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破綻相次ぐ生保への財政資金投入が秒読みに

  超低金利下の資金運用難で経営に行き詰まる生命保険会社が相次いでいる。こうした中、生命保険への信頼を最低限維持するため、業界が最大5,600億円を負担して保険金支払の一部を支援する枠組みが今年度から発足した。だが、既に東邦生命保険など3社の破綻処理で資金は早くも枯渇寸前。今年度中にも財政資金投入の決断を迫られそうだ。

  ●業界負担枠は枯渇状態
  保険会社は、将来の保険金支払いに備え、収益や株・土地などの資産の含み益から「責任準備金」を積み立てている。保険会社の破綻とは、営業不振や資産悪化によって必要な責任準備金の水準が維持できなくなる状態を指す。

  生保の破綻処理ルールでは、保険金削減の形で契約者にも責任を求める一方、「契約者保護機構」が責任準備金の9割までを保証することになっている。同機構はこのための資金として、業界から「10年間で5,600億円」を集めることができる。しかし、既に東邦生命の破綻処理だけで3,800億円を支出。第百生命保険については「少なくとも1,200億円程度が必要」(業界筋)だが、大正生命保険の破綻が新たに加わったことで、業界負担枠はほぼ使いつくす形だ。

  ●あいまいなままの大蔵省
  ここで問題になるのは、保護機構が破綻処理に拠出できる総枠の上限が9,600億円に設定されている点。業界負担上限(5,600億円)との差額である4,000億円は、「国の財政からの補助金で穴埋めするとの解釈も可能」(大蔵省)という、あいまいな状態に放置されている。

  しかも生保破綻の危機はなおも続き、業界内では新たに中小2社のほか、中堅1社の名前も取り沙汰されており、今年度補正予算か、来年度当初予算段階で国の補助金支出のための新たな予算措置が必要になる可能性がある。

  だが、仮に予算措置が実現しても中堅クラスの生保が破綻すれば、この“財政資金枠”の4,000億円枠は直ぐに使い切る公算が高く、その場合は9,600億円枠を定めた政令の改正も迫られる。

  一連の契約者保護制度は、昨年末に与党合意で設定された経緯からしても、この問題は、生保経営責任、行政の監督責任、場合によってはスキャンダルを含めた政治問題に発展する危険性をはらんでいるのだ。

■URL
・生命保険協会
http://www.seiho.or.jp/

(小倉豊)
2000/09/20 10:38
3/30(金)
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