ARROWS × ケータイ Watch

ARROWS×ケータイWatch

「全部入り」と「ユーザー目線の気配り」が生み出す相乗の使い勝手

1度体験すると手放せなくなる魅力。「ARROWS A 202F」レビュー

a-0060.jpg

ソフトバンクモバイルの2013年夏モデルとして登場する「ARROWS A 202F」。ブランド名こそ前モデル「ARROWS A 201F」と変わらないが、スペックはもちろん使いやすさでも大幅な進化を遂げており、ソフトバンクモバイルはもちろん、他のキャリアを含めても夏モデル注目の1台だ。

スペック面ではARROWSブランドの得意とする「全部入り」仕様を継承。赤外線やワンセグ、おサイフケータイや防水といった機能に加え、202FではフルHD解像度の5インチディスプレイ、家庭用テレビと同じ解像度で地上デジタル放送がそのまま視聴できるフルセグ機能も搭載するなど、スペック面は隙の無い充実ぶりだ。

スマートフォン共通の課題であるバッテリーの面でも、3020mAhという大容量バッテリーを搭載し、「一般的な使用状況であれば充電なしで2日以上」という電池持ちを公称。さらに細かなカスタマイズが可能な省電力設定「NX!エコ」を利用することでさらなる省電力化を図ることができる。

富士通ならではの機能である指紋センサーによるセキュリティ機能に加え、富士通が「ヒューマンセントリックエンジン」と呼ぶ使いやすさを重視した機能群も特長の1つ。ハイスペックモデルながら使いやすさも追求、さらにバッテリー性能も高めた202Fの使い勝手をレポートする。

a-0045.jpg フルHD5インチという大画面ながら、狭額縁設計で横幅は約69mm a-0049.jpg 特徴的な指紋センサーのある背面。「ウルトラタフガードplus」加工で傷が付きにくく、塗装もはがれにくい a-0063.jpg 最高クラスの大画面でありつつも、狭額縁とラウンド型の背面のおかげで手へのおさまりが良い

「2日以上」充電不要のロングバッテリー

ハイスペックな性能面や指紋センサー、フルHDディスプレイなど数々の特徴を持つ202Fだが、実際に使う立場からすると最も気になるのはやはり「電池の持ち」だろう。どれだけ高性能なスマートフォンであっても、電池が切れてしまえば元も子もない。筆者もスマートフォンを積極的に使ってはいるものの、電子マネーや電話という重要な機能に関してはいまだ電池持ちで優れるフィーチャーフォンが手放せない、というのが実際のところだ。

「2日以上」電池が持つという202Fの気になる実際の利用シーンだが、今まで使ってきたスマートフォンと比べても圧倒的に電池の持ちがいい。製品ページの注記にもある通り2日以上は一般的な使用状況を想定した数値であり、使用頻度によっては短くなる可能性もあるが、これまでほとんどのAndroidスマートフォンが午前中は100%でも夜になると20~30%程度、悪いときには電池切れとなっていたのに対し、202Fは1日中充電なしでも60%近くバッテリーが残っていた。

筆者の場合、GmailやGoogleカレンダーなどのクラウドサービスはすべて同期設定にしているため、ちょくちょく通信が発生するほか、こまめにFacebookやTwitterをチェックしたり、食事の写真をアップロードしたりと、使用頻度は「一般的」よりも高いと思われるが、それでも1日使って半分以上のバッテリーが残るのは驚いた。テザリングや動画視聴などを使わなければ十分に1日以上は持つだろう。

無線LAN接続状態でGPSをオン、Bluetoothをオフにし、アプリはGmailを同期、Twitterは3分置きに新着をチェックしながらフルHDの動画を再生し続けたところ、7時間以上動画を再生した後でバッテリーが空になった。また、動画は再生せずTwitterの新着チェックとGmailの同期のみに絞ったところ、24時間後もバッテリーが30%以上残っていた。一般的な使い方であれば「2日以上」も十分に実現できそうだ。

a-0055.jpg 大容量バッテリーを搭載しつつも、非常にスリムなボディを実現しているのもポイント

省電力という点でさらに活用したいのが省電力設定の「NX!エコ」。NX!エコはプリセットで用意されている「やんわり」「しっかり」のほか、項目を自分でカスタマイズできる「オリジナル」設定が用意されている。オリジナルではディスプレイの明るさやワイヤレス機能のオンオフといった設定だけでなく、CPUのクロック数を下げることで省電力を図ることが可能だ。

もともと1.7GHzクアッドコアという高いスペックを持つ202Fだけに、クロック数を下げても十分に快適な利用が可能。普段は「オリジナル設定」でクロック数だけを下げる設定にしておき、長時間外出する予定がある時は「やんわり」や「しっかり」設定をオンにすれば、より長時間使うことができるだろう。

eco1.jpg
eco2.jpg
「NX!エコ」ではプリセットのほか、自分で設定をカスタマイズすることも可能

クアッドコアCPUで快適な操作感を実現

搭載CPUでは前モデル「ARROWS A 201F」と同じクアッドコアだが、クロック数は1.5GHzから1.7GHzへとスペックアップ。

実際の操作感も快適で、ホーム画面のキビキビした動作はもちろん、ブラウザもデータの読み込みが非常に早くストレスのないブラウジングが可能だ。アプリのダウンロードも数MB程度のファイル容量かつ無線LAN接続時であれば、インストールをクリックした直後にはダウンロードが完了するほど高速なダウンロードが可能だった。

内蔵ストレージも64GBとスマートフォンでは最大クラスの容量を搭載しており、写真やアプリの保存だけでなく、音楽や動画を保存するにも十分な容量。外部メモリーもSDXCに対応しており、最大64GBのmicroSDXCカードを利用できるなど、ハイスペックな性能を十二分に活かすことができる。

フルセグ対応のフルHDディスプレイ

ハイスペックという点ではフルHD解像度のディスプレイ搭載も202Fの特長。フルHDディスプレイは最近のハイスペックスマートフォンでは搭載機種が増えてきているが、202FはそのフルHDディスプレイの実力を活用するフルセグ機能の特徴がポイントだ。

フルセグはワンセグと異なり、テレビで見る地上デジタル放送と同じ画質でテレビ番組の視聴が可能。ワンセグに比べてデータ容量が多いため視聴は電波状況のよいエリアに限られるが、QVGAサイズのワンセグと比べて圧倒的に美しい画質でテレビを楽しむことができる。いざというときの災害対策はもちろん、アミューズメントパークの待ち時間などでも活躍しそうだ。

HDDレコーダーと組み合わせることでフルHDディスプレイはさらに活用できる。プリインストールされているアプリ「DiXiM Player」は、対応HDDレコーダーに保存されている録画番組をネットワーク経由で再生したり、202Fにダウンロードして移動中に視聴することが可能。さらにネットワークを利用したデジタル放送再生の最新規格「DTCP+」にも対応しており、家の外から自宅の録画番組を視聴することができる。現在のところDTCP+で番組を視聴するには専用機器を購入する必要があるが、今後普及が進むにつれてフルHDディスプレイをさらに活用することができるようになるだろう。

dlna1.jpg
dlna2.jpg
nasneなどのDLNA対応レコーダーやNASに保存した動画をフルHDで楽しめる

使いやすさと高画質を両立したカメラ機能

カメラはメインカメラに約1310万画素のCMOS、サブカメラは約125万画素のCMOSを搭載。ソフトバンクモバイルの2013年夏モデルでは他メーカーモデルと比べても最高クラスの画素数を搭載しており、最大4128×3096ドットの静止画や1920×1080ドットのフルHD動画が撮影できる。

a-0052.jpg メインカメラは約1310万画素。レンズの素性も良くなっている

高い画素数のカメラながらも操作は使いやすさを重視しているのが202Fの特長。202Fのカメラは露出補正やホワイトバランスなどをすべて自動で行なう「パーフェクトチューニング」機能を搭載しており、カメラは基本的にオートで撮影する仕組み。ユーザーがカスタマイズできるのはフラッシュの有無や画面サイズ、連写やパノラマといった撮影モードの変更程度となっている。

camera1.jpg カメラアプリのUIは非常にシンプル

設定変更ができないという点を不安に思うかもしれないが、202Fのパーフェクトチューニングは非常に優秀。晴天の屋外や夜景、室内での飲食などさまざまなシーンで撮影してみたが、オート設定で不満を感じることはほぼなかった。202Fは画面をタッチしたところにフォーカスしてシャッターを切るタッチシャッター機能を搭載しているため、撮りたい被写体をタッチすることでオートチューニングが被写体に合わせて動作し、最適な設定で撮影できる。202Fではタッチシャッターをうまく活用するのがコツだ。

a-0066.jpg

カメラの起動も約0.5秒で高速に立ち上がるだけでなく、本体ロック時も画面を横方向にフリックすることでカメラを起動できる。撮影自体もシャッターを押した瞬間に撮影できる「ゼロシャッター撮影」により、ストレスなく好きなときにカメラを立ち上げ、すばやく写真を撮ることが可能だ。

「使いやすさ」を追求したヒューマンセントリックエンジン

長時間動作するバッテリーやハイスペックCPU、高性能カメラなど基本機能が非常に高い202F。しかし202Fの本当の魅力はこうしたスペック面だけではなく、ユーザーが実際に手に取ったときの使いやすさを重視している点にある。

その1つが新たに搭載されたスライドディスプレイ機能。5.0インチのフルHDディスプレイを搭載した202Fは本体サイズも大きく、手の小さいユーザーが片手で操作する時は画面上部をタッチするのも大変だが、本体下部に用意されたスライドディスプレイボタンをタッチすると画面が下に移動し、指を伸ばさなくても画面上部のボタンや通知エリアを操作することができる。スライドディスプレイは設定で左側に表示することもできるため、左利きのユーザーも安心だ。

slide.jpg 画面右下(位置は左にも変更可能)のボタンを押すと、スルッと画面が下にスライドする

同様の機能は文字入力にも搭載しており、標準設定されている文字入力「NX!input」では、キーボードの大きさを上下左右にカスタマイズできる。右利きのユーザーであればキーボードを右側に寄せることで、左側の文字がより入力しやすい。大画面ながらも使いやすい配慮が細かなところで搭載されている。

key2.jpg このように、キーボードを片側に寄せることで、片手でも文字を打ちやすくなる
key4.jpg テンキーだけでなくQWERTYキーボードもサイズ変更可能
key5.jpg 横画面でももちろんOK

こうした使いやすさへの配慮を追求したのが、ARROWSシリーズに従来から搭載されている「ヒューマンセントリックエンジン」。その場の明るさに応じて画面の色味を自動調整する「インテリカラー」、年齢に応じて識別しやすい配色へと自動調整する「あわせるビュー」といった自動調整機能のほか、画面の向きが意図せず変わった時に本体を振るだけで元に戻せる「戻ってシェイク」、本体をひっくり返すだけで鳴動中の着信音やアラーム音をオフにできる「ふせたらサウンドオフ」など、実際の利用シーンを想定した機能が数多く搭載されている。

筆者が個人的に気に入っている機能は「持ってる間ON」。これは本体の傾きと揺れを検知し、「手に持っている」と判断した時は画面をスリープしないようにするというものだが、地図アプリを見ながら移動している時にはこの機能が手放せない。一度ARROWSシリーズから別の機種へ機種変更した際、この「持ってる間ON」機能がないため、移動中に画面が何度も消灯してしまい、地図を確認するのが大変だったという経験をしたことで、改めて「持ってる間ON」の重要性を痛感した。こうした「使えばわかる」使い勝手の良さが数多く詰め込まれているのがARROWSの魅力だ。

手軽さと高いセキュリティを兼ね備えた指紋センサー

富士通のARROWSシリーズが持つ唯一無二の特徴が指紋認証を利用した各種セキュリティ機能。人によって異なる指紋を利用する高いセキュリティと、指でなぞるだけでロックを解除できる手軽さを兼ね備え、本体ロックだけでなくメールや着信、アプリなどさまざまなシーンで指紋認証を利用できる。

指紋認証は背面に搭載されたスマート指紋センサーを利用する。スマート指紋センサーはスイッチ機能を搭載しており、押すことで本体のスリープを解除できるため、背面のセンサーに指を当ててボタンを押し、その後にセンサーをなぞるという動作だけで簡単にロックを解除できる。センサーは本体中央に搭載されているため、右手でも左手でも同じように利用できるのも嬉しい。

a-0050.jpg 指紋センサーを利用すると、スリープ解除→画面ロック解除→ホーム画面表示までを「センサーを押してなぞる」だけでおこなえる security1.jpg 指紋は10個まで登録可能。画面ロック解除以外にも、色々と便利に使える

指紋を利用したロックは本体だけでなくアプリを個別にロックすることも可能。重要なデータが保存されているアプリは個別にロックすることでよりセキュリティを高めることも可能だ。パスワードやパターンによるロックは毎回解除するのも手間に感じるが、指紋センサーをなぞるだけで済む指紋認証ならそうした手間もほとんど感じることなく高いセキュリティを維持できる。

security2.jpg アプリケーションを個別にロックすることも可能。ロック解除鍵として指紋認証をはじめ顔認証やパスワードといった設定が利用できる

スマートフォン以前のフィーチャーフォン時代から搭載されているプライバシー機能は、「隠していることを隠せる」機能。メールや電話帳、ブラウザのブックマーク、写真といったデータを個別に非表示とし、指紋で解除したときだけ表示するという使い方ができる。プライベートな写真やメールなどは個別に非表示設定にすれば、同僚や友達にスマートフォンを渡す時でも安心。友達に本体を渡して写真を見せていたらタイミング悪くプライベートのメールが通知されてしまった、という事態も防ぐことができる。

ロングバッテリーでさらに使いやすくなったハイスペックモデル

高性能のCPUや大容量の内蔵ストレージ、高画質のカメラなど、ハイスペックが特徴だった富士通のARROWSシリーズ。今回のARROWS A 202Fもこうした高いスペックを引き継ぎつつ、長時間の動作が可能になったバッテリー機能が組み合わさることで、今までのARROWSシリーズを超える大幅な進化を遂げたスマートフォンに仕上がっている。

ハイスペックな各種性能に加え、高性能ながらシンプルな操作を実現したカメラ、使う人に応じて最適な使いやすさを実現するヒューマンセントリックエンジンなど、本体を手にした人の使いやすさを追求している点もARROWSの魅力。202Fシリーズは大画面ながらも片手で操作しやすいスライドディスプレイやキーボードなどを搭載することで、こうした使いやすさの面もより磨きがかかっている。

a-0053.jpg 側面の金属マテリアル使用など、高級感のある仕上げにも注目

長時間駆動のバッテリーやヒューマンセントリックによる使いやすさの実現は、スペックやカタログだけではなかなか伝わりにくいものの、一度体験すると手放せなくなる魅力を持っている。高性能と使いやすさ、指紋によるセキュリティというシリーズ伝統の特徴に加え、2日以上持つというロングバッテリーを搭載したARROWS A 202Fは夏モデルおすすめの1台だ。

lineup.jpg カラバリは「Grace Blue」、「Pink」、「Black」、「White」の4色

(Reported by 甲斐祐樹)

関連リンク

その他の最新記事

ARROWSのことを何でも掲載する研究所 ARROWS@ 富士通公式サイト 富士通モバイル YouTubeチャンネル

LINEUP

[PR]企画・製作 株式会社インプレス 営業統括部
問い合わせ先:watch-adtieup-arrows1306@ad.impress.co.jp
Copyright (c) 2015 Impress Corporation. All rights reserved.