こどもとIT

子どもたちと一緒に楽しむScratch講師になれる!「TENTO認定子ども向けプログラミング講師研修」

TENTO倉本氏インタビュー

プログラミングスクールのTENTOは、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」が教えられる講師を育成する「TENTO認定子ども向けプログラミング講師研修 Scratch編」を2018年8月よりスタートした。

研修のメイン講師であり、2008年よりScratchを使った子どもプログラミングワークショップを行っているTENTOの倉本大資氏に、TENTOでのプログラミング講師の心得、講師研修を実施する目的や内容、受講のメリットを聞いた。

TENTO 倉本大資氏

──TENTOの生徒さんの中では、どんなプログラミングが流行っていますか?
マインクラフトは変わらず子どもたちの間で流行っているので、MakeCodeですね。私自身は、Scratchを中心に担当していますが、MakeCode for micro:bitにも注目しています。今日(※2018年9月8日のTENTO横浜校)のこの時間は、15名ほどの子どもたちが出席していましたが、私が教えていた生徒は4名で、ほかの出席者は自主学習していました。自主学習にも2名の講師がついています。

──今日の授業は「ML2Scratch」を使ってみようという授業でしたね
機械学習やAIは、子どもたちも興味があるかと考え「ML2Scratch」を使った授業を行いました。みんな楽しくプログラミングに取り組んでいたようですし、私自身も楽しんで教えられました。

──Googleでキーワード検索して、GitHubにアップされているマニュアルを見ながら使っていく、という大人と同じような使い方で授業されていたのが印象的でした
普段から、私が実際に行っている使い方と同じ方法を、子どもたちにも実践してもらっています。教えるときに失敗しても、そのままプロジェクターに写してします(笑)。
特別に子ども向けのやさしい説明せず、同じ視点にたち、子どもたちと一緒に楽しみます。教室で使っているPC環境も、教室のみで通用する環境を用意しているわけではありません。子どもたちが主体的になって興味をもち、教室を離れて自宅で自分でもできるように授業を進めています。

機械学習する様子も教室のプロジェクターに写して生徒にみせる
ML2Scratchを使って顔やポーズを機械学習する倉本氏と生徒たち

──毎回、授業のテーマは、どのように考えていますか?
「今日は変数の授業をやろう」、「次はmicro:bitでハードウェアコントロールの方法を教えようかな」と、受講している子どもたちが何に興味持つのか、生徒の雰囲気に合わせて、テーマを準備し、授業を行っています。その日教えることは、授業が始まったら出席している子どもたちに質問や相談しながら決めることもあります。

──講師は、プログラミングに関して、新しい情報を常に収集しているのでしょうか?
はい。TENTOでは、受講している子どもたち自身が、新しいことを「自ら学び」「自らルールを生み出す」ために必要な素養が身につけられるよう、授業を行っています。講師自身も、子どもたちと同じように、常に新しいことを「自ら学ぶ」ように心がけています。
授業に、使う使わないにかかわらず、どのように説明すれば子どもたちが前のめりで授業を受けられるかな、自ら率先してプログラミングできるようになるかな……などと、いつも子どもたちの反応を想像しながら情報収集しています。

──TENTOの生徒さんはほかにどんなプログラミング言語に興味をもっていますか?
私は主にScratchプログラミングを教えていますが、Scratchでもの足りなくなってきた生徒には、次の段階として「Processing」をおすすめしています。今日の教室でも、ProcessingやMakeCodeで、プログラミングしている生徒もいます。生徒自らが何をプログラミングしたいのか、講師が問いかけています。講師は、10種類くらいのプログラミング言語がいつでも教えられるように準備しています。

左からTENTO横浜校の講師、海老原寛大氏、倉本氏、後藤正則氏

──8月からTENTO認定の子ども向けプログラミング講師研修をスタートしましたが、どんな雰囲気ですか?
初回の研修受講者は、皆さんプログラミング教室で実際に教えている方、前提知識としてScratchを知っている方が多かったので、より具体的に受講者から出た質問、例えば変数の教え方などについて説明しました。研修後、現場での対応方法のバリエーションが聞けてよかったと、喜んでいただけました。
2020年から小学校でもプログラミング教育が必修化されますが、プログラミングのスキルやコンピューターが操作できることが目的ではなく、「プログラミング的思考」を身につけることが重視されます。プログラミング的思考とは「論理的思考」、「新しい謎を解くスキルを身につけること」ともいえます。そんなことを、研修ではお伝えできたかと思います。

──どのような人に、研修、試験を受けてもらいたいですか?
すでにScratchの教室を行っている方はもちろん、子どもたちにプログラミングを教えたい方、これから教えなくてはいけない方に受けていただきたいです。プログラミングの講師が未経験の方でも受講していただけます。
また、都内に出てこられない方には、インプレスカレッジで、オンライン、ネット上で、研修を受けることができます。遠隔地や開催日に会場にこられない方でも、生配信が受講できるように用意しています。開催日当日、ネット上から直接私に質問できるようにしています。また、研修内容は録画しています。受講者は、当日の映像を、研修後に見ることができ、復習できるようになっています。試験は、東京会場での会場受験だけで開催中です。

──研修は、どんな内容ですか?
研修の前半では、Scratchの背景や、子どもたちがプログラミング的思考を身につけ、より具体的にプログラミングを理解し、興味をもつようにするか、その教え方のコツや手法を解説します。子どもたちに合った題材の紹介や、コンピューターサイエンスのコースにのっとった教授法などを解説します。
後半は、Scratchの演習講座です。実際にPCを使ってScratchを動かすので、生徒の気持ちになって、受講していただけます。と同時に、子どもたちが間違えやすいポイント、つまずきやすいポイントなど、その場で私に聞いてもらう研修スタイルになっています。
研修は、まる1日約6時間、休憩ははさみますが、Scratchを中心とした内容になっているので、それなりにハードです(笑)。

「研修では子どもたちの間違いやすいポイントや事例をたくさんお伝えします」と語る倉本氏

──試験も行っていますが、どんな試験で、合格すると何かメリットはありますか?
試験は、60分の模擬授業形式です。研修の教材でもある「できるキッズ子どもと学ぶScratchプログラミング入門」の中から、ランダムに選んだ1章分の模擬授業を60分間講義していただき、われわれTENTOの講師が、グローバルスタンダードでもある「CSTA K12コンピューターサイエンス標準」も踏まえ、5つの観点から評価し、実際にScratchの授業が行えるか判定します。TENTOが作成しているスキルマップで、各スキルとも70%以上の評価取得を目指していただきます。
合格者には、TENTOの講師認定証をお出しして、今後受講者の皆さんが行われる活動のサポートも視野に入れたものになっています。

われわれ大人は、子どもたちの水先案内人ですが、子どもたちから教えられることも多いはずです。教室や教壇で、教える側、教えられる側という立場で、プログラミング教育するのではなく、子どもたちと同じ目線に立ち、子どもと一緒に新しい課題や問題を解決する。そんなことが考えられる、プログラミング講師や仲間を増やしていきたいと思っています。

(取材日:2018年9月8日)

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寺内元朗