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日銀、ゼロ金利解除を決定~誘導目標.0.25%に

 日銀は11日の政策委員会・金融政策決定会合で、昨年2月から続けてきた「ゼロ金利政策」を解除することを賛成多数で決めた。短期金融市場の無担保コール翌日物金利の目標水準を現在のゼロ%から0.25%に修正、週明け14日から実施する。公定歩合は0.5%のまま据え置く。金融政策の変更は1年半ぶりで、政策金利の引き上げは90年8月の公定歩合引き上げ以来、丸10年ぶりとなる。

 日銀から民間銀行への貸出金利である公定歩合が据え置かれるため、預貸金利の上昇も小幅となり、市場が混乱しない限り景気への影響は軽微にとどまる見通しだ。

 日銀がゼロ金利の解除を決めたのは、解除の条件としていたデフレ懸念の払拭が展望できる情勢となり、金融情勢も大幅に改善したと判断したため。一方、ゼロ金利の解除に強く反対していた大蔵省は、同日の決定会合に村田吉隆総括政務次官を政府代表として出席させ「議決延期請求権」を行使したものの、否決された。

 同日夜、記者会見した速水優日銀総裁は、「ゼロ金利のような特殊な手当てを講じる必要はなくなった。政府の方針と整合性がないとは考えられない」と述べ、「デフレ懸念の払拭」をベースにした今回の政策変更決定に自信を示した。

 また、森喜朗首相は同日夕、「時期尚早の感も否めないが、日銀には適切かつ機動的な金融政策運営の継続を要望したい」とコメントした。

  【ゼロ金利政策】
  銀行や証券会社などプロの金融機関が参加する短期金融市場に大量の資金を供給することで、指標金利の無担保コール翌日物金利を限りなくゼロに近づけていく究極の超金融緩和策。金融機関の利鞘拡大や企業の金利負担軽減など、金融システム不安の解消に大きく貢献した半面、家計の利子所得の目減りや構造改革の遅れといったデメリットも指摘されている。

■URL
・日銀
http://www.boj.or.jp/

(沖野宗一)
2000/08/11 18:11
3/30(金)
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