FINANCE Watch
『瓦版一気読み』の連載を終えて

  『瓦版一気読み』の連載が始まったのは、昨年7月24日。以来、今日までの8カ月、祝祭日と新聞休刊日を除く毎朝、書き続けてきました。

  朝イチで届く新聞6紙に目を通すことから作業は始まります。が、熱帯夜の翌朝は、額から流れ落ちる汗が視界を遮り、厳冬の朝には指先がかじかんで、幾度も作業を中断。「FINANCE Watch」の編集部が始動する午前8時半までに送稿することになっているのですが、二日酔いや寝坊で遅れたこともしばしばありました。

  ●奏功した“新聞なで切り”
  ネット上で新聞記事を取り上げるこの試みは、当初、ごく限られた地域でしか読めない主要紙の最終版を紹介するとの狙いで企画されました。しかし、「単に見出しを羅列するだけでも著作権侵害の恐れがある」と新聞社の法務担当者などから指摘を受け、批評などの分析を加えることで著作権のカベを越えることにしたのです。

  「じゃあ、やじうまワイド(テレビ朝日)なんかはどうなんだ!」と思われるかもしれませんが、テレビ局と新聞は「報道機関」という同じ“村”に属しているため、「使わしてくれるか」「ああ、いいよ」といった具合に融通が利くようになっているのです。

  ともあれ、窮余の策として“新聞なで切り”という手法で著作権の網をかいくぐってみたわけですが、結果的にはこの試みが幸いし、FINANCE Watchで絶えず上位にランクされる人気コラムとして不動の地位を確立できたわけです。

  ●読者の指摘に感謝
  この8カ月間で、読者からの批判や誤りなどの指摘は4件ありました。内訳は、産経の記事に関するクレームが2件、日航機のニアミス事故に関する指摘が2件です。

  前者については、見解の相違。『瓦版一気読み』の手法が理解されていない故の「誤解」でした。しかし、ニアミスに関する2件の指摘は、筆者の勉強不足に対するもので、大変参考になりました。

  誤字、脱字の類は・・・。早朝の作業につき枚挙にいとまなし。まとめてお詫び申し上げます。

  『瓦版一気読み』は、予告通り今日で打ち切りとなります。8カ月という短い期間でしたが、ご愛読ありがとうございました。

  メディア批評家 増山 広朗


2001/03/30 09:27