こどもとIT

社会課題をテクノロジーで解決する人々の輪を広げるコンテスト「SOCIAL FIGHTER AWARD」開催──7月31日締め切り

LITALICOは、世の中に溢れる様々な社会課題と課題を解決したい人をつなげ、テクノロジーの力で社会課題にアプローチしていく課題解決型コンテスト「SOCIAL FIGHTER AWARD(ソーシャルファイターアワード)」の開催を発表した。エントリー締め切りは2018年7月31日、最終審査は2018年9月末を予定しており、最優秀作品となるBEST OF SOCIAL FIGHTER賞には賞金100万円が贈られる。

同社は「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、障害者向け就労支援事業や子どもの可能性を拡げる教育事業を全国で展開している。しかし、教育や福祉業界にはまだ解決されていない社会課題が多数存在しており、こうした領域に技術の力を活用した社会課題解決の輪を広げていくことを目的として、社会課題を技術によって解決するエンジニアやクリエイターを「SOCIAL FIGHTER(ソーシャルファイター)」と定義、今回のコンテスト開催を決定したという。

第1弾のテーマは「学校にある課題を攻略せよ」。「運動オンチでもモテる世界をつくれ」「スクールカーストをなくせ」「だれにとっても理想の先生ロボットをつくろう」「すべての授業をゲームにしよう」といった、あらかじめ用意された課題か自由課題を選択して作品を制作する。作品は、ガジェットなどのハードウェアでも、Webサービスやアプリといったソフトウェアでもよいが、具体物として完成していることが条件となる。年齢制限はなく、個人に限らずチームでの応募も可能だが、営利企業の参加は不可としている。

今回、SOCIAL FIGHTER AWARD開催を通じて、社会課題を解決する世の中の実現への道筋をどのように思い描いているのか。LITALICOでSOCIAL FIGHTER AWARDを企画した同社執行役員 CTOの岸田崇志氏に話を聞いた。

執行役員 CTO 岸田崇志氏

――SOCIAL FIGHTER AWARDを通じて、「社会課題があるが技術を持たない人」と「技術はあるが社会課題を持たない人」をどうつないでいこうと考えていますか、両者をつなぐ具体的な施策はあるのでしょうか。

岸田氏:その点は、実施にあたりどういう形がベストか悩んだポイントです。いろいろとやりたいことは多いのですが、今回は初回というところで、まずはコンテストの実施としています。課題とのマッチングイベントやハッカソン、ハンズオンでの技術支援などもコンテストに付随する形で、次回以降実施していきたいと思っています。

――今回のように「テーマ」と「モデル課題」をLITALICOから提起することで「課題を持つ側」の代弁者となり、技術を持つ方々を動かそう、という狙いでしょうか。

岸田氏:狙いとしては、あくまでも「社会課題を解決するプレイヤーを増やす」というところです。一方で、技術者視点でみると、特に福祉業界は興味があるけれど、どういうところからやっていいかわからないという声を多くいただきました。そこで、きっかけの一つとして今回のコンテストを開催しています。
技術はどこに使われるかが大事だと思っております。技術活用が進んでいる業界をみると、技術をもった人々に興味をもってもらい、参加してもらうことが重要です。その間口を少しでも広げることができればという思いで開催しています。

――応募条件として年齢制限なし・企業参加のみNGとしていますが、例えば子どもがアイデアを出してエンジニアの親が制作したり、指導教員が技術支援して生徒が手を動かすプログラミングクラブのようなグループの応募なども許容する、という理解でよろしいでしょうか。

岸田氏:その理解で問題ありません。

――技術的スキルの高いプロ集団が参加することも当然ありえるわけですが、審査では年齢やスキルのバランスをとって受賞作品を決める、といったおつもりはありますでしょうか。

岸田氏:もし、学生の参加が多く、レベル感にばらつきがでる場合は、そういった部門も用意する可能性はあります。
一方で、最近の高校生や大学生などはプロ顔負けの技術者もいます。とくにプログラミングにおいては、時間、場所、経験や身体的な差は関係がなく、今までの価値観での大人、子どもで分けるのもナンセンスな流れかなと思っており、社会人にならないと社会課題を解決してはいけないという理由もないですし、高校生などの方には社会課題を考える機会にもなるといいなと思っています。
そして、初回の狙いとしては、業界を変えるアイデアを募集し、教育・福祉のテクノロジーがクールでかっこいいというイメージになることが重要かなと思っています。そのために今回重要視していることは、開発されるプロダクトのトップラインを上げることで、ロールモデルになる人を見つけることです。ひょっとしたら、他業種などで現役バリバリで活躍されている方もいるかもしれません。
まずは、そのような今までにはいなかったタイプのトッププレイヤーの発掘を行うことが実現できればと思っています。

――どうもありがとうございました。

【開催概要】
応募作品テーマ「学校」における課題を解決するプロダクト
応募作品基準ハードウェア(ガジェット)・ソフトウェア(Web サービス・アプリ)、どちらでも応募可能
※企画書や設計図、モックなどの制作途中のものではなく、具体物として完成していることが条件
応募資格・年齢制限なし(大人も子どももエントリー可能)
・個人またはチーム
※職場でチームを組むことは問題ないが、営利企業としての応募は不可
応募締切2018年7月31日(火)23:59
Webサイトhttps://socialfighter.jp/

佐々木勇治