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今回初めて自分の企画ではないものを撮ったという監督だが、『連弾』は前3作同様、竹中節に溢れた作品となっている。同作の中で最も竹中氏らしい演出を挙げるなら、何と言っても“鼻歌サントラ”だ。ミュージシャンとしての音楽センスと監督としての演出力が融合して誕生した個性的な演出である。
「私はサントラのマニアで、今回はブラームスの曲とか、ピアノの連弾の話なのでショパンの曲とか出てくるわけですね。台本の指定の中でそういう曲が出てくるんで、これは逆に映画音楽を使ってしまうと非常にその連弾っていうピアノの音が立たなくなってくるから、初めて映画音楽はいらないってことになってしまうじゃないかということに達してしまったんですね。(中略)非常に残念だ、映画音楽が使えない。どうしようかなと思ってたんですけれど、まあしょうがないなって思って撮影してたわけですね。で、キッチンの台所、あ、キッチンの台所って言ったら同じですけどね(笑)。キッチンの台所で、トントントントンとたまねぎかなんか刻んでるシーンの時、急に“トマトとほうれん草、トマトとほうれん草~”ってさりげなく歌ってみたんですね。そうしたらスタッフたちが笑っちゃったんです。笑っちゃったのが非常に可笑しくて、こういう所で鼻歌を歌うのはいいなって。私が鼻歌を歌えば少しは...映画音楽になるわけないんですけど、ちょっとした映画音楽ってことだろうと思って、キッチンのとこでちょこっと何曲か歌ったんですよね。突然、その場で思いついた歌を。そしたらそれが非常に面白くて。そうか、歌を思いつけば皆に歌ってもらってもいいじゃないかって気持ちになって。(中略)そこで、思いついた歌をいつの間にか歌ってもらうようになってしまったんですね。本当にその場の思いつきだけでした」。 |
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