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カラー液晶携帯電話の行方

■ 人気上昇中のカラー液晶携帯電話

カラー携帯3機種
右から「F502i」「J-SH02」「D502i」の順に並ぶ。D502iの液晶ディスプレイの大きさが実感できる

 昨年末、J-フォンやNTTドコモから相次いで、カラー液晶ディスプレイを搭載した携帯電話が発売された。発売当初は「今のケータイにカラーが必要なのか?」といった疑問の声も聞かれたが、市場での反響は概ね良好で、機種によっては相変わらず品薄状態が続いている。今回は各社から発売された3台のカラー液晶携帯電話を見ながら、その行方を考えてみよう。



■ 3つのカラー液晶携帯電話

 このコラムや「非同期通信レポートmobile」では、カラー液晶携帯電話を紹介してきたが、おさらいの意味も含め、昨年末から発売された各社のカラー液晶携帯電話をひとつずつ紹介しよう。

F502iの液晶
F502iの液晶ディスプレイ画面。やや青白い印象が残る

 まず、NTTドコモの「F502i」だ。F502iはその名前からもわかるように、富士通の開発によるものだ。富士通はiモードのファーストモデルであるF501iを販売したメーカーであり、今回もカラー対応iモード端末の先陣を切ることになった。液晶ディスプレイのサイズは縦2.7cm×横2.4cm、対角3.6cm。カラー液晶ディスプレイを活かした機能としては、待受画面表示(最大5件まで登録可能)、着信時の登録画像表示(最大5件まで登録可能)、ウェイクアップ画面表示、5種類のカラー配色などがある。もちろん、カラー対応のiモードコンテンツが閲覧できることは言うまでもない。


JSH02の液晶
J-SH02の液晶ディスプレイ画面。バランスは良好だが、やや黄色みがかった印象がある

 次に登場したのがJ-フォンの「J-SH02」だ。液晶パネルのトップメーカーであるシャープの開発によるもので、J-フォンが昨年12月から開始したJ-スカイサービス対応ファーストモデルだ。液晶ディスプレイのサイズは縦2.3cm×横2.3cm、対角3.3cm。カラー液晶ディスプレイを活かした機能としては、待受画面の壁紙表示(ユーザー設定データ1つを含む計4種類)、待受や着信中、電源ON/OFF時のキャラクター表示(ユーザー設定データ1つを含む計3種類)、相手先によって画面表示が変わる毎グラフィックコール(5種類)、ウェイクアップ画面表示などがある。また、地域は限定されるが、J-フォンが提供するJ-スカイサービスのコンテンツが閲覧できる。


D501iの液晶
D502iの液晶ディスプレイ画面。3機種中、最大サイズ。モノクロ版iモード端末と比べてもまったく遜色はない

 そして、今年に入ってから出荷が開始されたのがNTTドコモのD502iだ。三菱電機の開発によるもので、おなじみのフリップ式デザインを採用している。iモード端末の501世代ではF501iに続くセカンドモデルだったが、今回もカラー対応iモード端末のセカンドモデルとなっている。液晶ディスプレイのサイズは、縦3.4cm×横2.7cm、対角4.3cm。カラー液晶ディスプレイを活かした機能としては、待受画面表示(デジタル時計表示は標準画像8種類、ダウンロード画像1種類。アナログ時計は標準画像6種類、ダウンロード画像1種類。月替わり表示。メッセージ表示の背景イラスト3種類)、発着信時のキャラクター表示(標準画像5種類、ダウンロード画像1種類)、グループごとの着信時の背景色設定(6種類)、電話帳の似顔絵登録、ウェイクアップ画面表示などがある。カラー対応のiモードコンテンツが閲覧できるのはF502i同様だ。



■ サイズと機能で比べると……

 3つのカラー液晶携帯電話を比較してみて、まず目に付くのが液晶ディスプレイのサイズだ。写真を見てもわかる通り、D502iが圧倒的に大きい。面積比で言えば、画面が最も小さいJ-SH02の約1.7倍近くもある。ちなみに、サントリーのボス電にも採用されたP501iは縦3.6×横2.4、対角4.5cmであり、これと比べてもまったく遜色のないサイズだ。

 また、液晶ディスプレイの色味や発色については、ロットや環境などによる差があるが、筆者の主観だけで言わせてもらえれば、J-SH02のバランスがいいように見える。しかし、特定の機種のみが抜きん出ているという印象はない。

 一方、機能面で見ると、3機種とも待受画面表示とメモリダイヤルに対応する画像表示が充実している。なかでもD502iのバリエーションの多さは、他を圧倒している。ただ、ユーザー自身が設定できるダウンロード画像のみを見ると、3機種とも1点ずつのみで大差はない。待受画面表示については、今後もコンテンツサービスなども含め、いろいろな形で機能が進化するだろうが、基本的にはプリクラを携帯電話やPHSに貼っていたのと同じ感覚でユーザーは利用することが予想される。自分の家族や彼氏、彼女、アイドルといったあたりが有力候補だ。

 しかし、その切り口で考えた場合、現状ではF502iとD502iが一歩リードしていることになる。なぜなら、PCから端末のメモリを操作できるデータリンクソフトが提供されているからだ。残念ながら、今回は対応データリンクソフトが未出荷で入手できなかったため、機能はチェックできていないが、従来製品のデータリンクソフトの機能を見る限り、待受画面の画像なども何らかの形で登録ができると予想される。



■ カラー液晶携帯電話の今後

 最後に、カラー液晶携帯電話の今後について考えてみよう。まず、各機種の現状だが、J-SH02は発売から1カ月後の現在でも予約待ちになっている地域があり、カラー液晶ディスプレイの本領を発揮できるJ-スカイサービスが提供されていない地域でも品切れになるほど売れているという。F502iは音声ダイヤルのトラブルで一時出荷がストップされたが、現在は順調に供給されている。D502iも当初の予定より若干出荷が遅れ、ボディカラーによっては品切れになっているものもあるそうだ。また、カラー液晶携帯電話に対する人気は、どちらかと言えば、女性の方が多いという分析もある。

 機種のバリエーションだが、今のところ、今回紹介した3機種の他に、京セラがDDIポケット向けPHSとして「Visual Phone」を販売している。複合端末としてはエプソン製PDA「Locatio」にもDDIポケット向けPHSを内蔵したモデルがラインアップされていた。しかし、いずれの機種もどちらかと言えば、特殊な用途や目的を持った端末であり、純粋な携帯電話・PHSとは言い難い。つまり、現時点でのカラー液晶携帯電話・PHSは、今回の3機種のみということになる。

 携帯電話用カラー液晶ディスプレイは、シャープやエプソン、三洋電機などが製造しているが、今後、これらのカラー液晶ディスプレイを搭載した携帯電話やPHSが数多く登場することは容易に予想できる。現在の3機種の市場での反応が良いことを考慮すると、早ければ4月早々、遅くとも7月にはいくつかの新機種が投入されることになりそうだ。あくまでも筆者の勝手な予想だが、今年末には各通信事業者の携帯電話・PHSのラインアップの内、2~3割はカラー液晶ディスプレイを搭載するのではないかと見ている。特に、高速通信のメリットを活かすことができるPHSは、カラー液晶ディスプレイ搭載モデルへの期待が大きい。

 たとえば、NTTドコモのiモードでは502シリーズでのカラー化が今回の2機種のみにとどまったが、503世代は全機種がカラー化されることも考えられる。ただ、502シリーズでも後発のモデルの一部にカラー液晶搭載モデルが登場するのではないかとの噂も絶えない。

 J-フォンは今のところ、J-SH02に続くJ-スカイサービス対応機種の噂がないが、三菱電機がiモード向けにD502iを販売していることを考えれば、J-D01の後継モデルが近い将来にカラー化されることは十分に考えられる。J-スカイサービスはJ-フォングループにとって、次世代携帯電話をにらんだ重要なサービスなので、コンテンツの充実を図るためにもカラー液晶搭載端末のラインアップ充実は急がなければならない。

 cdmaOne陣営のDDI-セルラー/IDOについてはiモードへの対抗上、両社が提供するEZサービス向けにカラー対応端末を提供しそうだ。今秋には両社が合併し、新生DDIとして生まれ変わるあたりに登場する可能性がありそうだ。

 カラー液晶携帯電話・PHSの成否を握っているのは、やはりコンテンツサービスや端末の機能だ。iモードについてはすでにカラー対応のコンテンツが登場しており、ユーザー自身が運営するサイトなどでもカラー液晶携帯電話向けに待受画面用データの交換などが行なわれている。J-スカイサービスについては、正直なところ、まだ不安定な部分が多く、画像フォーマットがPNGという特殊なものを採用しているため、ユーザー自身が運営するサイトがあまり増えていない。J-スカイサービス対応ページを作成するためのツールなどが登場し、サービスが全国展開されれば、もう少し状況は改善されるだろう。

 端末の機能についても待受画面や着信時の画像表示だけというのは厳しい。消費電力の兼ね合いなどもあるが、もっと工夫を凝らした機能の登場を期待したい。もちろん、次世代携帯電話になれば、動画のやり取りなども現実的になるが、それまでにまだ搭載できる機能があるはずだ。待受画面のカスタマイズなどについても前述の通り、PCや携帯情報端末とのリンクという切り口が残されている。

 カラー化が一気に進むか、既存のモノクロ液晶端末が生き残るか。携帯電話・PHSはひとつの岐路に差しかかっている。製品を買う側にとっても、製品を作る側にとっても、この選択は重要なターニングポイントになりそうだ。今後の各社の動向と市場の反響に注目したい。


◎関連URL
■ F502i製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/i/lineup/f502i/f502i.html
■ F502i製品情報(富士通)
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/Products/telcom/
mobileworld/product/data/f502i.htm

■ J-SH02製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/jsh02/text/
■ J-SH02製品情報(J-フォン東京)
http://www.j-phone-tokyo.com/p_and_s/products/be/htmls/jsh02.htm
■ D502i製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/i/lineup/d502i/d502i.html
■ 週刊モバイルCATCHUP 1999年12月9日号
『iモード初のカラー液晶搭載「F502i」』
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/
catchup/1999/12/09/

■ 非同期通信レポートmobile 第2回『J-フォン J-SH02速報レポート』
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/hidouki/
1999/12/10/jsky.htm

法林岳之
2000/01/25


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