実現する専用のチップの採用などをみても、高画質にもこだわっているんだなあと思います。

澤田 彩りプラスの回路は、PCでの視聴と「ぱっと観」の両方に同じ効果がかかるようにしています。スケーラーを使って、エッジ強調などで高画質処理をするためのものです。
 ただ、PCには不利なところはあるんですね。たとえば、高速液晶ではないので、家電のテレビには劣るところもあります。基本的に技術はリッチなハードを使いたがるものですが、そこをカバーするために、なんとか絵作りでもやっていこうとしています。普通のテレビを視ていて、ふと、PCに目を移したときに、ガラリと絵が変わるのは許せないといったところでしょうか。
 同様に、802.11a/nなど、5GHz帯のWi-Fiも必須だと考えています。なんといっても安定性が違います。これについても、テレビはとぎれず安定して見てほしいという願いからこだわっています。それができなければだめなんじゃないですか。ホームネットワークに力を入れている以上、電子レンジが動き出したら絵が途切れるというのではダメなんです。

大久保 こういう前向きな人たちが作っていますから、企画側としては安心して任せられます。私はいちユーザーとしてこれからもSmartVisionを使い込み、もっと使いやすくしていきます。また、テレビをただ観るだけではない、楽しい機能を追加していけたらと思っています。

―どうもありがとうございました。

まだまだ進化します!
まだまだ進化します!

(山田 祥平)

 

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