LED特集 未来を照らす新しい光の最新情報 -“Lチカ”スタパのLED豆知識-LED特集 未来を照らす新しい光の最新情報 -“Lチカ”スタパのLED豆知識-LED特集 未来を照らす新しい光の最新情報 -“Lチカ”スタパのLED豆知識-

第3回 LEDのいったいどこがいいのさッ!? その2

Lチカくん3号

LEDのメリットは?

 身の回り、見れば見るほどLEDだらけなわけですけど、なんでこんなに使われているのか? 俺的には「LED大好きっ子が多いから」とか思い込みがちだが、チト違うようだ。

 LEDのさまざまな特徴を考えると、ユーザー側にもメーカー側にもメリットが多いってコトが見えてきたりする。たとえば本連載の前回や前々回ではLEDのエネルギーから光への変換効率の良さ、寿命の長さ、省エネ度合いなんかを見てきた。

 つまり少ないエネルギーで明るく光るし寿命も長いのがLEDだゾ、と。このことだけでも、ユーザーにもメーカーにもいろいろなメリットがある───ユーザーとしては、電気代が抑えられるし、末永く使える=買い換えも少なくて済む。メーカーとしては、十分明るい省電力な照明とか、同じ電力でさらに明るい照明とか、作れるモノの幅が広がったりする。

 のだが、ほかにもまだまだ、LEDにはいろいろな利点があるのだ。それも、電球や蛍光灯にはない、我々にとってヒジョーに好都合な良さがいっぱい。以下、LEDが持つ特徴的なメリットを見ていこう。

LEDは小さい!! 壊れにくい!!

 LEDはエネルギー→光への変換効率が高く、しかも長寿命。なので、たとえば照明器具なら消費電力を抑えられつつ、長期間にわたって使える。長い目で見れば、実質、とてもエコ……ってコトは既に何度か書いてきた。

LEDは概してマジ小さげ

PCのマザーボード上などに見られるチップ型LED

ケータイがやたらチカチカ光るのも、LEDのおかげ

 さて、これ以外にどんなメリットが?

 まずはデバイス自体が小さいってコトがある。電球や蛍光管と比べれば一目瞭然。ヒッジョーに小さい。チップ型LEDなんかは、吹けば飛ぶようなサイズ。いやホントに鼻息で飛んじゃうんですよチップ型LEDって。でも実に明るく光らせることができる。もちろん、必要に応じて暗く光らせることも可能だ。

 このことは、メーカーにもユーザーにも大きな利便となった。ぶっちゃけ、手持ちのケータイとか見ちゃったりしておくんニャさい。テンキーが光ったりメール着信を光で知らせたり、ナニカと光ってるでしょ? これはLEDが小さいからこそのギミックだ。

 ケータイ以外にも、え~、ポータブルオーディオにノートPCに……モバイルなデジタルガジェットならなんでもそうですけど、LEDを使わずして光るインジケーターとかを内蔵しようとしたら、凄いデカさになっちゃうであろー。あるいは便利さが低減するであろー。LED使っている据え置き型の製品も同様であろー。小型だったり多機能だったりする便利装置の魅力の一部は、LEDが支えているんですな。

 もうひとつ、LEDの壊れにくさ。実はLEDというのは電気的にけっこーデリケートなので、壊れやすい素子ではある。が、そういった電気的な弱さを考慮した上で製品となった状態では、電球や蛍光管よりもずっとタフ。単純に、LEDにはガラス管が使われていないから、衝撃や振動に強い(割れて破損するようなことがほとんどない)のだ。

 LEDの発光部(半導体素子部分)は小さくてデリケートな素子だが、部品として世に出回るときはその素子が樹脂パッケージに収められる。ので、電球や蛍光管などのように「手荒く扱うと割れちゃう」てな破損が非常に少ない。また、製品にLEDを埋め込むとき、LEDの電気的な弱さが(回路により)保護されるのが普通。我々がLEDを使う段階では、割れるとか静電破壊だとかいう破損問題とはほとんど気にしなくていい。LEDは電球や蛍光管よりもずっと耐久性のある「あかり」ってわけですな。

安心して使えるLED照明

 照明器具として、電球/蛍光管に対するLED照明てなコトを考えると、LEDは総じて「安心して使える照明器具」と言えるだろう。

 たとえば「LEDはガラス管とか使ってないから割れないヨ」と前述した。電球や蛍光管は取り扱い上、割れちゃう危険がある。LED照明ならそういう危険が少ない。まずは取り扱い上、わりあい安心して使えるLED照明器具なんですな。

 ほかにもLEDには安心して使える要素というか特性がある。たとえば赤外線(熱線)や紫外線を出さない照明器具だということ。

 LEDのなかには、赤外線や紫外線を放出する赤外線LEDや紫外線LEDってのもある。が、それらは特殊な用途向け。通常、照明用途に使われるLEDは、肉眼で見える範囲の(つまり紫外線や赤外線をほとんど含まない)光を放出するように作られている。

 で、光源から赤外線や紫外線が出ないと、どうなるか?

 まず、赤外線(熱線)が出ないと、照らされたモノが熱を帯びないんですな。これゆえ、熱に弱いモノを照らす場合には好都合。照らされたモノが熱で変形するとか劣化するってことが非常に少ないのだ。

 あと、光源が出す赤外線による室温上昇なども気にしなくてよくなる。白熱球いっぱい点けてるからこの部屋ミョーに暑いなぁ、的な問題がなくなるのだ。ただ、照明用LEDのような明るく光るLEDの場合、LEDが発する光からは熱が出ないものの、LED照明器具からは発熱する。LED照明器具を使っても、器具自体はわりと熱くなるので注意が必要ですな。

LEDは赤外線を出さないようにすることが可能

 LED照明から紫外線が出ないこともメリットだ。要は照らされたモノへ紫外線の影響が及ばない───紫外線を浴び続けるとモノは劣化するが、LED照明ならそういった問題も抑えられるというわけだ。

 一般的な蛍光灯からはわずかな量の紫外線が出ている(放出する紫外線をカットした蛍光管もある)。微量なので、その紫外線が人体に悪影響を及ぼす心配はないと言われているが、ずーっと紫外線入りの光で照らされ続けた対象物にはイロイロな問題が出たりする。

 たとえばお店のショーウィンドウ内にある商品なんかは色あせますな。樹脂も劣化して割れやすくなったり。プラモデルやフィギュアなんか置いとくと色あせしたり表面にヒビが入ったり。高級な調度品や美術品ならさらに大問題。LED照明なら、色あせや劣化が心配なモノでも安心して照らせるってわけですな。

LEDは紫外線も出さないようにすることが可能

 省電力で長寿命、いろいろお得なLED。これに加えて小ささや壊れにくさがあり、さらに赤外線/紫外線をほとんど出さない照明としても使える。従来の光源と比べると好都合な特徴が多いLEDだが、まだまだもっと、LEDには“良さ”がある。

 次回以降では、そのあたりの“LEDの優れた特性”について見ていこう。

バックナンバー

■ 第4回 LEDは速い!! 何がッ!? 応答速度が!!!
http://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2010/led/stapa4.html
■ 第3回LEDのいったいどこがいいのさッ!? その2
http://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2010/led/stapa3.html
■ 第2回 LEDのいったいどこがいいのさッ!?
http://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2010/led/stapa2.html
■ 第1回 そもそもLEDってナンジャラホイッッ!!??
http://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2010/led/stapa1.html