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解任続きのなか、花道があった--
日本オラクルのトップ交代
 外資系の大手コンピューターソフト会社としては、珍しい日本流の”花道退任”が実現した。日本オラクル(4716)はこのほど、2000年5月期決算の発表と併せ、佐野力社長が、代表権のある会長兼CEO(最高経営責任者)に就任、後任に新宅正明常務が昇格するトップ人事内定を公表した。ITをめぐる事業環境の激変で外資系大手ソフトのトップ交代は、事実上の解任が相次いでいただけに、佐野氏の経営手腕が光るが、オラクル包囲網も着々と進んでおり、新社長もCEOとなる佐野氏も、次のハッピー・リタイアメントは保証されていない。

 ●相次いだ解任
 日本オラクルの社長交代により、ここ1年半の間にマイクロソフト、ロータス、SAPジャパン、バーン ジャパン、インフォミックスといった大手外資系ソフト会社すべてでトップが交代したことになる(別表)。  これらのトップ交代のなかで、SAP、バーン、インフォミックスはそれぞれが、前社長の「辞任」の形態を取ってはいるが、事実上は業績悪化によるトップ解任だった。また、本人が「新事業に挑戦したい」という理由で今年5月にマイクロソフト社長を辞任した成毛真氏についても、米本社による解任という見方がもっぱらだ。米本社は、企業向けのソフト・サービス事業拡大を打ち出していたが、日本法人は、この分野で出遅れた。このためコンシューマー向けの「ウィンドウズ98」の収益に依存するしかなかった、成毛氏に対する「経営手腕への不信感が米国サイドに根強かった」と、関係者は指摘する。

 ●10期増収増益を花道に
 ロータスについては12年半と、外資系では極めて長く社長を務めた菊池三郎氏が99年2月に退任した。菊池氏については「インターネット時代の経営に限界を感じたこと」(関係者)が、辞任の引き金になっている。後任の安田誠社長は、就任段階では39歳。インターネット時代を乗り切るため、米本社は「若さ」に経営を託した。  こうしたなか、日本オラクルは極めて順調な業績の中でのトップ交代となった。佐野氏は99年2月に株式を店頭公開した際にも「日本オラクルをナショナルアセットとして根付かせることが使命」と言明していた。今年4月には東証1部への昇格を実現、その目標を達成したと判断した。これに加え、2000年5月期決算も、佐野氏が同社社長に就任して以来の10期連続の増収増益となり、これを花道をとして後進に道を譲る形となった。

 ●IBMが攻勢
 ただ、新宅新社長にも、またCEOとして新社長をバックアップする佐野氏にも課題が山積している。米オラクルは自他共に認めるように、インターネット時代の企業情報システムのイニシアチブを握る屈指の企業。それだけに、スピードをもって次の戦略を如何に提示するか、先進性が問われ続ける。その一方で、基盤となるビジネスであるDB(データベース)管理ソフトビジネスの競争は一段と激化している。とくにIBMがこの分野で攻勢をかけ、日米市場で「価格面ではオラクルよりかなり低い提示をする」(日本の大手ソフト関係者)事態となっているほか、一部には「性能面や将来性でもIBMの方が上」という指摘もある。日本経済が失われた10年を甘受する間、佐野体制は「黄金の10年」を築いた。だが、新体制には黄金が重くのしかかることにもなりそうだ。

・日本オラクル
http://www.oracle.co.jp

沢田 浩二
7月26日
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