こどもとIT

NECPCとレノボ、2020年に図書館でプログラミング教育など子供対象の新施策を実施

NECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパンは、2020年から教育市場向けに新しい試みを実施する。これまでも「草の根からの教育活動」、「成果を発表する場作り」、「ロールモデルの育成サポート」という3つの教育市場向け取組を実施してきたという両社、2020年からは新たに、草の根からの教育活動の強化策として「図書館でのプログラミング教育」、ロールモデルの育成サポートとしてパソコンを活用することで実現する新たなロールモデルを提示する。

両社の社長であるデビッド・ベネット氏は、「エデュケーション事業は、子供の未来を応援するための施策。そのために3つの取組を実施してきたが、ロールモデルについては具体策を提示していなかった。今回、ロールモデルとして子供達の憧れとなる存在を提示する。草の根活動も新たな取り組みを行っていく」と教育事業を強化する狙いを説明した。

NECパーソナルコンピュータ 代表取締役 執行役員社長 兼 レノボ・ジャパン 代表取締役社長 デビッド・ベネット氏

これまで両社は、成果を発表する場として「キッズプログラミングコンテスト」、「キッズメーカーフェスティバル」を開催。キッズプログラミングコンテストは2018年から2回開催し、約50人が参加した(2018年のコンテスト詳細は『「すぐに商品化できそう」と審査員も絶賛、子ども達の自由な発想とmicro:bit(マイクロビット)で実現した作品群』を参照)。キッズメーカーフェスティバルは2019年5月に開催した。草の根活動としては、量販店でのプログラミングコンテストを2017年から開催し、全国で1800回、累計1万5000人が参加している。モノづくりワークショップは2019年8月に開催し、300人が参加している。

2020年から新たに始める図書館でのプログラミング教育は、より公共性の高い場所で実施することで、幅広くプログラミング体験をしてもらうことを狙いとしている。

レノボ・ジャパンのマーケティング統括本部 コンシューマーマーケティング本部 本部長の越智道夫氏は、「図書館でのプログラミング教育活動は、より多くの人にプログラミングの教育受ける機会を増やすことを目的にNECパーソナルコンピュータとレノボに加え、図書館流通センター(TRC)と、キッズプロジェクトの3者のコラボレーションで実現する」と説明している。

レノボ・ジャパン マーケティング統括本部 コンシューマーマーケティング本部 本部長 越智道夫 氏

TRCは1979年設立、図書館を支援する業務を展開している企業だ。キッズプロジェクトは、大阪でゲームソフト開発を行っている株式会社エンジンの社内ベンチャーで、教育向けコンテンツを多数開発している。この3者が連携し、2020年4月、神奈川県シリウスでのプログラミング教室開催を皮切りに、全国の図書館30館でのプログラミング教室実施を予定している。5歳から小学校2年生までの子供達は、オリジナルアプリ「オリガミ」を使って、直感的にプログラミングを学ぶ。小学校3年生以上の高学年子供は、micro:bitとキーボードを使って親子でプログラミングを学ぶ。

これまで実施していなかったロールモデルの提示は、「全てにおいて、ロールモデルになるような人が出てくると、裾野が広がり、そこに入ってくる子供達が増える」(越智氏)との観点から、レノボ、NEC PCがそれぞれ子供達向けロールモデルを提示する。

レノボでは「Lenovo CROSS Dream」として、パソコンを使った動画編集技術と配信技術を紹介することで、子供が自分の夢を世界に発信する姿を紹介し、パソコン活用のひとつのロールモデルとする。NEC PCでは、パソコンを使って学校のクラスのヒーローとなる「プログラミングヒーロー ラヴィキッズ」というコンテンツを作成。パソコンを使うことで、ゲーム開発、映像作成、パラパラ動画作成などができることを紹介し、子供達がパソコンを活用することのメリットを伝えていく。

越智氏は、「レノボのコンテンツは少し年上の子供達を対象に、NEC PCのコンテンツではもう少し年齢の低い子供達を対象に、パソコンを使うことのメリットを訴えることで、パソコンの楽しさを伝えていきたい」と話している。

三浦優子

日本大学芸術学部映画学科卒業。2年間同校に勤務後、1990年、株式会社コンピュータ・ニュース社(現・株式会社BCN)に記者として勤務。2003年、同社を退社し、フリーランスライターに。PC Watch、クラウド WatchをはじめIT系媒体で執筆活動を行っている。