我らWi-Fi環境改善隊!【Vol.4】
Wi-Fi環境が整ったら、NASでガッツリデータ管理でしょ!

2016.9.16 日沼諭史

「ReadyNAS 212」と「Nighthawk X8 R8500」で家庭内のデータを集約!

前回までにネットギアの無線LANルーター「Nighthawk X4 R7500」を導入し、電波の強さや実速度をチェックしながら設置方法と設定内容を試行錯誤したうえで、さらにWi-Fiの電波をより遠くまで届かせる中継機「EX6120」も追加して自宅のWi-Fi環境を徹底的に改善してきた。

おそらくは、筆者のこれまでの人生で最も充実したWi-Fi環境に仕上がっていると思うのだが、ただ単にスマートフォンからWebブラウジングしたり、動画コンテンツを消費するのに使っているだけではもったいない。家の中のあらゆる場所から快適にネットワークにアクセスできるメリットをもっと活かしたい! と思ったのだった。

そこで次に導入することにしたのが、データ保管用のストレージ機器であるNAS(Network Attached Storage)だ。ネットギアのホームユース向け製品「ReadyNAS 212」で、家庭内のさまざまなデータをネットワーク上のストレージ1カ所にまとめ、「なにかあったらここにアクセスすればオッケー」な環境をつくってみたいと考えたのである。

ちなみに今回は、ReadyNAS 212の性能を最大限に活かすため、無線LANルーターには「Nighthawk X8 R8500」を使用した。IEEE 802.11ac Wave2に対応し、5GHz帯は最大2166Mbps×2のデュアルバンド、かつ最大1000Mbpsの2.4GHz帯も利用できる合わせてトライバンド構成で、複数デバイスの同時通信を効率的に行えるMU-MIMOにも対応するネットギアのフラッグシップモデルだ。

2ベイの家庭向けNAS「ReadyNAS 212」

トライバンド対応の無線LANルーター「Nighthawk X8 R8500」

ただのRAIDじゃない、「X-RAID2」が今と将来のNASライフを充実させる

ご存じのとおりNASは、LANに接続することで、そのローカルネットワーク内のPCやスマートフォン、その他デバイスからアクセスしてファイルを保存したり、参照したりできるストレージだ。USB HDDなどのようにストレージとデバイスは1対1で接続するのではなく、1対多の関係でLAN経由で同時にアクセスできるのが特徴となっている。

一般的には別途購入したHDDを1台もしくは複数台内蔵できる構造になっていて、複数台のHDDを使用する場合はRAIDと呼ばれる仕組みで高速な読み書きや大容量ストレージを実現できる。今回は3.5インチHDDを2台内蔵できる2ベイモデルのReadyNAS 212を、NAS向けの静音・高耐久HDD「Seagate NAS HDD 3TB」2台と組み合わせた。ReadyNASシリーズ独自の「X-RAID2」という柔軟にRAID構成を扱えるようにする機能を使い、同じデータを2台のHDDに書き込んで信頼性を上げるRAID1(ミラーリング)での運用だ。

NAS向けの3.5インチHDD「Seagate NAS HDD」の3TBモデルを2台用意した

もちろんReadyNAS 212は、1台のHDDだけでも運用できるし、HDD 2台分の容量をそのまま使えるJBOD(Just a Bunch Of Disks)や、分散書き込みで高速なアクセスを実現するRAID0(ストライピング)にも対応している。RAID構成をどうするかは、NASの使い方、用途によって選ぶわけだけれど、今回のように家庭内のデータを集約して長期間保管しておく、という目的であれば、一方のHDDが故障しても復旧可能なRAID1構成が最も適しているだろう。

RAID1の場合、HDD 2台を内蔵しても使用できる容量はおよそHDD 1台分となってしまう。それ以上の容量に拡張したい場合は、通常は同容量のHDDを増設するしかないが、今回使用するReadyNAS 212が内蔵できるのは2台まで。すでに上限の2台分を占有していて、データが一杯になったらNASごと買い直さなければならないのか……と思いきや、実はさきほど紹介した「X-RAID2」の機能がここで生きてくる。

例えば、3TBのHDD 2台(RAID1時の合計容量は3TB弱)で容量不足を感じた時は、1台分をより大容量のHDDと交換すれば自動で同期と再構築が行われ、保管したデータが消えることなくそれまでと同じように使い続けられる。この状態から、さらにもう一方の3TB HDDを同じくより大容量のHDDに交換することで、最終的に保管容量を増やすことができる。ReadyNAS 212は、2ベイモデルとはいっても、柔軟にストレージ容量を拡張できる将来性を持ち合わせたNASなのだ。

いつものごとく2階リビング脇の棚に設置したが、どちらもかなり大きく、ギリギリのところで収まった

あっという間に使い始められて、設定方法も直感的

そんなわけでこのReadyNAS 212、NASとしてどんな機能を持っているかというと、1つ1つを説明していたらキリがないほど多機能だったりする。なので、ここでは家庭内での用途のうち、よく使うであろう(特に筆者宅で活用している)機能に絞って紹介しよう。

まず使い始めは、HDDを装着し、LANケーブルをルーターに接続して電源を入れるだけで、標準のX-RAID2を使用したRAID1構成でHDDの初期化が自動で始まる。その間に、「RAIDar」というツールでLAN内のReadyNAS 212にアクセスできるようにし、管理ページをWebブラウザーで開く。あとは画面の指示に従って操作していけば、半自動的にファームウェアを最新にアップデートして、NASの名前(ホスト名)や管理者パスワードなどの初期設定を簡単に終えられる。

「RAIDar」でLAN内のNASを検索し、情報表示

初期設定ではNASの動作を報告するメールの宛先(とメールサーバー)も指定できる

初期設定やHDDの初期化が終わった時点で、RAIDの構成、共有フォルダの作成やアクセス権限の設定など、大まかなところは全部終わっていて、NASとして使い始めるのに複雑な設定は一切必要ない。Windowsならエクスプローラから、Mac OSならFinderから、直接ReadyNASの共有フォルダにアクセスしてすぐに使い始められる。

NASとしての標準的な使用目的は、やはりファイルの保管と共有ということになるだろう。ReadyNAS 212は家庭向けNASということもあるのか、初めからユーザーごとのホームディレクトリのほかに「写真」「動画」「文書」「音楽」という用途別のフォルダが用意されているので、本当にすぐにNASとして活用できる。当然ながら、自由にフォルダを追加して、その中にファイルを保管するのもOKだ。

ホームディレクトリと「写真」「動画」「文書」「音楽」の各フォルダは最初から用意されている

Webインターフェースの管理画面で既存のフォルダや新しくフォルダをつくる際には、そのフォルダごとのクォータ、すなわち保管容量の上限を設定できる。また、フォルダの設定画面で有効なサービスをワンタッチでオン・オフ指定できるところもおもしろい。これは何かというと、NAS上で稼働させることが可能なSMB、NFS、AFP、DLNA、FTP、HTTPといった各種サービスで使用するフォルダ(アクセス可能なフォルダ)を指定する操作だ。

フォルダの設定画面。フォルダに対して有効にするサービスを設定するという、ユニークなインターフェース

ほかの多くのNASでは、各サービスの設定画面があって、その設定画面のなかで有効にするフォルダを指定していく手順になる。しかしReadyNAS 212はある意味その逆で、共有フォルダの設定を行う画面で、各サービスを“オン”または“オフ”にするユニークな方法をとっている。そのオン・オフを切り替えるのと同時にアクセス権限も設定できるので、明確に「このフォルダはこの用途で、この人が使えるようにしたい」という意図を反映させられる。

ゼッタイに設定したいクラウド連携機能

昨今のNASのトレンドといえば、クラウドサービスとの連携だ。家庭内の中心的な機器としての役割をもつNASを1つのプラットフォームと捉え、それをハブにさまざまなクラウドサービスと連携して使い道を広げるやり方は、他のメーカーもこぞって採用している。ReadyNAS 212もそのあたりは抜かりなく対応しており、DropboxやAmazon Cloud Driveなどとの連携が可能だ。

クラウド連携機能の設定画面

こちらも使い方は簡単。管理画面の「クラウド」タブで各種クラウド機能をワンタッチで有効にし、各クラウドサービスの既存のアカウントと連携させた後、ReadyNAS 212上の同期するフォルダを指定するだけ。NAS上で同期するメリットは、なによりデバイスの状態を気にしなくてもいいところだ。

同期するフォルダを作成し、設定画面で指定する。実際のクラウドストレージの容量に合わせてクォータを設定するのもよいだろう

通常はPC上で動作するコンパニオンアプリだったり、モバイルアプリを使ってクラウドと同期するものだけれど、常に最新の状態に保ちたいのであれば、PCやスマートフォンは電源を入れっぱなし、インターネットにも常に接続しておかなければならない。動かすことのないデスクトップPCならまだしも、ノートPCやスマートフォン、タブレットのように持ち運ぶことが前提の機器だとそうもいかないだろう。外出先だったり、バッテリーが残り少なかったり、3G/LTEなどのモバイルネットワークで接続している時は、同期できない(しにくい)場合もあるからだ。

その点、NAS上で同期させる形なら、とりあえずクラウドに保管したいファイルをNASにコピーしておくだけで、あとはノートPCやスマートフォンなどはWi-Fi電波の届かないところに持ち運んでしまってもいいし、電源を切ってしまってもいい。特に筆者宅の場合、デスクトップPCは1台もなく、ノートPCとスマートフォンとタブレットしかないため、NAS上での同期のメリットをたっぷり享受できている。大容量のNASを活かすために、クラウドサービスの保管容量も(有料会員になって)大きくしたくなるのがネックではあるが……。

また、ReadyNAS 212のクラウド機能に含まれる、PCやスマートフォンなどからのリモートアクセスを可能にする「ReadyCLOUD」にも注目したい。この機能をオンにすると、専用の同名アプリ「ReadyCLOUD」からReadNAS 212の中身にアクセスできるようになる。自宅のLANからでも、外出先のモバイルネットワーク環境からでも、自在にファイルを参照可能だ。

「ReadyCLOUD」アプリを使うと、外出先からでもReadyNAS 212にアクセスできる。こちらはAndroid版

スマートフォン版のReadyCLOUDアプリでは、簡易的な画像ビューワー機能で写真を閲覧できるほか、外部アプリと連携した動画や音楽の再生、文書ファイルの表示も行える。外出先からNASに保存している写真を見たい、あるいは仕事で急きょ必要になった資料を参照したい、といった時に、大いに力になってくれる機能だろう。筆者の場合は飲み会なんかで周囲に子どもの写真を大量に見せつけるのに大活躍(相手にとっては大迷惑)である。

ビューワー機能で写真を表示してみたところ

外部アプリと連携して動画再生も

DLNAは当然対応。iTunesサーバー機能も見逃せない

クラウド連携は最近の流行だが、NASの機能として従来から重視されているマルチメディア機能やバックアップ機能にも、ReadyNAS 212はしっかり対応している。まずNASにおけるマルチメディア機能の代表的なものは、音楽や動画などのファイルをストリーミング再生するDLNA機能、そしてiTunesサーバー機能だろう。

ReadyNAS 212のDLNA機能「ReadyDLNA」については、音楽ファイルがWAV/WMA/MP3/FLAC/AACなど、動画ファイルがMPEG/MP4/WMV/MOV/AVIなど、一般的に使われるファイルフォーマットに一通り対応している。DSD形式には残念ながら対応していないものの、ハイレゾフォーマットのWAV/FLACの再生(確認したところでは192kHz/24ビットまで)は可能なので、たっぷりと音楽鑑賞、動画鑑賞を楽しめる。

DLNA対応メディアプレーヤーからReadyNAS 212にアクセス

MP3/WAV/FLACなどに対応し、ハイレゾ音源も再生できる

iTunesサーバー機能は、サービスの有効・無効を切り替える画面でサーバー名とパスワードの設定を行ってから、先述のフォルダごとにサービスをオン・オフするのと同じ手順で音源のソースディレクトリを指定できる。他のSMBやFTPといったサービスとほぼ同じ扱いだ。初期化時に作成される「音楽」フォルダをそのままiTunesサーバーを有効にするフォルダとして設定するのが手っ取り早いだろう。あとは音楽フォルダに好きなだけ楽曲を保存していけば、ローカルPC上のiTunesで再生できる楽曲がどんどん増えていくことになるわけだ。

管理画面の「システム」内の「設定」で「iTunes」サーバーの設定を行う

音源を保存しているフォルダの設定画面でオンに

あとはiTunes上でプルダウンからサーバーを指定するだけ

ちなみに、iTunesサーバー上の音楽ファイルをiTunesで再生する場合、ローカルPC上の音楽ファイル再生時は対応しないFLAC形式も問題なく聞くことができる。ハイレゾ音源をネットで購入する場合、FLAC形式で配信されていることも多く、iTunesで聞けるようにするには対応するフォーマットに変換しなければならなかったが、iTunesサーバーならそんな手間は必要ないのだ。このあたりもReadyNAS 212を使うメリットと言えるだろう。

スマートフォンにも対応する、フレキシブルなバックアップ機能

一方、バックアップ機能のほうはさらに充実している。ひとくちにバックアップ機能と言っても、ローカルPCのデータバックアップから、ReadyNAS 212に保管しているデータのバックアップまで、それぞれで複数パターンのバックアップ方法が用意されており、さらにはスマートフォンのバックアップにも対応している。

ローカルPCのバックアップについては、まずMac OS標準のTime Machineに対応している。ほかのNAS製品では、Time Machineを利用するために手作業で特殊なファイルをドライブ上に作成しなければならないこともあったりするが、ReadyNAS 212では管理画面から単純なボタン操作でごく簡単に設定が行える。

個人個人のMacをバックアップする時は「プライベートTime Machine」を、1つのバックアップデータを複数台のMacで共有する場合は「共有Time Machine」を使う

Time Machine機能をオンにすると、すぐにMac OS上から見えるようになる

Time Machineへのバックアップが開始した

動作自体も安定しており、Apple純正のストレージ製品Time CapsuleでTime Machineを利用するのと比べても違和感はない。むしろ複数ユーザーのTime Machine設定をする際は、ReadyNAS 212のほうがより楽に行える印象だ。筆者宅のように筆者自身がMac、妻もMacという環境では、この使い勝手の良いTime Machine機能は本当にありがたい。

なお、Mac OSのような包括的なバックアップの仕組みをもたないWindows PCのバックアップについては、いったんWindows上でバックアップしたいデータの入ったフォルダを共有し、その共有フォルダをReadyNAS 212上から指定する、といった流れになる。多少回りくどい手順かもしれないけれど、この方法ではリモート(Windows PC)からローカル(ReadyNAS 212)だけでなく、ローカル(ReadyNAS 212)からローカル(ReadyNAS 212)、あるいはローカル(ReadyNAS 212)からリモート(別のPCやストレージなど)というパターンでバックアップを行えるうえに、「バックアップジョブ」として複数のバックアップパターンを登録しておけるので、多くの機器でフレキシブルに扱えるという意味で優れている。

Windowsマシンなどでは「バックアップジョブ」を用いることで、特定の共有フォルダをバックアップできる

もう1つおもしろいのが、Androidスマートフォンやタブレットのバックアップを行う機能。ReadyNAS 212本体に備えるUSBポートとAndroid端末とをUSBケーブルで接続することで、Android端末内の写真や動画をReadyNAS 212上の指定のフォルダに一気にバックアップしてくれる。Android端末ごとにサブフォルダを自動で作成して、その中に保管してくれるので、家族全員のスマートフォンをバックアップしても混乱することはない。ここまで手軽なら、バックアップ頻度も高められるはずだ。

スマートフォンをReadyNAS 212本体のUSBポートと接続すると、写真や動画をバックアップできる

バックアップの際はスマートフォン側でUSBの転送モードに「PTP」を選ぶとよいようだ

高性能無線LANルーターだからこそ、大容量ストレージのNASが役に立つ

NASを設置する際にはできるだけ大容量のストレージにしたくなるものだけれど、扱うデータサイズが大きくなるほどローカルネットワークの負荷も増大してしまうことを忘れてはならない。無線通信するのであれば、その大きなデータをスムーズにやりとりするのに、なおさらルーターの性能や電波状況というものが重要になってくる。NASの性能は高くてストレージも大きいのに、肝心の通信が遅ければデータ管理はかえって苦痛になってしまう。高性能なNASにはそれに見合う、バランスの取れた無線LAN環境が必要なのだ。

その点、少なくともReadyNAS 212とR8500の組み合わせは、無線通信であってもデータの保存や参照、メディアファイルの再生はもちろん、Time Machineのバックアップにおいても実に快適で、それらを複数のデバイスから同時にこなしていても挙動の重さや不安定さなどは感じられなかった。前回まで使用していたNighthawk X4 R7500も、R8500と同じく11ac Wave2とMU-MIMOに対応していることを考えると、快適さはそう変わらないだろう。

コスト面では、ReadyNAS 212が実売6万円余り、Seagate NAS HDDが1台当たり実売1万2000円前後ということで、RAID1構成で運用するには8万5000円ほどの投資が必要になる。これは、えいやで購入するのはそれなりに勇気がいる価格かもしれない。でも、トータルで見れば相応か、それ以上の価値はある。家庭にいくつもあるPCやスマートフォンなどに散在する、いつ破損・紛失するとも限らないデータを集約し、安全に管理しつつ将来的な拡張にも対応し、何より家族の思い出をいつでもどこでも振り返られるのだから、この買い物は決して高くないはずだ。

(日沼諭史)

関連リンク

WiFI Analyticsをダウンロード(Google Play)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.netgear.WiFiAnalytics&hl=ja
ReadyNAS 212 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/RN21200.html
ReadyNAS 212 をAmazonで購入
https://www.amazon.co.jp/dp/B01BKYWN4A/
NightHawk R8500 をAmazonで購入
https://www.amazon.co.jp/dp/B01EWCIRAG/

関連記事

Wi-Fi中継機の導入で最強の電波環境に!……と思いきや!?

今やギガビット超にも対応するインターネット回線の速度を活かすため、この連載を通じてネットギアの無線LANルーター「Nighthawk R7500」を使い、家の隅々まで最も電波が届きやすいルーターの置き方を検証してきた。木造2階建ての筆者の自宅全体を1台のルーターで、可能な限り快適なWi-Fi環境になるようにカバーする、という方向性だ。

“ヒラタクワガタスタイル”で電波改善に挑む。ルーターは「壁付けできるか」も重要!?、の巻

置き場所はもちろん自宅の間取りや周囲の電波干渉の度合いなど、ユーザーによって無線LANルーターの設置環境はさまざまだ。デフォルトのままでどんな家でも常に最大性能を発揮させられるとは限らない。というわけで今回は、R7500の設置方法を工夫することでどれくらい電波状況に変化が現れるのか、前回も使用したWi-Fi解析アプリ「NETGEAR WiFi Analytics」でチェックしつつ進めていきたい。

「WiFi Analytics」でルーター変更の恩恵を確認してみる、の巻

昨年11月、小ぢんまりとした質素な家を建てた筆者も、予算は少ないながらもせめてネットワーク環境にはこだわれるようにと、設計段階からいろいろな部分で熟考を重ねてきた。住み始めてすぐに導入した固定回線は、その地域で利用できるなかでは最も高速な最大2Gbpsの光回線。無線LANルーターなどの機材は既存のものを使い続けることにしたけれども、とりあえずこれで少なからず満足のいくネットワーク環境になった、はずだった。

超弩級の無線LANルーターが上陸間近。 ネットギア「Nighthawk X8(R8500)」を見てきた

ネットギアが米国で販売を開始した「Nighthawk X8 R8500」は、1000Mbps(2.4GHz)+2133Mbps(5GHz)+2133Mbps(5GHz)で合計5.3Gbpsのシステムスループットを実現する無線LANルーターの頂点に位置する製品だ。国内販売を前に上陸した米国版製品をネットギアジャパンで見てきた。

ネットギアのハイスペックWi-Fiルーター3種、使い分けはこれだ!

かつては安価な高速回線として人気だったADSLだが、最近は加入者の減少もあり、一部のプロバイダーではサービスの提供を終了するところも出てきている。その原因の1つは、モバイルの進化もあるだろうが、やはり光回線の普及も影響しているだろう。100Mbpsは言うに及ばず、地域によっては1~2Gbpsというギガビット通信が、リーズナブルな料金で利用できるようになってきたのは大きい。

Dynamic QoSで帯域を自動でコントロール 1733Mbps対応を果たしたネットギア「Nighthawk X4 R7500」

今回、ネットギアから新たに登場した「Nighthawk X4 R7500」は、本体に搭載された4本のアンテナを利用することで、4ストリームのMIMOによる通信を可能としており、433Mbps×4≒1733Mbpsという高い通信速度に対応。さらに、1.4GHz動作のデュアルコアプロセッサーを搭載することで、実際の通信を高速に処理できるようになっている。

オリジナルのフィードバックアンケートを作りましょう