デスクトップPCは大画面、高音質で新たな段階へ

27型液晶、ハイレゾ対応2.1chスピーカー+ヘッドフォンアンプ搭載の「書斎」PC「ESPRIMO FH90/A3」に込めた思いを聞く

2016/12/07 | 日沼諭史

繊細な音の表現が可能なハイレゾ音源を美しく再生する、ハイレゾ対応機器がオーディオ関連業界のトレンドの1つとなっている。富士通の新しい一体型デスクトップPC、FMV 「ESPRIMO FH90/A3」(以下、FH90/A3)も、その流れに沿ったハイレゾ対応PCとして11月に発売されたが、これまで同社がリリースしてきたデスクトップPCとは趣が異なっているようだ。

外観はほぼブラック1色に統一され、フラットな狭額縁の液晶ディスプレイに、ステレオスピーカーを内蔵したボックス型の筐体が組み合わされている。一見して、これまでの同社製品で主流だったリビングに設置するようなテレビ機能付きデスクトップPCとは様子が違う、という印象をもつ。

「大人の渋さ」や「格好良さ」みたいなものを感じさせる今回の1台、単にハイレゾ音源を再生できるようにした、というわけではなさそうだ。ここにどんな機能や性能、そして開発者の思いが詰まっているのだろうか。企画、デザイン、ハードウェア、オーディオといった各部の開発担当者に話を伺った。

FMV「ESPRIMO FH90/A3」の開発メンバー

品名 ESPRIMO FH90/A3
CPU インテル® Core™ i7-6700HQ プロセッサー (最大3.50GHz)
OS Windows 10 Home 64ビット版
ディスプレイ 27型ワイドフルHD[1920×1080] スーパーファインVX IPS液晶
メモリ 8GB/最大16GB
ストレージ HDD 約3TB
光学ドライブ BDXL™対応 Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応)
ネットワーク LAN(1000BASE-T対応)、ワイヤレスLAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠)、Bluetooth Ver.4.1準拠
テレビ ハイビジョン・テレビチューナー×2(地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル放送/ダブル録画、リモート視聴、AVCREC対応)
インターフェース ダイレクト・メモリースロット(SDXCカード対応)、USB3.1(Gen1)Type-C×1、USB3.0 Type-A×4、マイク・ラインイン兼用端子、ヘッドホン・ラインアウト兼用端子、HDMI入力端子、HD Webカメラ内蔵(有効画素数 約92万画素)
サイズ(W×D×H)突起部含まず 616×227×470mm(本体最小傾斜時)
616×227×468mm(本体最大傾斜時)
主な付属品 ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、ACアダプタ、miniB-CASカード、リモコン
主な付属ソフトウェア Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス、マカフィー® リブセーフ™ 3年版、 ATOK 2016 for Windows、Corel® PaintShop® Pro X8 for FUJITSU、Corel® Digital Studio for FUJITSU、CyberLink PowerDirector 14 for FUJITSU、Corel® WinDVD®、筆ぐるめ 23 など

個人の自由時間を楽しめる「趣味のPC」を磨き上げた

――― 新しい「FH90/A3」は、シルエットからしてこれまでのFMV ESPRIMOシリーズとは全く異なるPCになっていると感じます。どういったコンセプトを狙ったのでしょうか。

製品の企画を担当した富士通クライアントコンピューティング株式会社 事業本部 プロダクト企画統括部の林部圭司氏

林部氏 当社のユーザー調査では、お客様が一体型PCを設置されている場所は、リビングと書斎が半々ということが分かりました。その結果も参考に、FH90/A3は"趣味用のPC"として書斎に置いてご使用いただくものとして極めていく、というコンセプトを掲げました。さらに、同じユーザー調査のなかでお客様が重視されている要素として挙げられた"画面と音"にフォーカスした商品を目指しました。

――― リビングではなく、書斎にデスクトップPCを置くことの意味やメリットは、どのようなところにあるのでしょう。

林部氏 当社のデスクトップPCのラインアップには、リビングに置ける省スペースな製品もありますが、今回はどちらかというと「プレミアムゾーン」の製品として、「お客様が個人で利用する書斎PC」として、さらに満足いただける商品をフラッグシップモデルとして作り上げよう、というところから始まっています。

家族共用のPCですと、リビングや共有スペースに置くことになるので設置スペースが限られますし、家族の間でも使い道などについていろいろと異なる意見があったりしますので、機能や性能面で特化したリビング向けPCというのは出しづらいところがあります。

それに対して個人の趣味PC、書斎に置くPCは、例えば仕事から疲れて帰ってきた時に、自分の嗜好に合わせて音楽を楽しんだり、きれいな映像で映画を見たりとか、個人の自由時間を楽しめるところが一番のメリットです。今回はそこを磨き上げました。

――― 具体的にはどういったところを強化したのでしょうか。

林部氏 映像と音という2つのポイントがあります。まず映像面では、一体型PCのなかでは最大サイズの27型のディスプレイを採用しています。左右約7mmの狭額縁で、高輝度・広視野角に対応するIPS液晶パネルを用い、映画などに没入できるようにしています。

左右わずか約7mmという狭額縁のディスプレイを採用

音の面では、4W+4WのL/Rスピーカーと10Wのサブウーファーを用いた2.1chのオーディオシステムを採用しました。これまでの機種ではPC用として開発されたスピーカーを使っていましたが、今回の「FH90/A3」に関してはHi-Fi(高品位)オーディオ向けのスピーカーを使うことで、音についても満足いただける商品にできたと思います。また、スピーカーで聞けない時はヘッドフォンを使うこともありますので、ヘッドフォンアンプも高性能なものを搭載するなど強化しました。

――― なぜオーディオ性能を重視することに?

林部氏 元々一体型PCを購入されるお客様は、スピーカーの質を重視されているところがありました。昨今はハイレゾ市場が盛り上がってきていることもあって、当社でも2015年からハイレゾ対応スピーカー搭載のモデルを投入していますが、さらに進化させて音の良さをもっと楽しんでいただきたいと考えたんです。

――― ぱっと見で、PCというよりも、どちらかというとAV機器のようなフォルムだなと思いました。やはりそういったところを意識したデザインなのでしょうか。

デザインを担当した富士通デザイン株式会社 サービス&プロダクトデザイン事業部の石井聖己氏

石井氏 デザイン的には、AV機器に見えているのは成功かなと思います。メインのターゲットは50代以上の男性としていたので、あまりモダンになりすぎないように注意しました。中のスピーカーコーンが透けて見えるようにしているのも、レガシーな表現としてあえて意識したところなんです。デザインはターゲット層の好みに寄せましたが、あまり古く見えすぎても困るので、オールブラックにこだわったりもしています。

ただ、それ以外は、どちらかというと使いやすさを優先してデザインを組んでいきました。キーボードを本体下に収納できるところ、ポート類や光学ドライブなどを前面に持ってきて、手を横に回さなくても全部使えるようにしているところなどですね。他社製品だと外観デザイン重視で、格好は良いけど使いにくかったりする場合もあります。そういうのはいったん全部やめて、使いやすさと格好よさの両立を考えて、合理的に組んでいくとこうなった、という感じです。

一番の特長であるスピーカーは画面より少し奥まったところにあります。画面とスピーカーがフラットでつながっているPCはよく見かけると思いますが、本当は画面にもっと没入感が欲しいんですよね。だから、スピーカーはあくまで画面の次に目立つべきと思いました。一番手前に画面があって、その奥にスピーカーがあることで、映像への没入感が高まります。

意図的にスピーカーコーンが透けて見えるデザインにして、レガシーな雰囲気に

キーボードを本体下に収納できるようになっている

スロット、ポート類を前面に配置し、アクセスしやすくしている

FH90/A3のWebカメラは背面側に隠せる格納式になっている。これも視界から余計なものをなくし、映像への没入感を高める仕掛けの1つ

誰もが聞き分けられる「人の声」を考慮したうえで音質をチューニング

――― 今回はオーディオの強化が大きな特長とのことですが、どういった点にこだわったのでしょう。

オーディオ部分の設計を担当した富士通クライアントコンピューティング株式会社 プラットフォーム開発統括部の村松芳夫氏

村松氏 デザインがまず、1つ目のこだわりですね。今までの一体型PCのデザインだと、画面の裏側にすべての基板やパーツがありました。それはそれで一体型PCという意味では完成した形になっていたんですが、そうすると表面に平らな部分が増えて、そのなかにスピーカーという振動源が存在することになります。高音質を目指すには筐体の振動をコントロールしなければならないので、(振動が増える表面積の大きい構造は)できるだけ避けたかったんです。

そういった理由で、スピーカー部分はディスプレイから離れた、ある意味スピーカーボックスのイメージで作ることができました。小さな箱に仕上がったのでボックスの強度も上げられましたし、スピーカーの振動をコントロールしやすくなりました。余計な振動は抑え込んで、ピュアな音が出るようにしたのがまず1つ目です。

次に、スピーカーユニット自体も従来より大きい口径のものを使いました。従来は筐体サイズを抑えることが優先のため、格納スペースや全体的な効率の制約があり、楕円形状のスピーカーを使っていたんですが、楕円だと音の歪み成分が多くなってしまうんです。一体型PCだと、奥行きを取りにくいという問題もありました。

今回は逆に、音質ありきで必要な筐体サイズを考えてデザインしており、スピーカーに適した容積が取れています。円形のスピーカーにこだわり、奥行きをしっかり取れるようになったので、大きな磁石を使えました。Hi-Fiオーディオ用の小型ユニットで、PC向けとしては十分に大きいスピーカーですが、これでもまだ低音が足りませんので、サブウーファーを追加して2.1chという構成で低音を強化しています。

音質優先でボックスサイズを決めたという本体部

――― 「音作り」という意味では、どういった方向性でチューニングしていますか。

村松氏 2.1chにしたことで、それぞれのアンプに専用のフィルターを設けて、スピーカーの特性、ボックスの特性に合わせて回路チューニングを施しています。Pioneer様と共同でユニット自体に専用チューニングを施していますし、回路の部分までアドバイスをいただいて、トータルの音質アップにつながっています。方向性としては、スピーカーユニットの持つ低域再生能力を許す限り出し切りましょうというのがまず1つありますね。

ヘッドフォン出力の部分では、専用のヘッドフォンアンプを新たに加えました。デジタルとアナログのグラウンドを完全に独立させるなどノイズ対策を行って、最近増えているハイインピーダンスのヘッドフォンでも十分な出力ができるように設計しています。最近はポータブルヘッドフォンアンプが人気で、ヘッドフォンで聞かれるお客様が増えていますので、メリットは大きいと思っています。

ヘッドフォン出力には専用のヘッドフォンアンプを新たに追加した。端子もオーディオ機器を意識した金メッキ仕様

音作りにおいては、我々は「人間の声」を非常に大事にしています。音楽が好きな人であろうがなかろうが、人の声はそれだけで人の体調が判断できたりするほど、人は微妙なところまで聞き分けられる能力をもっているんですね。だから、今回のFH90/A3でも、その微妙なところがわかる繊細な性能をもたせたい、というのがベースにあります。

人の声をきちんとキレイに、自然に、生のまま出せるように、というところをポイントに置いていますから、音作りをする際に必ず最初に聞くのが人の声です。男女何名かのテスト用に録音したナレーションのデータを使って、その声が自然に再生できるかを判定します。そのうえで音楽を聞いて調整する、という流れです。

ただ、人の声を自然に、というところだけをあまりにも重視してしまうと、音楽の方は楽しさに欠ける、おとなしい音作りになってしまうことがあります。そのあたりはスパイスを振るような感じで、音楽も映画も楽しめるようにチューニングしています。

――― スピーカーとヘッドフォン出力はそれぞれ別のチューニングを施しているのでしょうか。

村松氏 別ですね。ヘッドフォン出力は、お客様がどういうヘッドフォンを使うかわかりませんから、どんなヘッドフォンでも困らないよう極力フラットな特性にしています。それに対してスピーカーは、スピーカー自体の特性もありますし、筐体自体の特性もありますので、必ずしもフラットにすればいいというものではありません。音を多少持ち上げたり、嫌な音がしそうなところは抑えたりと、トータルで聴感上の音質を良くする工夫をしています。

スピーカーのセンターキャップやリングの色、USBポートのデザインにもこだわった

――― 高音質を目指す設計上、苦労したところ、あるいは反対にスムーズにいったところはあったでしょうか。

村松氏 まずスムーズにいったところとしては、スピーカーありきのデザインにしたおかげで、スピーカーユニットをすんなり収めることができた、というのがあります。いつもならスピーカーユニットを収めるために出っ張りを削ったり、ボックスの容積を変えたりといった手間が発生していましたが、今回はそれがないのに等しかったので非常に楽でした。

苦労した点は、この機種に限った話ではないですが、2.1chということで、サーブウーファーとL/Rのスピーカーのクロスオーバー周波数をどこにするか、それぞれの音量レベルをどこに設定するか、という調整ですね。また、サブウーファーで大きな低音を出そうとすると、背面のバスレフポートからの気流が速くなってしまう。そうすると風切り音みたいなものが出てしまうので、それをどう抑えるかの対策にも苦労しました。サブウーファーは10W出力ということもあって、それなりの電流が流れるようになるので、電流によるノイズ対策などにも頭を使いました。

ハードウェア設計を担当した富士通クライアントコンピューティング株式会社 事業本部 コンシューマビジネス事業部の岸本雄介氏

岸本氏 装置開発の観点では、大型のウーファーなどを積んでいるとどうしても振動が発生しますから、その振動が与える影響も考慮した構造にしなければならなかったのが苦労したところですね。特にHDDが振動に弱いので、実はHDDだけは下のボックス部分ではなく上のディスプレイの方に配置し、スピーカーやウーファーからの振動の影響を最小限にしています。

村松氏 外観という面では、スピーカーの見え方についてもいろいろ調整しましたね。あまり派手に見えてしまわないよう、なおかつ音質を損なわないように、スピーカーのセンターキャップとリングの色を決めています。ディスプレイを傾けると光の当たり方も変わってしまうので、そのあたりも考慮しながら細かく調整しました。

スピーカーのセンターキャップ(スピーカー中央の小さい円形部分)とリングの色も、見た目にこだわって細かく調整したという

ハードウェア設計を担当した富士通クライアントコンピューティング株式会社 事業本部 コンシューマビジネス事業部の千葉宏樹氏

千葉氏 ユーザビリティを高めるためにSDカードスロットやUSBポートなど多くのインターフェースをフロントに配置していますが、今回はオーディオ重視のPCであることも考慮して、通常のUSBポートのシールド色がシルバーなのに対し、あまり目立たないブラックにしました。正面から見ても反射があまりないデザインにしているんです。

見て欲しいものはスピーカーと画面ですから、USBポートは消し込もうという意図ですね。一方で、ヘッドフォン出力端子とマイク入力端子には金メッキを採用し、オーディオ機器らしさを強調しています。

――― ユーザーの立場としては、音が良くなると、映像もきれいであってほしい、という欲が出てきます。今回は映像、つまり液晶ディスプレイやその制御部分などについて、進化した部分はありますか。

岸本氏 搭載している液晶が過去機種より大型/狭額縁化し、輝度も高くなっています。その液晶の良さを十分に活かしてもらうために、HDMI入力端子を搭載しました。大きくてきれいな液晶を、PCだけに使うのはもったいない、ということで、手持ちのゲーム機や映像機器の映像を大画面で楽しんでもらえればと思います。

さらに、映像面を補強するのが画質補正機能です。テレビやDVD、Blu-rayなど特定のコンテンツをアプリケーションで再生する際に、映像を鮮やかに、きれいに映し出す処理をハードウェアで行っています。例えば通常のPCの画面は色温度で言うと6500Kくらいに設定されているんですが、一般的なテレビはもっと青っぽい色になっていて、そのままPCでテレビの映像を見るとちょっと違和感があるかもしれません。

そこで画質補正をオンにすることで、見慣れたテレビに近い映像になります。また、映画などで暗い場面は明るく見えるように、反対に明るいところは白くならないように、リアルタイムで映像の明るさの分布を見て、必要な範囲に必要なだけ処理を加えるという工夫も施しています。

自動で画質補正を行うオート設定では、プリインストールの「DigitalTVbox」「Corel WinDVD」「My Cloud プレイ」「Cyberlink SeeQVault Player」、それにWindows 10標準の「フォト」などで、そのアプリケーションの映像を表示している部分だけに画質補正が反映されるようになっています。それ以外のソフトを使う時は、手動で画質補正をオンにすることも可能です。

自動で画質補正を行ってくれる機能は「ステータスパネルスイッチ」からオンにできる

今後は音を聞くだけでなく、マイクやセンサーを駆使した新たな使い方も!?

――― 富士通製のスマートフォンもハイレゾ重視の傾向になってきていますし、PCについても今回のFH90/A3を基点に高音質を突き詰めていくことになるのではないかと想像しています。もし今後も同じ方向性でPCを作るのだとしたら、どのように進化させていくことが考えられるでしょうか。

林部氏 FH90/A3は、現状では一番いい形で提供できたと考えています。あえて進化させるとすれば、コンセプトは映像と音のきれいさにありますので、液晶を高解像度にするとか、音に関してはソフトを充実させるなど、まだまだ良くしていけるところがあるとは思います。市場状況も含めて考えなければなりませんが、映像、音、お客様の使い勝手、これらのコンセプトがブレないようにやっていきたいですね。

その他の機能面では、これまでにさまざまな生体認証の仕組みを導入していて、今回はWindows Helloの顔認証にも対応しています。当社ではセキュリティも重視していますから、そういった部分での新しい取り組みは今後も検討していきたいと思っています。

生体認証に使われるWebカメラ類

村松氏 当社が掲げている「ヒューマンセントリック」というキーワードで考えると、音を聞くだけでなく、マイクで声を拾って取り込んで……みたいな発想でいろんなことをしようというアイデアもあります。例えばスマートフォンではSiriやOK Googleのような音声認識エージェントがありますし、PCでもそれに近いことがWindows 10のCortanaなどで実現しています。

PCのいいところは、箱が大きくていろんなセンサーを積めるので、1つのハードウェアでどうする、という話ではなくて、マイクとカメラ、その他センサーなどいくつも複合的に組み合わせることで、もっと新しいことができるだろうと。スマートフォンとも違う、新しい使い方を検討しているところです。

――― 最後に、特にユーザーにはどんなところに注目してほしいか、教えてください。

石井氏 ディスプレイとスピーカーが一番の特長なので、そこをまず見ていただきたいのですが、実はフロントビューとサイドビューで印象が違うんですよね。そういったところも含め、インテリアとして、生活の一部となる嗜好品的なアイテムとして、書斎に置いてもらうと楽しめるかなと思っています。

千葉氏 これまでのFMVシリーズの多くは40〜50代の方がメインのユーザー層ですが、今回はトレンドの狭額縁の液晶ディスプレイということもありますので、20〜30代の若い方にも気に入っていただけると思います。もちろん地上デジタル・BS/110度CSデジタル放送の3波チューナー搭載で、2番組同時録画ができるテレビ機能も搭載されています。一人暮らしのワンルームというシチュエーションにも向いているのかなと。

岸本氏 大画面ディスプレイと高音質をフルに楽しめる、使いやすいフロントアクセスのインターフェースになっているところですね。大画面だけれど、他のPCのように手を側面に回して操作するようなことがありません。今はフロントにBlu-rayディスクドライブがある機種はほとんどないので、そういう観点でも珍しいですし、使い勝手の良い作りになっていると思います。

林部氏 今回の商品に関しては、とにかくお客様にご満足いただけるようにと考えて、デザイン、技術、その他についても妥協せずに仕上げた製品になっています。だからといって価格面でお客様の期待を裏切ってはいけないので、ご満足いただける価格帯でしっかりした商品を作る、というのを磨き上げた自信をもって投入できる商品だと思っています。

村松氏 今回はいろんな意味で音に関して優先順位を上げているので、非常にいい仕上がりになっています。これまでのFMVでもハイレゾ対応のスピーカーを搭載しているものがありますが、今回の新しいHi-Fi向けのユニットが非常にいい音で、開発途中で自分のごり押し的な感じで入れ込んでもらった経緯もあります(笑)。ぜひゆっくり音を聞いていただければ。

――― 本日はありがとうございました。

ESPRIMO FHシリーズ