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古い体温計は正確に測れない? オムロンに聞いてみた

2003年に購入した体温計(上)と、2021年に購入した体温計(下)

古い体温計だと体温が正確に測れない、というSNSの投稿が先日話題になりました。一般的に体温計の耐用年数は5年とされており、それを越えると結果に差が出やすいとのことです。耐用年数を超えた体温計は本当に正確でないのか、また体温計の買い替えタイミングはいつなのか、オムロンヘルスケアに聞いてみました。

まず、体温計の耐用年数は、オムロンヘルスケアのペンシル型の場合は5年に定められています。実際に説明書を見てみると、確かに耐用期間(標準的な使用期間)は5年と記されていました(オムロン 電子体温計 MC-687の場合)。

オムロンの説明書には、耐用期間5年と記されています

では、耐用年数を超えた体温計は、本当に正確に体温を測れないのでしょうか。オムロンヘルスケア 広報の回答は「耐用年数を超えたからといって、精度がすぐに悪くなるわけではありません。耐用年数は、スイッチやネジなど部品の摩耗や劣化が想定される個所の耐久性能を、満足できなくなるまでの期間として設定しています」とのこと。

耐用年数を超えた場合でも、必ずしもすぐに精度が低くなるということではないようです。オムロンでは買い替えのおすすめ時期も5年としていますが、実際にはもう少し長く使っても問題ないとしています。

「買い替え時期については、おすすめとしては5年で、使用頻度が想定以上の場合は別ですが、実際にはもう少し長く使っていただいても問題ないと思います」(オムロン ヘルスケア 広報)

買い替えのおすすめは5年ですが、実際にはもう少し長く使っても問題ないとのこと

せっかくなので、筆者宅にあった2003年に購入した体温計と、コロナ禍の2021年に購入した体温計で体温を測定してみました。18年の年月を経ての買い替えでした。いずれも予測式、わき下で測定するモデルです。

すると、2003年の体温計では35.0℃、2021年の体温計では35.8℃という結果に。メーカーも異なるので正しい比較ではないですが、0.8℃も異なっており、確かに測定結果に差が出ています。

なお、具体的に精度に影響が出る年数というのは、使用状況によって異なるため定められていないようです。耐用年数の5年というのを1つの目安として、しばらく買い替えていない方はぜひ参考にしてみてください。

2003年に購入した体温計(上)は35.0℃、2021年に購入した体温計(下)は35.8℃という結果に。どちらも予測式ですが、0.8℃の差がでました

体温計の正しい使い方

オムロンヘルスケアでは体温計の正しい使い方も紹介しており、体温計を正しくあてて測らないと、精度の高い検温値が得られない場合があるとのこと。

わき式体温計の場合、わきの温度は中心ほど高く周辺は低いため、わきの中心に測定部(先端)をあて、体温計を下から少し押し上げるようにして、わきをしっかり締めます。表示部は内側に向け、わきと体温計が密着するように腕を軽く押さえることを推奨しています。

上から差し込むとわきの中心にあたらず、横から差し込むと先端が出てしまうので注意が必要です。また、汗をかいていると熱の伝導率が異なるため、測定をするときは汗を拭いてから測定するようにしましょう。

このほかオムロンのページでは、耳式体温計や、口での体温計の測り方も紹介しています。体温は健康状態を把握するバロメーターになり、医療機関を受診する際の目安にもなります。正しい結果を得るためにも、耐用年数や正しい測り方をぜひチェックしてみてください。

体温計の正しい使い方(出典:オムロン ヘルスケア)
西村 夢音