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短期集中連載
買う? 買わない? Windows 2000

第1回:Windows 2000ってなに?


北原さん
北原静香
コンピュータ歴はなんと小学生から。Windows NTやLinux関連の原稿をおもに執筆。プログラムも書いたりしちゃう方であるが、素顔はぱっちりした目がチャーミングな女性なのだ。


 2000年2月18日発売のWindows 2000。テレビや雑誌なんかでいろいろ騒がれているけど、“本当に自分に必要かどうかわからない”、“買った方がいいのかどうか迷っている”、というユーザーも多いはず。そんなわけで今回は、Windows 2000ってのがどういう製品なのかをちょっとだけ解説します。

■ 2000はWindowsの新しいバージョンじゃない!?

Windows 2000は、あなたにとって必要か?

 まず最初に知っておいて欲しいのは、Windows 2000はWindows 98の次のWindowsじゃないってこと。Windows 2000はもともとWindows NTって呼ばれてたOSの新しいバージョンで、オフィスとかでネットワークシステムをつくるのに利用するハイエンドの製品。だからWindows 2000はWindows 98なんかよりずっとお高い。だからって「個人ユーザーには必要ない」って決め付けるのはまだ早い。これまでだって個人でWindows NTを導入してる人だっているんだから、それなりにメリットがあるのは確かなんだろう。でも、Windows 2000の何がそんなに良いって言うんだろう?



■ いろいろあるWindows 2000

 ひとことでWindows 2000って言うけど、実は次の表のような種類がある。もちろんそれぞれお値段はかなり違う。一般ユーザーがWindows 98からの乗り換え用として購入するのは、Windows 2000 Professionalで、Windows 2000 Serverは文字通りサーバー用。とはいえ数台の家庭内LANで利用するなら、Windows 2000 Professionalでほとんど間に合うはず。

 あと、この表に挙げたほかに、中規模ネットワークのサーバー用のAdvanced Server、大規模ネットワークのサーバー用のDataCenter Serverがあるけれど、これらは数百台、数千台という規模のサーバー用。実際にはコンパックとかIBMとかが、サーバー機とサポート込みで販売するようなしろものなので、個人にはまず関係ないもの。

 この表でむしろ気にしてほしいのは、推奨メモリ。マイクロソフトではいつも必要メモリと推奨メモリというのを仕様に挙げるんだけど、「必要メモリ=なんとか動くことは動く」というレベルと思って間違いない。つまり、実際に使うなら最低でも、推奨メモリ容量は積んでおいたほうがいい(ホントはProfessionalでも、128MB以上をお勧めしますが)。乗り換えを考えるなら、そのあたりの費用も計算に入れておく必要アリ。

 というわけで、一般のデスクトップ/ノート用の「Professional」と、規模に応じたサーバー製品があることはいちおう頭に入れておきましょう。

製品名 位置づけ 対応CPU数 必要メモリ 推奨メモリ 価格
Windows2000 Professional デスクトップ、ノート用 2個 32MB 64MB 38,800円
Windows2000 Server 小規模ネットワークのサーバー用 4個 128MB 256MB 180,000円
Windows2000 Developer 開発用(Professional+Server+α)     94,800円

 ちなみに「Developer」は、アプリケーション開発用の製品として他のパッケージとは区別されていて、ProfessionalとServerの製品と開発に必要なツールキットやMSDN(Microsoft Developer Network)1年分が付属している。日本だけのオリジナルパッケージ製品で、6月末までの期間限定販売されるもの。同梱されているProfessionalやServerは普通のパッケージとおんなじだけど、業務や運用の目的では購入できないので要注意。



■ ちょこっとだけWindows 2000の特徴

 Windows 2000の特徴っていろいろあって、ここで全部をご紹介するのは無理。だから、ちょこっとだけの解説にとどめちゃいます。

 Windows 98のユーザーにとって、Windows 2000の最大のメリットは安定性。複数のアプリケーションがそれぞれ別のメモリ空間を使用するから、どれかのアプリケーションがフリーズしても他に影響がでにくい。って言っても、まったくでないって保証はないんだけどね。それに、Windows 98みたいにシステムリソースを無駄に消費するってことも無いのは魅力かも。ちなみに私のWindows NT 4.0は3カ月くらい電源いれっぱなしでリブートもしてないけど動作に全然問題はないし、Windows 2000を導入したマシンもここ1週間くらいフリーズもしてない。でもWindows 98のマシンって、結構頻繁にリブートを必要とするって思わない?(編集部注:メモリ64MBのノートPCを使っている担当クドーは毎日最低5回はリブートしています)

 安全性もWindows 2000の重要な要素。Windows 98でもシステムにログオンする機能はあったけど、Windows 2000ではこのプロセスは必須。登録されてる正しいユーザー名とパスワードを入力しないと利用できないってわけ。
 システムの安全性はいろんな面で保持されているんだけど、NTFS(NT File System)ってファイルシステムもそのひとつ。単純に安全性が高いってだけのファイルシステムじゃないんだけど、とにかく個別のファイルやフォルダに対しても細かくユーザーの権限を設定できるから、他人に自分のファイルをのぞかれたりする心配ナシ。複数のユーザーで利用する環境なら必須の機能だと思う。

 これまでWindows NTユーザーだった人にとってWindows 2000が嬉しいのは、プラグ&プレイの機能が追加されたこと。Windows 98ユーザーからすれば“いまさら”という感じだけど、これまでWindows NTではPCカードを途中で抜き差ししたりできなかった。だからノートなんかでWindows NTを使うのは、一部のマニアな方々だけって感じだったんだよね。実はUSBの対応も今回のWindows 2000から。あぁ、これまでのWindows NTってなんて不便だったんだろう(でもNT 3.1の頃からユーザーなんですけどね)。



■ まとめ

 Windows 2000って製品名は、いかにもWindows 98の次のバージョンって感じがする。多分マイクロソフトは故意にそうしたんじゃないかな。数年前からWindowsとWindows NTのプロダクトは統合されるって言われてたし、これを機にNTって名称をやめちゃおうってことなんでしょう。実際それぞれのOSのユーザーから見たら、Windows 98とWindows NTのいいところをとって一緒にしましたって感じだもんね。

 今回はWindows 2000の良い面だけをちょこっと紹介したけど、ちゃーんと問題だってあるんだよね。次回かその次くらいに、問題点とか注意点とかを解説しようかなって思ってます。

■ まとめの追記

 ……と、発売まではそうだったんだけれど、いざ発売の段になって、マイクロソフトは販売戦略を変更したらしい。「Window 2000は法人向け、個人にはお勧めしない。個人にはWindows 98の後継OSにあたる“Millenium”を用意する」ということになった、というか日本法人社長の成毛氏が発表会でそう発言したのだ。それまでは上述のように、Windows 98からWindows 2000へと、統合するという話だったので、業界で物議をかもしてマス、はっきりいって。まあ出すベンダーがそう言っているんだから、しかたないけど、そう言い切られちゃうと、じゃあこの連載とかもいきなり結論出ちゃったのかな~、なんて思ったりして。つまり、上級ユーザーを除いて個人ユーザーはWindows 2000はやめときましょうね、ということでいいのか?な? なんて。

 とはいえ、やはり新しいOS、どこがいいのか悪いのか、みなさん興味はあると思う(あるよねっ? ねっ?)ので、導入するかどうかの判断になるような材料をこの連載で何回かにわけてご提供していきたいと思います。


◎関連URL
Windows 2000日本語版ホームページ
http://www.win2000j.com/default.asp

(北原静香)
2000/02/21


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