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第2回 LEDのいったいどこがいいのさッ!?

魅力たっぷりのLED

 LED、チョー流行ってますな。というか多用されている。てか、あちこちで必要とされるゆえ使いまくられている。ナゼか? 結局、LEDには蛍光灯や電球にはない優れたメリットが多々あるからなのだ。

 LEDの優れた点は、まず省電力であること。それから長寿命。そして高輝度だし小型だし低温にも強いし耐久性も高いし有害物質が少ないし即応性はあるし調光や点滅も自在だし、と、書いてて息切れするほどたくさんの利点を持っている。

信頼性の高いLEDは信号機にも

こちらは非LEDの信号機。上との違いは一目瞭然

LED信号機にはLEDがいくつも配置されていることがわかる

いっぽう非LEDの信号機は基本的に光源がひとつだけ

 身近な例を挙げれば、たとえば信号機。信号機の発光部を見ると、全体的にボンヤリと光るタイプのものと、細かな点が並んで光っているものがある(LED前面を無色のレンズで覆ったタイプもある)。前者が従来からある電球タイプの信号機。後者がLEDを使った新鋭な信号機ですな。

 現在、信号機は次々と電球タイプからLEDタイプへと置き換えられている。そのは理由いくつかあるが、どれもLEDのほーが信号機の光源として好都合だからだったりする。

 たとえば寿命。電球タイプの信号機は、電球が突然切れちゃったりして信号機が消灯(故障)する危険があるため、1年に1度交換されている。一方、LEDタイプの信号機の場合、発光部の寿命がずっと長い(7~10年とも言われている)。ので、信号機の光源部の故障の可能性を抑えられて、メンテナンスにかかるコストも下がり、産業廃棄物の量もグンと減らせる、と。

 また、LEDの省電力性。電球タイプ信号機は消費電力が70W程度だが、LEDタイプ信号機はその1/4~1/10と言われいる。いろいろな側面でLEDはエコなんですな。加えて、LEDは電球よりも強く色鮮やかに光るので、信号自体の視認性が高い。LED信号機は西日が信号機発光部に差し込んで点灯/点滅が見えにくくなる疑似点灯という問題も起こしにくい。てな感じで、いろいろなメリットがあるのだ。

 なお、従来、電球タイプ信号機→LEDタイプ信号機へのリプレイスは、LEDタイプ信号機を新たに設置していたが、最近では電球タイプ信号機の電球部分をLED電球に交換するという方法も考案されたようだ。LEDタイプ信号機のデメリットに「本体がちょっと高価で設置のコストも必要」ということがあるが、この問題が解消される日は近い!?

LEDってホントはもっと長寿命!?

 毎年交換していた信号機の電球。LEDタイプ信号機だと10年保つ。スゴいっスよねえ~。実質10倍長く使えるって。

 ところで、LEDの寿命について「40,000時間」とか「10年程度」とかよく聞きますな。電球の寿命が1,000~2,000時間、蛍光灯は6,000~15,000時間って数字も耳にする。ともあれ、ほかのあかりと比べると、やっぱりLEDはそーとー長く保つようだ。なるべく長い間キッチリ光ってて欲しい信号機に採用されたのにも頷ける。

 LEDの寿命に関しては、一応の目安となる定義がある。日本照明器具工業会が2008年1月に「全光束が点灯初期の値に対して70%になるまでの総点灯時間」と照明用白色LEDの寿命を定義している(色付きLEDは光束維持率50%が寿命)。3割がた明るさが落ちてきたら寿命ってわけですな。

 で、上記の「LEDの寿命は4万時間も!!」的な話と合わせると、じゃあ、どのくらい点けっぱなしにしたら寿命(明るさ3割減)になるのかニャ? 的な計算をしたくなりますな。てか、計算するし。

 40,000時間(LED寿命)÷24時間≒1666日。お、1600日も!!

 1666日÷365日≒4.6年。むむむ、4年半くらい!!

Lチカくん2号&2号’

 たとえばメーカーが「寿命4万時間」と公称していたら、だいたい4年半くらい点灯しっぱなしにしておいたら、明るさが3割減状態になる、という計算。少々暗くなるものの、でもまだ点灯しているわけだが……じゃあ、さらにどのくらい使っていると点灯しなくなるの?

 LED素子(発光する部分)自体は、半永久的に光り続けるんだそうだ。つまり、LED素子を構成している半導体や電極や基板などが壊れなければ、ずーっと光が出ている。凄いっスね。

 しかし、LED素子を封入している樹脂素材は劣化する。経年変化や外部からの影響で、徐々に樹脂素材の光の透過率が下がる。するとLED素子から出た光が外部に届きにくくなる。で、その光が当初の70%までになったら、照明用白色LEDは製品として寿命が来たというわけだ。

 とは言っても「4万時間保つって聞いてたけどウチのLEDランプは半年で故障したゾ~!!」的な現実もあったりする。ただ、これは照明器具としての話。実はLED自体はまだ健在なんだけど、電源回路部が壊れたりとかネ。照明器具となれば、LED以外にもさまざまな部品が使われているので、LEDだけやたら長寿命でも、ほかの部品がオシャカになったら照明器具として寿命を迎える。

 LEDとしての寿命と、照明器具としての寿命。LEDの寿命はスンナリと理解しやすいが、照明器具はメーカーや使われている部品や使い方など、いろいろな要素で寿命が変わってくる。このあたり、やはりちょいと分けて考えたほうが良さそうですな。

LEDは長寿命で省電力

 LEDは半永久的に光り続ける素子。前述の例で、4年半くらい点灯しっぱなしにすると寿命(明るさ3割減)になるわけだが、実際、LED照明を点灯しっぱなしにするシチュエーションはそーんなに多くない。普通の家なら、長くても12時間とか!?  8時間くらい? こまめに消せば2~4時間!?

 4万時間で寿命のLEDの場合、1日12時間点灯させると9年くらい保つ計算になる。1日8時間なら13~14年。1日4時間なら25年以上……まあ、照明器具としてそこまで使用に耐えればってコトだが。ともかく、LED照明ってのはそーとー長い時間使えるあかりと言える。

 それほど長寿なLEDだが、同時に省電力でもある。たとえば電球型LED照明製品では、同じ明るさの白熱球と比べると「1/5の消費電力」とか「消費電力1/7!!」と謳う製品がフツーにあったりする。誰もが知るところだが、LED照明器具は電気をあまり食わないのだ。

 ところで、一般的な家庭では、どの機器がどのくらい電気を食っているのか? 平均的な内訳は、全消費電力の約25%程度がエアコン、16%程度が照明器具、16%程度が冷蔵庫だそうだ。照明ってけっこー電気使ってるんですな。

 もし、照明器具を全部LED化したら、この16%の電力が1/5や1/7になる。間をとって1/6になるとすると……家庭で使う電力のうち照明器具が食う部分を2~3%まで抑えられる計算になる。電気代の合計が2万円なら……照明器具分で3,200円だったのが500円くらいに。年間3万8,400円払っていたのが6,000円にッ!!

 しかし実際、家の電球全部をLED化したら、初期投資がタイヘンですな。電球型LED、まだ高価。明るさにもよるが、40Wクラスだと1個で3,000円前後からだ。ちなみに40Wの白熱球は1個数十円~百数十円、40Wタイプ電球型蛍光灯なら1個 数百円って感じ。「家中の照明を全部LED化!!」てのは、かなりお金かかっちゃうという現状。

 ただ、多用する照明からLED化するなら現実的だと思える。いつもたいてい点いているリビングの照明とかネ。身近な照明=点灯時間が長い照明から徐々にLED化していけば、相当の省エネ&コスト減&エコ活動になるだろう。それをみんなでやれば、日本全体でかな~りの使用エネルギー削減&CO2排出量削減につながりそうだ。

 って、話がミョーにデカくなっちまいましたが、長寿命で省エネって点だけ見ても、非常に魅力的な特性を備えているLED。でも、まだまだスゴい要素があるので、そのあたりの話はまた次回以降に!!