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法林岳之の非同期通信レポートMobile
第1回:COM JAPAN 1999 レポート


■ 年末に向けた期待の新製品が続々登場

 11月2日から5日まで、東京ビッグサイトで開催されているCOM JAPAN 1999。国内で開催される展示会の中でも、特に通信関係の色合いが強い展示会だ。一昨年のポケットボード(NTTドコモ)、昨年のTEGACKY(東芝)やNM207(ノキア)など、翌年に話題を集める製品が参考出品などの形で展示されることからも注目度の高い展示会であることがわかるだろう。今回も携帯電話やお手軽携帯情報端末などの新製品、参考出品が相次ぎ、非常に内容の濃いものとなっている。速報についてはすでにお伝えしている通りだが、注目製品をいくつかピックアップして、各社の動向を紹介しよう。

■ パケット通信の活用に積極的なNTTドコモ


F502i

D502i

 今年一番のヒット商品となったNTTドコモのiモード。すでに、F501i、D501i、N501i、P501iの4機種がすでに販売されているが、以前から噂されていたとおり、502世代の端末が早くも展示されている。今回展示されていたのはF502iとD502iの2機種だ。ともにカラー液晶ディスプレイを搭載したモデルで、本体中央にiモードボタンを備えている。液晶ディスプレイは256色表示が可能なもののようで、視認性もなかなか良好だ。動作も比較的軽快で、メニューをストレスなく、行き来することができる。筆者の予想では、早ければ今月末、遅くとも来月には正式に発表されるのではないかと見ている。

 501世代を発売しているNECと松下通信工業については、現行機種が好調な売れ行きを記録しているためか、今回は何も展示されていない。おそらく501i世代と同じような順序で、1~3カ月遅れの発売になるのではないだろうか。また、以前から噂の多いノキア製iモード端末をはじめとする他社製端末(ムーバシリーズを販売する4社以外の端末)は、残念ながら出品されていなかった。こちらも発表は来年以降にずれ込むことになりそうだ。

 一方、端末では先日、発表されたばかりの208シリーズが注目を集めている。パケット通信をサポートしたことにより、モバイル環境にも適した端末として進化している。しかし、そこだけで終わらないのがNTTドコモのスゴいところだ。この208シリーズと組み合わせて利用するのに適した携帯情報端末「POCKET mopera」を参考出品している。外見はポケットボードプラスにも似ているが、Webブラウザを搭載したり、メモ帳やスケジュール帳などのPDA機能も備えている。ちなみに、208シリーズ以外の端末とも組み合わせることができるが、その場合は回線交換(従来のモデム接続)で接続することになる。

 また、同様のお手軽携帯情報端末として、パケット通信に特化した「エクシーレ」も展示されていた。こちらはデジタル携帯電話のパケット通信機能を内蔵した端末で、端末のみでのメール送受信、Webページ閲覧などができ、「Live!トーク」と呼ばれるチャット、メロディ付きメール送受信ができる「Live!メール」などの機能も搭載している。通信速度は9.6kbpsだが、パケット通信なので、回線交換で接続したときよりも切れにくいという特長も持ち合わせる。価格は2万円程度で、料金は先日、発表されたパケット通信の新料金プランが適用される。スーパーライトプランSなら月額500円で1パケットあたり0.35円、ライトプランSなら月額900円で1パケットあたり0.2円で利用できるので、上手に使えば、リーズナブルなモバイル端末になりそうだ。

 この他には、最近、周辺機器メーカーなど発売されているデジタル携帯電話用USBケーブルの同等品として「Mobile USB Cable Slim」も参考出品されていた。データ通信は9.6kbpsだが、最大28.8kbpsのパケット通信にも対応しているところが目新しい。また、iモードに対応したカーナビゲーションシステムもデンソー製、パナソニック製が展示されている。2000年春にはコンテンツを含めたサービスを開始したいそうだ。

■ セルラー/IDO陣営は64kbpsパケット通信対応端末を展示


東芝製端末

日立製端末

ソニー製端末

カシオ製端末

三洋電機製端末

 セルラー/IDO陣営は、約束の64kbpsパケット通信サービスとWAPサービスに両対応した端末を5機種展示していた。メーカーは東芝、日立、ソニー、カシオ、三洋電機の5社。日立と三洋電機はすでにWAP対応端末を出荷した実績があるが、その他のメーカーは初のWAP対応端末ということになる。当初の予定では10機種が一気に登場する予定だったが、開発の遅れが原因なのか、今回の展示は5機種まで。今後、おそらく京セラやNEC、デンソー、シャープ、松下通信工業が対応端末を投入すると予想している。

 デザイン的なものについては各社なりの工夫をしているが、インパクトが強いのはやはりカシオだ。実は、カシオ製端末のみがメーカー名の表記がなく、筆者は最後までどこのメーカーなのかがわからず、悩んでしまった(情けない)。言われてみれば、確かにGショックをイメージしたものなのだが……。ちなみに、展示は5機種だが、実際にデモに利用されているのは東芝製のみとなっている。

 端末が展示されたことで、いよいよ気になるサービス開始時期だが、両社とも「年内にサービスを開始します」の一点張りで、それ以上のことは何も発表されていない。ただ、サービス名はすでに一部で噂されている「PacketOne」が採用されることになりそうだ。ここからは筆者の勝手な予想だが、サービス開始時期の発表は今月末から来月初旬。料金体系はiモードやDoPaなどにも対抗できるように、パケット通信によるWAPサービスを基本サービスとして提供し、64kbpsパケット通信サービスは何らかの追加料金が必要になる形式ではないかと見ている。

 セルラーはPDCデジタル携帯電話でもWAPサービスが利用できる端末「D301SA」(三洋電機製)を発表し、11月1日からサービスを開始しているが、今後、他のPDC端末についても順次、WAP対応してくる可能性がある。前述のcdmaOne/WAP対応端末を開発した残りの4社、予想される5社の合計9社は、その候補と言えそうだ。IDOでのPDC/WAPサービスについては、残念ながらまったく情報がない。ちなみに、三洋電機はセルラー向けPDC/WAP対応端末「D301SA」、ツーカーグループ(セルラー傘下)向けPDC/WAP対応端末「TS01」、DDIポケット向けエッジ対応端末「PHS-J80」と、新サービス開始に絡んでくるケースが多い。世界最薄・最軽量のCDMA端末の開発などのニュースもあり、携帯電話やPHS端末では、今後、最も注目されるメーカーのひとつと言えるだろう。

 また、セイコーインスツルメンツのブースには、セルラー傘下になったツーカーの携帯情報端末「Cara」が展示されている。ただ、実働するものではなく、外見でしか機能をうかがい知ることができない。実機を見る限り、作りはそれほど悪くなく、機能に割り当てたキーが並んでいるなど、使い勝手も良さそうだ。ちなみに、このCaraからオンラインサインアップできる「Internet Freeway」は、携帯電話の通話料のみで接続できる。つまり、無料プロバイダのひとつという見方もできるわけだ。かなり思い切ったサービスと言えるだろう。


 逆に、今ひとつ思い切りが足りないと感じさせるのは、先日、発表したお手軽携帯情報端末「POCKET・E」だ。カメラ付きのお手軽携帯情報端末という切り口はなかなか斬新なものだが、契約できるプロバイダがDIONに限られ、なおかつ新規加入に限られているのが残念だ。すでにDIONと契約しているユーザーも別途、加入しなければ利用できないというのは、あまりユーザーフレンドリーな製品とは言えないだろう。


■ Jスカイサービスが注目のJ-フォン

 10月1日から全国統一ブランドでのサービスを提供しはじめたJ-フォンだが、今回の目玉はやはり12月上旬からサービスが開始される「Jスカイサービス」と、その対応端末だろう。Jスカイサービスは従来のスカイサービス(SkyWalker/SkyWarp/SkyWeb/SkyMelody)を大幅に拡張したもので、情報配信サービスのJスカイウェブはカラー画像によるコンテンツを提供し、Jスカイウォーカーは全角で最大約3000文字までのメールを送受信できるサービスだ。

 今回はこのJスカイサービス対応1号機となる「J-SH02」を展示し、いち早く来場者に体験させるコーナーを設置している。実際に筆者も触ってみたが、Jスカイウェブ/Jスカイウォーカーにそれぞれ対応した専用ボタンが用意されているため、操作性もなかなか良好で、カラー液晶の画像も十分判別できるレベルになっている。ちなみに、待受画面にはJ-フォン東京のCMキャラクターでおなじみの藤原紀香の画像が使われていた。もちろん、ユーザー自身がカスタマイズすることもできる。ただ、端末としてのデザインは今ひとつインパクトに欠ける気もしなくはない。比較的、無難にまとめたといったところだろうか。ちなみに、J-SH02のスペックは以下の通りだ。


サイズ(mm)125(H)×39(W)×17(D) 最薄部13mm
重量(g)約66g
連続通話時間約120分
連続待受時間約330時間
電池リチウムイオン(520mAh)
液晶タイプ256色カラー液晶
表示文字数全角8文字×7行(96×98ドット)
バックライト高輝度LED
操作機能選択カーソル選択
電話帳(メモリダイヤル) 500件
メールアドレス登録可能(最大半角60文字)
パーソナルデータ登録可能(最大半角60文字)
スピードダイヤル100件(ツーorスリータッチ)
着信パターン パターン10種類+メロディ15曲
三和音対応(バイブレータと同時設定時は和音なし)

壁紙表示やキャラクター表示をしない設定のとき

 また、J-フォンのブースでは、新開発の携帯情報端末も参考出品されていた。来春発売予定ということ以外は、名称もスペックも価格も一切不明となっている。モックアップの画面から予想する限り、着信メロディの作成、メロディ付きメールの送受信、バックライトのON/OFFなどができるようだ。ちなみに、携帯電話との接続ケーブルは、コミュニケーションパルなどと同じように、底面に格納されている。


■ 来年のヒット商品はどれだ?

 今回のCOM JAPAN 1999は、圧倒的に携帯電話事業者のブースが盛り上がっており、その他のブースはやや押され気味という印象だった。しかし、参考出品なども含め、注目できる製品が多かったのも事実だ。冒頭でも述べたように、COM JAPANは翌年のヒット商品の参考出品の場でもある。果たして、読者はどの製品がヒットしそうに見えただろうか。ちなみに、筆者としてはいずれも甲乙付け難いものの、キーボード付き一体型端末という新しい路線を示したNTTドコモの「エクシーレ」に一票を投じたい。

法林岳之



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