Mobile Central click Here
 

モバイルIndex
【2000/04/06】
史上最強のメール端末「ポケットポストペット」到来!
【2000/03/29】
メール&メロディで楽しめる「Sky e pad」
【2000/03/21】
iボードはiモードを変えるか?
【2000/02/15】
モバイルのお供にデータ通信カード一体型PHS
【2000/02/08】
PacketOne端末、第2弾登場!!
【2000/02/01】
どんなモバイルしてますか?
【2000/01/25】
カラー液晶携帯電話の行方
【2000/01/18】
PacketOne64の実力やいかに?
【2000/01/11】
iモードページも楽しめる「Cara」
【1999/12/21】
パケット通信対応「ポケットモペラ」登場!
【1999/12/14】
パケット無線機内蔵端末「エクシーレ」から見えてくるモノ
【1999/12/09】
iモード初のカラー液晶搭載「F502i」
【1999/11/30】
POCKET・Eってどんな感じ?
【1999/11/24】
COMDEX/Fall'99レポート
【1999/11/09】
COM JAPAN 1999で見えた今後の方向性
【1999/11/02】
携帯電話の買い換えシーズン到来
【1999/10/26】
日本特有のWindows CEマシン事情
【1999/10/19】
さらなる進化を続けるPHS
【1999/10/12】
屋外だけでなく、家の中でもモバイルしよう
【1999/10/05】
あなどれない! お手軽携帯情報端末の実力


検索
5






パケット無線機内蔵端末「エクシーレ」から見えてくるモノ

■ わずか200gのボディにパケット無線機を内蔵

Exire
NTTドコモ エクシーレ
本体にはアンテナを格納。エリア内であれば、伸ばさなくても十分使える。

 12月1日、NTTドコモからパケット無線機を一体化したメール端末「エクシーレ」が発売された。NTTドコモとしては、ポケットボードやブラウザボードなどに続くメール端末として期待しており、販売促進活動もかなり力が入っている。筆者も若干、苦労はしたが、ようやく実機を購入することができたので、その試用レポートをお送りしよう。

 エクシーレは11月2〜5日まで開催されていたCOM JAPAN 1999で参考出品されていたもので、筆者も同展示会のレポートで最も期待する製品のひとつとして紹介した。エクシーレが特徴的なのは、パケット無線機を一体化しているという点だ。従来のポケットボードやブラウザボードといったメール端末は、携帯電話やPHSと組み合わせて利用するためのものだが、エクシーレはPDC方式によるパケット無線機を一体化することにより、本体のみでメールの送受信やWebページの閲覧を可能にしている。その証拠に、本体にはアンテナが内蔵されており、電話番号も割り当てられている。ただし、パケット通信機能のみサポートするシングルモード機のため、エクシーレで音声通話はできない。ちなみに、パケット通信の速度は最大9.6kbpsまでとなっている。

 筐体はコミュニケーションパル MT-300よりわずかに小さく、重量も約220gと軽い。アンテナは液晶パネルの左上格納されている。液晶ディスプレイは320×240ドット/4階調表示が可能なモノクロ反射型液晶を採用し、最大で全角20文字×13行の表示ができる。


コミュニケーションパル MT-300と並べてみた。筐体の幅がやや小さい
キー配列はQWERTY配列から数字キーや記号キーを省略したレイアウトを採用している

 キーボードは他のメール端末同様、ボタンのような丸いデザインを採用し、キーピッチは約10mm程度、キーとキーの間の隙間は約2mm程度となっている。ただし、キーストロークが浅く、キーの高さも低いため、爪の長い女性などには今ひとつ使いにくい。  キー配列はQWERTY配列の一般的なものを採用しているが、数字キーや記号キーが省略されたレイアウトになっている。数字を入力したいときは、手前の[数字]キーを押してから、左半分の数字が割り当てられたキーを押す。同様に、記号も手前の記号キーを押してから該当するキーを押す。ポケットボード ピュアなどに比べると、若干配列にクセがある印象だ。メニュー回りの操作は、右上のカーソルキー、左上の[決定][戻る]キー、中段の[メニュー][通信][スタート]キーを利用する。

本体右側面。[チェック/マナー]ボタンを押すと、圏内・外やバッテリーのLEDが点灯する
本体左側面。左下のカバー部分を外すと、PDC携帯電話でおなじみのあのコネクタが現われる

 バッテリーは本体下部に内蔵する構造になっており、本体左側面の端子にACアダプタを接続して充電する。バッテリー駆動時間は連続通信時間が60分、連続待受時間が140時間となっている。


■ メールからWebブラウザ、PIMも搭載

 エクシーレにはさまざまな機能が搭載されているが、パンフレットを見てみると、機能とサービスがごっちゃになっているため、今ひとつ機能と内容がつかみにくい。少し整理をしながら見てみよう。

 まず、インターネットへ接続するためのアクセスラインだが、これは本体内蔵のパケット無線機を利用し、NTTドコモが提供するインターネット接続サービスの「moperaネットサーフィン」で接続する。moperaネットサーフィンは同社の携帯電話やPHSを持つユーザーなら、誰でも申し込みをすることなく利用できるインターネット接続サービスだ。つまり、本体を購入すれば、少なくともWebページの閲覧だけは、すぐにでも楽しめるわけだ。また、DoPa対応のプロバイダと契約しているユーザーは、そのアクセスポイントに接続することも可能だ。エクシーレには標準搭載のmoperaネットサーフィン以外に、最大2件のプロバイダを登録することが可能だ。

 次に、メール機能だ。エクシーレはPOP3/SMTPサーバを利用したメール送受信が可能で、CC(Carbon Copy)や転送、返信、下書き保存などの機能も備える。1通あたりに送受信できる最大容量は、送信メールが10kbytes、受信メールが64kbytesとなっており、送受信及び下書きメールを合わせて、300件のメールを保存しておくことができる。また、メールの送受信は、一括受信とリスト受信を選ぶことができ、サーバからのメールの削除の有効/無効、受信メールの上限サイズなども設定可能だ。

 Webブラウザは、HTML3.2準拠のものが採用されている。GIF/JPEG形式の画像も表示することが可能だが、画像の読み込みをOFFに設定することもできる。ブックマークは最大60件まで登録でき、Proxyサーバも設定することが可能だ。画面サイズは2段階に切り替えることができるが、画面サイズが小さいため、通常のWebページの閲覧はやや見にくい。縮小表示でモバイル向けコンテンツを見るのがちょうどいいサイズだ。

NTTドコモ中央のモバイル向けページを表示。画面に収まりきらない
同じページを縮小表示すると、全体像をつかむことができる。フォントは小さいが、こちらの方が使いやすい
モバイルセントラルを表示。画像は読み込まない設定でも読み込みには少々時間が掛かる

 インターネットには直接関係ないが、意外に面白いと言われているのが「Live!メール」「Live!トーク」という機能だ。この2つは簡単に言ってしまえば、NTTドコモのショートメールと同じようなサービスで、エクシーレ同士でのメールやチャットができるというものだ。この2つのサービスは、moperaでも「mopera Live!サービス」として提供されており、NTTドコモの携帯電話やPHSからmoperaネットサーフィン(PHSはパルディオネットサーフィンから改名)経由で接続し、Live!サービスクライアントソフト(Windows95/98用)をインストールしたPCとのコミュニケーションも楽しめる。携帯電話やPHS同士、携帯電話やPHSとエクシーレの間では、Live!メールとLiveトークしか楽しめないが、エクシーレ同士の通信ではメロディ付きメールの送信も可能だ。また、エクシーレではLive!メールが直接、端末に着信する仕組みになっている。ちなみに、着信音はN208と同じ着信メロディの形式が採用されており、音階は3オクターブ、音符と休符は全音符から16分音符、テンポは8段階まで設定でき、1曲当たり256音まで入力可能だ。入力したメロディは最大10曲まで保存できる。

 Live!メールとLive!トークは非常に面白い機能のひとつだが、いずれもNTTドコモの携帯電話やPHSの利用が前提になるため、インターネットメールに比べれば、利用者は限定される。基本的には、同社のショートメールやきゃらトークと同じ位置付けのサービスと考えた方がいいだろう。

 この他にも、エクシーレにはスケジュール帳やアドレス帳、カレンダー、電卓といったPIM機能が搭載されている。本格的なPDAに比べると、やや見劣りがするが、ヘビーに使わなければ、実用になるレベルと言えるだろう。


■ なぜ開通に数日を要したのか

 エクシーレには前述のように、パケット無線機が内蔵されている。そのため、実際にエクシーレを利用するには、エクシーレ本体を購入するだけでなく、NTTドコモとパケット通信の契約をしなければならない。エクシーレで利用できるパケット通信の料金プランは、10月に発表された「スーパーライトプランS」と「ライトプランS」から選ぶことができる。通常、携帯電話を利用するには約3000円以上の基本料金が必要になるが、エクシーレに関しては月額でわずか900円、もしくは500円のみで済むということになる。通信料については同じパケット通信を利用するiモードが1パケットあたり0.3円に対し、スーパーライトプランSが1パケットあたり0.35円、ライトプランSが0.2円となっている。ただし、iモードとは若干、計算方法が異なるため、実際にはやや高くなることも予想される。

 また、moperaサービスで提供されているmoperaメールサービスを利用するには、別途料金が必要になる。ちなみに、mopera POPメールサービスは2000年1月31日までに限り、月額500円の使用料が無料となっている。ただし、moperaメールサービスを利用するには、ドコモショップや電話などで、事前に申し込みをする必要があり、実際の利用は申し込んだ翌日の朝9時からとなっている。エクシーレ購入時に、同時に申し込むときは注意が必要だ。

 エクシーレ本体の標準価格は本体と標準セットで3万8200円となっているが、今回は3万5910円で購入することができた。購入後にもいくつかのショップで価格を調べてみたが、およそ3万5000円前後となっている。メール端末としては高額な部類にはいるが、パケット無線機が内蔵されている(つまり、携帯電話とほぼ同等)ことを考慮すれば、仕方がないといったところだろうか。ただ、個人的には実売価格で3万円を切らなければ、なかなか受け入れられないのではないかと見ている。

 ところで、冒頭で「若干、苦労したが……」という話をしたが、筆者はエクシーレを購入し、実際に利用できるようになるまでに数日を要している。現在はここで偉そうに、あーだこーだと解説しているが(笑)、実はエクシーレで「できること」と「必要なこと」を理解するまでに、少々時間を要した。これは筆者だけでなく、ドコモショップの店員も同様だ。今回、エクシーレを購入するにあたり、ある会社が行なった東京地区のドコモショップの格付け調査でトップを取ったショップを利用したのだが、そこでも開通や契約にかなり手間取ってしまった。しかも、本体の初期不良があったため、実際には開通するのに数日を要してしまったというわけだ。

 このトラブルの原因は、契約者や店員のスキルだけで片付けられる問題ではない。少なくとも筆者が見る限り、エクシーレのパンフレットには「できること」と「必要なこと」の情報が整理して掲載されておらず、購入する側は戸惑い、手続きをする側は手続きに手間取ってしまう。本体のみでメールやWebページ閲覧ができることはわかるのだが、そのために何が必要で、どんな契約をしなければならないのかが明確になっていないのだ。たとえば、チャート式の図解で、「すでにプロバイダと契約しているか?」「契約プロバイダはDoPaに対応しているか?」「mopera POPメールサービスは必要か?」などを選べるようにする方法が考えられる。特に、メール端末を購入するようなユーザー層を考えると、こうした初期導入の部分をいかに簡単にするかがカギになるはずだが、エクシーレにはそれが欠けている。これはハードウェア以前の問題だ。


■ エクシーレから見えてくるモノ

 以前、NTTドコモの立川社長が講演で、「これからは人間が話すためだけでなく、もっといろんな用途に携帯電話やPHSを応用しなければならない」という話をしていた。いわゆる「非音声利用の促進」という考え方だ。携帯電話の契約数が5000万を超え、間もなくアナログ回線を上回ると言われているが、今以上に収益を伸ばすためには非音声利用の促進が必要不可欠というわけだ。エクシーレはメールやWeb端末専用に特化することにより、今まで携帯電話を買わなかったユーザーや携帯電話でメールを使っていないユーザーなどを取り込み、幅広い層に利用してもらえる可能性を持っている。今年、文字電話が登場したとき、筆者の回りでは「これのキーボード付きがあったらねぇ……」という話を随分と耳にしたが、エクシーレはその形に近い位置付けの製品だ。つまり、エクシーレはこれからのメール端末のあるべき姿を指し示しているわけだ。今後も各社から特定の用途に特化したメール端末や携帯情報端末が発売されることが予想される。

 しかし、正直なところを言わせてもらえれば、エクシーレはまだまだ理想像には遠いと言わざるを得ない。前述の契約手続きもそのひとつだが、機能面にも改良の余地が数多く残されている。たとえば、メールが端末に直接届くLive!メールは非常に面白いサービスだが、インターネットとは無縁のため、今ひとつ活用の範囲が狭い。たとえば、10円メールの着信通知のように、mopera POPメールサービスに届いたメールの着信通知をLive!メールで通知することはできないだろうか。あるいは、iモードメールのように、インターネットメールが直接、端末に届くようなアレンジも考えられるはずだ。

 本体についても、細かい注文がたくさんある。たとえば、キー配列はシンプルにしすぎで、メールアドレスやURLを入力するときの記号入力が面倒だ。「@」や「/」くらいはワンキーで入力したいものだ。できれば、「.co.jp」「.ne.jp」などの入力補助も欲しい。また、キーストロークの浅さとキーの高さ、材質は、エクシーレがターゲットとする女性ユーザーに不向きではないだろうか。さらに、Webブラウザもどうせなら、iモード対応ページの機種依存文字までカバーするなどの工夫が考えられるはずだ。

 かなり辛口で厳しいことを書いてしまったが、これは端末一体型という新しいメール端末のスタイルに対する期待の裏返しでもある。エクシーレは注目に値する機能と発想があるだけに、サービスや販促、情報の周知などが充実してくれば、ブレイクする可能性も十分秘めている。これらの点については、今後の同社の努力に期待したい。

 最後に、「エクシーレは買いか?」という点について触れておこう。これだけ苦言を呈しておきながらコメントをするのは若干、気が引けるが(笑)、現時点での実売価格の4万円を考えれば、「買い」とは言えない。ただ、これが3万円台前半、あるいは3万円を切れば、「買い」の要素は増える。特に、シンプルにメールやWebページの閲覧がしたいユーザーには適した製品だ。本体という初期導入コストはやや高いが、月額使用料や通信料は携帯電話での回線交換による接続よりも確実に安く、いずれは逆転してしまう可能性も高い。このあたりの採算をどう見るかが「買い」の見極めのポイントになるだろう。


◎関連URL
■「エクシーレ」ニュースリリース(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/99/whatnew1126.html
■ 「エクシーレ」製品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/products/dopa/exire.html
■ インターネットサービス「mopera」(NTTドコモ)
http://www.mopera.net/
■ [COM JAPAN 1999]メール端末が勢ぞろい
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/1999/11/02/mail.htm
■ 法林岳之の非同期通信レポートMobile 第1回
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/hidouki/
1999/11/04/comjapan.htm

法林岳之
1999/12/14


お問い合わせ Mobile Central ホームページへ戻る