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Nikon D1ゲット!! 【後編】


■ 10月8日に無事ゲット!!

西川和久
西川和久
「DOS/Vの第一人者」として知られ、パソコン誌やデジカメ専門誌などに多数の連載を持つ。現在は写真家としても活躍中。

 発売日の9月29日に入手し損ねた筆者であるが、10月8日に無事、D1本体、チャージャブルバッテリーEN-4×2、クイックチャージャMH-16、そしてAi AF-S Zoom Nikkor ED28-70mm F2.8D(IF)の一式をゲット。さっそく、手持ちのmicrodriveやAF Nikkor 50mm F1.4、AF Nikkor 80-200mm F2.8Dなどを取り付けチェック開始。特に問題なく動いている様子で一安心だ。

 そうそう、【前編】を掲載した後、読者の方からメールを頂き、その中で「Nikonもドライブメーカーも保証せず、ショップに聞いても対応していないと言われるmicrodriveを“使える”と掲載しているのは問題。至急訂正すべき!!」との意見を何通か頂いた。確かに“メーカー保証”という意味ではそうであるが、物理的には使用可能。340MBの容量はFine(1/4圧縮JPEG)で300コマ近く撮れ、コストパフォーマンスも抜群。非常に魅力的なメディアである。ただ筆者のケースでは今のところトラブルもなく動いているものの、バッドセクタができ書き込めなかった話が出ているのも事実。前にも書いたが「自分のリスク」で判断して欲しい。最近は128MBのコンパクトフラッシュもぼちぼち市場に出回り始めており、今のところこれを使うのがBestであろう。



■ 使用感

NIKON D1
ニコン D1
希望小売価格65万円。274万画素のAF一眼レフタイプのデジタルカメラ。「5点測距オートフォーカス」「ダイナミックAFモード機能」「予測駆動フォーカス」など高級一眼レフ譲りの機能を装備

 Canon EOS D2000を常用している筆者にとって一番気になるのは、以下の4点だ。

●S(単写)モードで速写できない。
 →C(連写)モードへ切り替える。ただし標準の4.5コマ/秒では、指を離すより速く連写してしまうので、カスタムファンクションを触り、自分のタイミングに合うよう調整が必要。銀塩カメラでもSモードは速写でき、これについては非常に違和感がある。

●メディアが無くてもシャッターが切れる。
 →さすがに筆者はこのようなミスをしないものの、デジタルに不慣れな普通のカメラマンが使った時にかなりの割合で発生した。

●ヒストグラムの表示をワンタッチで切り替えできない。
 →ヒストグラムのON/OFFは、設定メニューの表示の下にあるため、かなり面倒なアクションを必要とする。現場ではポラ代わりにも使うため、瞬時のON/OFFはできた方が望ましい。

●カスタムファンクションをカラー液晶パネル側からセットできない。
 →せっかくのデジタルカメラ、従来方式との併用ができればBest。せめてヘルプ表示だけでもあれば楽になる。

 また、これはCanon EOS D2000にもいえることであるが、現場で銀塩カメラと併用する場合を想定すると、ISO100のモードが無いのは非常に辛い。いずれもファームウェアの変更で対応可能なものばかりなので、是非対応をお願いしたい。

 「地味な発色」と巷で言われているが、D1のカラースペースは“NTSC(1953)”である。従って一般的なsRGBやApple RGBでJPEGファイルを開くと非常にくすんだ感じになってしまうのだ。
 これを変換するには、Photoshopのカラー設定(T)→RGB設定(R)をいったんNTSC(1953)へセットしファイルを読み込み、非圧縮形式でセーブ。カラー設定をsRGB(またはApple RGB)へ戻した後再度ファイルを読み込み、その時「カラー変換するか?」と聞かれるので変換を行なう……といった手順が必要となる(※注)。

 なぜNTSC(1953)なのか? の理由は定かではないが、一般的なパソコンで処理することを考えるとsRGBで記録するモードも欲しいところだ。他誌に掲載したこちらの写真は、当初NTSC(1953)とは知らず、sRGBでレタッチしてしまったもの。筆者に限らず雑誌やWebへ掲載している写真も変換していないケースが多く、注意して見た方がいいだろう。

 次に、カスタムファンクションを触らない状態でのコントラストはオートになっている。このモードはシーンにより自動的にハイ/ノーマル/ローを切り替える仕組みで上がりが予測できない。いろいろ試した結果、筆者はコントラスト:ローで撮影し、場合によってレタッチで少しコントラストを付けている。今回掲載した写真は特にコメントが無い限り全てカラースペース変換しただけのノーレタッチ画像だ。

※注)ファイル(F)→カラー設定(T)→プロファイル設定(P)→初期設定プロファイル/RGBを開く時に確認とすれば、この作業を行なう必要がないものの、一般的なデジカメのデータを扱う時も毎回聞かれる上、どのみちPhotoshop上で開き最終的にセレクトする画像は全部ではないため、筆者は上記のパターンで処理を行なっている。

ISO200、AF Nikkor 20mm F2.8、絞り優先AE、コントラスト:LOW
(モデル:東亜佐美)
ISO200、Ai AF-S Zoom Nikkor ED28-70mm F2.8D(IF)、絞り優先AE、コントラスト:LOW
このカットだけ若干レタッチでコントラスト強調を行なっている。
(モデル:東亜佐美)


■ 実戦編

 10月14日から10月18日までは、去年バリ島へ行ったe-stationのカレンダーなどプロモーション用写真の撮影で石垣島&西表島ロケ(この間に撮影した写真はこちらに掲載している)。そして11月4日から11月8日まで下記の写真集など、雑誌へ掲載する写真も含めここ1カ月間、実によくD1を使った。

 ファイル名の連番から判断すると、もう1万回近くシャッターを押した計算になっている。本格的な撮影になると、1日500コマ前後の量となり、圧縮:Fineでmicrodriveで最低2回、96MBのコンパクトフラッシュだと10回近く交換が必要。メディアの容量不足もあり、まだCCD RAW(3961KB)での本格的な撮影は1回も行なっていない。いずれにしてもこのような現場で使うにはコンパクトフラッシュの大容量化が望まれる。気になるバッテリーの持ちは、これまでの経験上最大でも1日2本までに収まり、この点については今のところ問題になっていない。

写真集『ホステス! ホステス!!』(仮題、A5判4C)
 風塵社より12月9日に1200円で発売予定。
 Nikon D1を全面に使ったフルデジタルの写真集。D1を使った写真集としては世界初か!? カメラマンは残念ながら筆者ではなく森近真くん。撮影自体はポラが無い程度で、フィルターや照明に関しては普段の銀塩と同じ手法で行なった。筆者はデジタル・ディレクター&フォトレタッチ&一般的なデジタルカメラによるプチカットでの参加だ(笑)。

■ Nikon Capture

 D1の最高画質を得るためには、CCD RAWから画像を作るNikon Capture(希望小売価格5万円)のアプリケーションが必要になる。このNikon Captureは、単にCCD RAWから画像を生成するだけでなく、IEEE-1394接続による(※注)カメラコントロール、トーンカーブ、カラーバランス、コントラスト、アンシャープマスク、サイズ補間などの機能を持っている。ただ筆者的には、ここまでの重装備は必要なく、単にサムネイルとプレビュー表示ができ、PhotoshopのRGB48ビットへ取り込めるプラグインが欲しいところだ。また、先に問題視したNTSC(1953)については、これを使えば一般的なsRGBやApple RGBも指定できる。

※注)もちろんIEEE-1394カードは必須ではなく、コンパクトフラッシュからでも、ハードディスクからでもCCD RAWのデータは取り込める。

Nikon Captureの操作画面。残念ながら単独のアプリケーションであり、Photoshopのプラグインにはなっていない。確かにJPEGより画質は向上するものの、筆者の使用範囲において特に必要性は感じていない。
CCD RAWで撮影した画像。オリジナル画像はローパスフィルタの影響で輪郭がソフトなので、Nikon Capture上でアンシャープマスク 適用量:40%、半径:5%、しきい値:2レベルを施し、PhotoshopのRGB48ビットへ渡した後JPEG圧縮(最高画質)で保存した。
(モデル:東亜佐美)
同じシーンで撮影したJPEG(1/4圧縮):左とCCD RAW:右での200%へ拡大した部分比較。CCD RAWの方が全体的にスムーズでブロックノイズなども全く見られない。ただし掲載する都合上、PhotoshopでJPEG圧縮(最高画質)しているので、その点は割り引いて見て欲しい。


 以上が約1カ月間、いろいろな現場でD1を使った筆者の感想だ。メディア容量以外でこれまでに挙げた問題点を全てクリアすれば、かなり使いやすいデジタルカメラになることは間違いなく、ぜひとも対応をお願いしたい。

◎関連URL
■Nikon D1製品情報
http://nikon.topica.ne.jp/ei_j/digicam/d1.htm

西川和久
※掲載画像の無断転載・配布はご遠慮ください。
1999/11/11


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