新生活特集2018
新生活でパソコンを使い始める人は必見。絶望しないためのバックアップ
Western DigitalのポータブルHDD「My Passport」で始めるバックアップの基礎
2018年4月6日 11:00
会社に入って新しいパソコンが会社から貸与されたとき、あなたは先輩に対してこう言わなければならない。「バックアップ環境はありますか」と。先輩が「ある」と即答するなら万々歳。「ないが、すぐに用意しよう」と言われたらまずまず。「何言ってんだ新人のくせに」みたいな感じで表情を曇らせたら……まあ、とりあえずWestern DigitalのポータブルHDD「My Passport/My Passport for Mac」を用意することをおすすめしたい。もちろん、大学に入ってPCを使い始める人にも同様におすすめする。
とにかく「絶望の時」は常に唐突に、前触れなく起こるものだ。たとえばちょうど1年前、1〜2カ月おきくらいにやってくるOSのアップデートを終えた筆者は、迷うことなく「再起動」のボタンをクリックした。いつも通りなら数十秒、長くても数分で起動ロゴが表示され、見慣れたデスクトップが現れて、それから仕事の続きを進めるはずだった。
ところが、その日はいつまでたっても画面が真っ暗なまま。何をやっても起動することはなかった。筆者のパソコンがもはや何の用もなさない文鎮と化したことをようやく理解できたのは、ひと通りのリカバリー手段を試して失敗に終わった後のこと。幸いなことにバックアップは頻繁に残していたので、直前に編集していたデータも含め、大事な仕事のファイルがなくなることは一切なかったのだが……。起動しなくなったパソコン相手に悪戦苦闘していたときの、妙にねばっこいまとわりつくような汗は、今でもはっきりと思い出せる。バックアップしておいて本当に良かった、と思った出来事でもあった。
残念なことに、ユーザー本人がいくら注意していても、パソコンはいつか故障する。故障すれば最悪データは戻ってこない。プライベートのパソコンでは故障したことがないから、という経験は全く当てにならない。なにしろパソコンは仕事で毎日長時間使うことになるのだ。仕事用パソコンが故障する確率は、プライベートパソコンの比ではないはず。そうした最悪の事態を防ぐためにも、日常的にバックアップをとることはとても重要なのである。そのときは、Western DigitalのポータブルHDD「My Passport/My Passport for Mac」を用意することをおすすめしたい(本日2回目)。
バックアップの本当の目的はファイルを保存することじゃない!
そもそもバックアップとはなんなのか。パソコンでいえば、HDDなどのストレージに保管されているファイルや設定を、別の独立したストレージに移動する、もしくはコピーを作るという行為だ。こうしておくことで、万一パソコン本体やメインのストレージにトラブルが発生し、起動できなくなったり、データにアクセスできなくなったりしても、バックアップしておいたファイルを書き戻す(復元する)だけで元通りにすることができる。
近頃はクラウドサービスを使うことが当たり前になった。例えばメールは元からクラウド上で送受信しているのでバックアップの必要がなかったり、写真や動画は自動でネットワーク上のクラウドストレージにバックアップされたりもする。そういう意味では、ユーザーが自らバックアップするべきデータは減った部分もあるかもしれない。
それでも、パソコンの内蔵ストレージにしか保存しない(コンプライアンス上、保存できない)ファイルというのは他にもたくさんあるし、システム全体がテラバイト単位になる可能性があることを考えると、全てをクラウドに保管するのはコスト面でも速度面でも難がある。なにより、パソコンが故障すればクラウドにアクセスできず、バックアップから直接システムを復元できないという問題が大きい。逆に言えば、USB HDDなどの外部ストレージにバックアップしておけば、もしパソコンが起動しなくなっても、元どおりに復元して起動できるようになる可能性が高い。だからこそ、クラウドサービスが盛り上がっているこの時代でも、手元にある外部ストレージを使って物理的にバックアップをとることの重要性は今だに薄れていないわけだ。
しかし、ここで強調しておきたいのは、あくまでもバックアップはファイルを保存することだけが目的ではないということ。本来的には「仕事を止めない」ことにバックアップの意義があるのだ。そういう視点から、実際に自分のパソコンでバックアップする時には、いくつか気を付けなければならないポイントがある。それは、「どんなストレージを使うか」「バックアップをいつするか、どうやるか」という2点だ。単純なことだが、これらについて具体的に解説していこう。
どんなストレージを使うか
バックアップに用いるストレージをどういったものにするか。実はここの判断が、将来に渡って継続的にバックアップしていけるかどうかの分かれ目となるくらいに重要だ。人によっては「とにかく安価で大容量」のストレージを選びがちかもしれないが、その判断が間違いとは言わないにしても、正解とも言えない。
安価で大容量というコストパフォーマンスを考えると、3.5インチの外付けUSB HDDが真っ先に候補として上がるだろう。大容量ならその分長くバックアップをとり続けられる、というのは、確かにその通りではある。ただ、バックアップは1回すれば終わり、というわけではない。いかに余計な労力を払わずに、継続的にバックアップしていけるかが大事なのだ。
では、どういうストレージがいいかというと、Western DigitalのポータブルHDD「My Passport/My Passport for Mac」を用意することをおすすめしたい(本日3回目)。というのも、特に2.5インチのHDDを内蔵した軽量・小型のポータブルHDDであることが「余計な労力を払わずに、継続的にバックアップしていける」という部分に最も影響するからだ。
外部電源(ACアダプター)が必要ないバスパワー駆動で、パソコンとはUSBケーブルを接続するだけ。このおかげで、最小限の設置スペースさえあれば使用でき、使わないときは引き出しなんかにしまっておける。持ち運びにも便利なサイズなので、外出時にカバンに忍ばせておくことでいつでもバックアップをとれるし、必要に応じてその場で過去のデータも取り出せる。将来的に容量が一杯になってどんどん買い増した場合でも収納するスペースに困ることはないだろう。
カラーバリエーションが、好みに合わせて選べる6色用意されているのはありがたい。ちなみに、購入するときは色や容量とともに、Windows用とMac用とでパッケージが分かれている点にも注意しよう。けれども、そのおかげでパソコンにつないだらフォーマットすることなく、すぐに使い始められるのはうれしいところだ。
また、「My Passport for Mac」はUSB type-Cケーブルが同梱された新パッケージも流通中のようだ。通常のケーブルももちろんついてくるので、type-C端子の最新MacBookを使っている人はもちろん、そうでない人にとってもちょっとお得な感じだ。
一方、「コストパフォーマンス重視」で3.5インチHDD採用の外付けUSB HDDを選んだ場合はどうだろうか。まず、動作には多くの場合ACアダプターが必要になるので据え置き使用が前提となる。本体が大きいというのもあるが、電源を接続しなければならないので、使わないときは収納しておく、という身軽さはない。当然持ち運びには適さないし、移動先でいつでもバックアップする、といった使い方は難しい。結果的にバックアップすることが面倒になってしまう。継続できなければ最新のファイルが残らないことになるので、バックアップの意義が半減することになる。
というわけで、コンパクトなポータブルHDDの方が、その使い勝手の良さもあって、本来の「仕事を止めない」という目的をいろんな意味で達成しやすいと言える。もちろん、ポータブルならどんなHDDでもOK、というわけではなく、長くバックアップをとり続けるには、長く安定して動作する高い信頼性を備えている必要もあるだろう。その点、パソコンの黎明期からストレージの開発を手がけ、日立(HGST)製HDDの技術も取り込んだ30年の歴史をもつWestern Digitalのストレージは、業界で最も信頼できる製品の1つと言える。歴史の長さと信頼性の高さから取り扱い店舗が多く、入手性が高いことも利点だ。
My Passportを使えばバックアップなんて簡単だ!
バックアップ用のストレージを手に入れたら、今度はどのようにバックアップを実行するか決めなければいけない。一見簡単そうに思えるのはファイルやフォルダを手作業でコピーする方法だが、単純コピーは余計なトラブルの元になりやすいこと、頻繁にバックアップをとるには手間がかかりすぎることから、おすすめしない。コピー漏れが発生しやすく、もし過去の時点のファイルに戻したり、誤って失ったファイルを復元したりする必要が出てきたときにも大変な手間がかかる。「仕事を止めない」バックアップ方法とはとても言えないのだ。
そこでおすすめなのが、OSが標準で用意しているバックアップ機能やMy Passportに付属するソフトに「全部任せてしまう」ことだ。それには大きく分けて「システム全体を丸ごとバックアップ」と「個別のファイルの履歴を細かくバックアップ」の2の方向性がある。
「システム全体を丸ごとバックアップ」の利点は、個別ファイルのバックアップ漏れがないことと、あとでパソコンの調子が悪くなった場合に、バックアップした時点までシステム全体を復元できることだ。
「個別のファイルの履歴を細かくバックアップ」する利点は、ファイルの細かい履歴を辿れるので、間違えてファイルを消したり上書きしてしまった場合でも、簡単に復活できること。自動で定期的にバックアップを実行することもできるので、「いつするか」という点をほとんど気にする必要がなくなるのもメリットとなる。
パソコンのバックアップでは、上記の2つの方法を併用するのがおすすめだ。では、早速My Passport/My Passport for Macを使って、Windows 10とmacOSそれぞれでバックアップをとる方法と手順を紹介しよう。
Windows 10でのバックアップ/復元方法
My Passport用ツールでシステム全体をバックアップする
My PassportをはじめとするWestern DigitalのHDD製品で使用可能なバックアップツール「Acronis True Image WD Edition」が、公式サポートサイトで配布されている。これを使うと、HDDのフォーマットやシステム全体のバックアップを簡単に行える。バックアップ後はシステム全体を丸ごと復元したり、ファイルを個別に指定してバックアップ時のものから復元したりすることが可能だ。
では、以下で実際のバックアップ/復元手順を紹介していこう。
Windows 10標準機能でバックアップ&復元する
Windows 10は標準でいくつかのバックアップ機能を備えている。まずはシステム全体をバックアップし、復元する方法から紹介しよう。大まかな手順としては以下のようになる。
- 「回復ドライブ」として使うUSBメモリ(8GB以上)とバックアップイメージ保存用のMy Passportを用意する
- USBメモリにシステムイメージを書き込む
- My Passportにバックアップイメージを書き込む
- USBメモリで起動し、My Passportから復元する
いつでもバックアップできるフレキシブルさを重視しよう
何度も言うように、バックアップの一番の目的はあくまでも「仕事を止めないこと」。パソコンの故障などのトラブル発生時はもちろんのこと、ユーザー自身の誤操作でファイルを巻き戻してしまったり、削除してしまったときにも、バックアップさえあれば復元してすぐに本来の仕事に戻ることができる。
バックアップ用のストレージが高速、大容量であることに越したことはないけれど、それだけに固執して、自分の仕事にとって必要なタイミングでバックアップを取れないのは本末転倒と言える。少々ストレージ容量が少なめだとしても、コンパクトで、できる限り多くのシチュエーションでフレキシブルにバックアップをとれることの方が、よほど重要だ。
とはいえ、2.5インチHDDを採用しているMy Passport/My Passport for Macは、最大で4TB容量までラインアップしており、ガンガン動画編集するような仕事でなければ容量面で不足を感じることはあまりないはずだ。コストパフォーマンスについても、4TBの場合、3.5インチの他製品と比べて実売価格でおよそ3000円ほどしか変わらない。使い勝手に差があることを考えると、3.5インチにこだわる意味はあまりないように思われる。
6色のカラーバリエーションを活かして、パソコンごと、用途ごとに異なる色でそろえてわかりやすく管理する、ということができるのもMy Passport/My Passport for Macならでは。仕事を止めず、スムーズにこなしていけるデキる新人会社員を目指すなら、いつでもバックアップできるよう環境を整えてみてはいかがだろうか。