こどもとIT

マイクロソフトが無償授業教材「Hacking STEM」日本語版を提供、オンラインセミナーは3月27日開催

――Japan EduDay: AI時代の教育に向けたSTEM教育の取り組みと探究型授業パッケージ「Hacking STEM」

学校現場は今、学びの転換が求められている。教師が“教える”授業をいかに変えられるか。暗記が多い学習をどのように変えていけばいいのか。そのひとつとして広がっているのが、探究学習や課題解決型学習、STEM/STEAM教育だ。

教師が教えるのではなく、児童生徒が自ら問題を発見し、ICTを活用しながら他者と協力して情報収集や試行錯誤、課題解決に取り組み、自分たちの考えたアイデアをアウトプットする。こうした学びで育まれる、問題発見力や課題解決力、コミュニケーション力などのさまざまな能力こそ、子どもたちが活躍する“予測不可能な時代”を生き抜くために必要だと言われている。

そこでマイクロソフトは今春、GIGAスクール構想の1人1台端末の活用に向けて、探究型授業パッケージ「Hacking STEM」の日本語版を無償公開、オンラインセミナーも開催する。この教材は、機械工学、ソフトウェア、データサイエンスのような、AI時代を生き抜く子どもたちに重要なスキルを探究的に学ぶSTEM教育カリキュラムで、世界60以上の国々がSTEM教材として使用している。

「Hacking STEM」のサイト。画像はマイクロソフトのブログより

「Hacking STEM」の教材がめざすのは、これからの社会で必要となる6つのスキル「6C(Communication:コミュニケーション,Collaboration:コラボレーション, Critical Thinking:クリティカルシンキング, Creativity:クリエイティビティ, Curiosity:好奇心, Computational Thinking:計算的思考)」の育成だ。宇宙や地球など自然科学のテーマに触れながら、リアルなデータを取得・分析しながら学びを深められるのが特徴となる。あらかじめ用意されたデータではなく、自分たちで手を動かしてデータを集め、分析できる部分に、子どもたちの知的好奇心を刺激し、学びを広げられる要素があるだろう。

風力発電の発電量を計測し効果的な風車の形状をデザインする
地震データを可視化し地震の影響を分析する
地球の衛星写真を分析し気候変動を予測する
ロボットハンドで人間の手の構造を解析する

日本マイクロソフトでは、この「Hacking STEM」の日本公開に合わせて、無料のオンラインセミナー「AI時代の教育に向けたSTEM教育の取り組みと探究型授業パッケージ『Hacking STEM』」を2021年3月27日(土)10時より開催する。

同セミナーでは、マイクロソフト本社 副社長 教育部門担当のAnthony Salcito氏が登壇し、海外のSTEM教育の現状について語るほか、「Hacking STEM」 の概要や学校の授業での活用方法などについて、日本マイクロソフト 文教営業統括本部 インダストリーエグゼクティブ 島田 悠司氏が説明する。また「Hacking STEM」の日本展開にあたり、同教材のプログラミング教育キットを開発する株式会社アーテックから、アートテクノ事業部の秋岡 啄氏も登壇し、同教材でどのような授業が実現するかを解説する。

国内外の教育分野の動向に詳しい3名が、「Hacking STEM」を通して、これからの学びに必要なSTEM教材について掘り下げていく本セミナー。STEM教育/STEAM教育を推進する教育者はもちろん、探究学習や課題解決型学習のヒントを得たい教員や、1人1台環境の利活用に頭を抱える小中学校の教員など、幅広い教育者に聴講をおすすめしたい。

開催概要
タイトルAI時代の教育に向けたSTEM教育の取り組みと探究型授業パッケージ「Hacking STEM」
開催日時2021年3月27日(土)10:00~11:30
開催場所オンライン
参加費無料(事前登録制)
対象者教育委員会、教職員等の学校関係者、STEM 教育に関心のある方
参加申込み https://aka.ms/hackingstem-imp
神谷加代

こどもとIT編集記者。「教育×IT」をテーマに教育分野におけるIT活用やプログラミング教育、EdTech関連の話題を多数取材。著書に『子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く』(共著、インプレス)、『マインクラフトで身につく5つの力』(共著、学研プラス)など。