趣味で写真撮影や動画撮影を楽しむときに、どうしても悩ましいのが「撮影したファイルの保存と活用」。でも「ReadyNAS」を使えば、大量の写真や動画を余裕で保存し、楽しく活用できます。この連載では、ReadyNASの特長や使い方を、わかりやすく解説していきます。

第1回:「写真や動画を保存するならNAS」なワケ

2014.1.28 辻村多佳志

大切なデータ、どこに保管していますか?

写真や動画の撮影・編集がお好きなら、「PCのHDD容量が足りない!」「データが消えた!」と頭を抱えてしまう悲劇に、1度や2度は遭遇したことがあるでしょう。大切な写真や動画は可能な限り高画質でいつまでも残したいハイアマチュア写真家の方にとっては切実な問題です。RAWデータの画像なら1枚数十MB、HDVのキャプチャでは映像1本数GBの巨大データを扱うのですから、PCに内蔵された1TB程度のHDDなど、すぐに満タンになってしまいます。しかも、最近ではノートPCを中心にSSDの採用が進んでいますが、SSDの容量はせいぜい多くて512GB程度。小型のタブレットになると、32GBくらいまで少なくなります。

データを捨てたくないなら、置き場所を用意するしかありません。となると、すぐ思い浮かぶのはUSB接続の外付HDD。ケーブルを1本つなぐだけで手軽に大容量スペースを増設できる便利さから、データ保管場所の主役として活躍中です。しかし、本当にそれだけで十分でしょうか?

これからもずっと写真や動画を楽しんでいきたいなら、ぜひ「NAS」を導入しましょう。写真や動画のデータは、ただ貯めておくだけでは何の役にも立ちません。確実に残し、編集し観賞し、ときには家族や友人と共有することで初めて価値が生まれる「素材」なのです。そのためには、「大容量データや大量のデータをいかに高速に転送・活用できるか」「唯一無二のオリジナルデータをいかに安全に保管できるか」「家族のPCやタブレットなど複数の機器から自在にアクセスできるか」が重要になります。そんな環境の実現に最適なデータ保管場所が「NAS」というわけです。

ネットギアの「ReadyNAS 102」には、思い出の写真や動画を保存するのに最適

写真や動画の保管に「NAS」が適している理由とは?

NASとは「Network Attached Storage」の略。LANなどのネットワークに接続し、複数の機器から同時にデータアクセスが可能なファイルサーバのことです。なにやら難しそうだと腰が引けてしまう方もいらっしゃるでしょうが、ご心配なく。外付HDDをUSBでつなぐかLANでつなぐかの違い、程度に考えておけば問題ありません。

さまざまな記憶媒体が選択できる昨今。
それらのメリットとデメリットを比較すると、NASの優位点が見えてきます

NASは「速い」

昨今はスマホやタブレットの普及によってWi-Fiが一般的になったこともあり、ふつうの家庭でも高速なホームネットワーク環境があって当たり前ですし、TVやBDレコーダー、モバイル機器、ゲーム機などをごく普通にホームネットワークで使いこなしているはず。このネットワークに組み込むだけで、NASはネットワーク機器の一員として動作します。最近のネットワーク機器は実効転送速度(実際に使用したときの速度)が大幅に向上していますから、USB2.0外付HDDのように、大容量データや大量のデータの転送でイライラすることはないでしょう。

NASは「便利」

さらに、ネットワーク上の複数のデバイスから共有アクセス可能なのが実に便利。PCなどと1対1で接続するUSB外付HDDにはできない芸当です。NASと同様にデータを共有できる保管場所としては、インターネットを利用したクラウドもあるのですが、1TB、2TBなど大量のデータを保管するとなると、利用料金がバカになりません。インターネットの実効転送速度と考え合わせても、写真や動画の大量保存・活用場所としてはデメリットが気になることも多そうです。

NASは「安心」

複数のHDDを内蔵できるNASだからこそ可能で、最も重要なメリットが「安心」です。というのも、物理的な機械であるHDDは「いつか壊れる!」からです。いままで壊れたことがないという人は、ただ単に幸運中の幸運なだけ。HDDは99の善意と1の悪意でできている、なんて表現する人もいますが、「急いでいるときほど壊れ、大切なデータほど消えてしまう」のがHDDだと心得てください。

搭載された複数のHDDに同じデータを同時に書き込む「ミラーリング」機能が搭載されているNASなら、1台のHDDが故障しても、他のHDDに同じデータが残っています。データ消滅の危険性が大幅に減らせるうえ復旧が簡単で、別途に自分でバックアップを取る必要もなくなります。

「ReadyNAS 102」とはどんなNASなのか?

「ReadyNAS 102」は、コンパクトな筐体に2基のHDDを搭載できる、家庭用からSOHOユースにまで適したNAS。写真や動画を趣味で楽しみたいハイアマチュアにも最適のモデルといえそうです。2基のHDDを「X-RAID2」と呼ばれる機能で簡単にミラーリング動作させられるうえ、動作中に電源を落とさずHDDを差し替えられるホットスワップ機能も搭載されています。

邪魔にならないコンパクトボディ。デスクの上に設置しても違和感ナシ

製品にはHDDが付属されておらず、別途HDD本体を入手して組み込む必要はあるのですが、自分の使い方に合わせ最適な容量のHDDを選べますし、HDD本体はPCで標準的に利用されている3.5インチまたは2.5インチのSATAタイプなので、入手も容易。容量2TBのHDDを2台購入しても1万5000円以内で収まるはずです。

HDDはツールレス(ネジやドライバー不要)で搭載できます

NASとしては小さく手頃なボディに似合わず、性能面が重視されているのもポイントです。NASは機能が特化されたコンピュータのような仕組みのため、似たような仕様でも製品によってデータ転送速度が異なったりするものなのですが、このモデルは実効転送速度面でも十二分に高速。HDD内に保管したデータを直接編集する際にも、実効転送速度の速さと安定性の高さは大きなメリットになります。

さらに、USBメモリなどから直接、PCを使わずにデータを転送できる「バックアップ」機能やUSB3.0ポート、eSATA拡張ポートなど便利な装備を搭載。待機時の消費電力も1.0wと省電力設定で、静音設計が施されるなど家庭内でも快適に使えます。

USB3.0やeSATAといった高速転送できる拡張ポートを装備。NASのデータをUSB HDDにさらにバックアップする……といったことも可能です
前面のUSBポートにつないだストレージは、「Backup」ボタンを押すだけでReadyNASにバックアップできます

第2回では、さらに詳しく解説していきます。ご期待ください。

(Reported by 辻村多佳志)

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ReadyNAS® 102 2ベイ デスクトップ型ネットワークストレージ(ベアボーンタイプ)
RN10200 製品情報
http://www.netgear.jp/products/details/RN10200.html