2001年3月30日　15:10現在
日経平均株価　　12,999円70銭（－72円66銭）
TOPIX　　　1,277.27ポイント（－7.93）
値上がり　　　　392銘柄
値下がり　　　　938銘柄
出来高概算　　　641百万株
債券先物 6月限　139円01銭（＋0円69銭）
為替相場　　　　1ドル＝124円56銭
　　　　　　　　1ユーロ＝109円60銭

　本日の株式市場は、前場大きく反発しましたが、後場は軟調となり、結局続落して取引を終えました。年度末の日経平均は13,000円を僅かに下回りました。

　昨日の米国市場は、ダウが若干反発しましたが、ナスダックは2％近く続落し、終値での昨年来安値を更新しました。一部企業の業績下方修正を受け、ハイテク株が引き続き軟調でした。しかしシカゴで取引されている日経平均先物は、前日大証比100 円強上昇して引けました。

　東京市場は、シカゴ日経平均先物の上昇や、昨日の大幅安に対する自律反発期待から買い先行で始まりました。ナスダックは安かったものの、ハイテク株なども買われ、指数は次第に上げ幅を拡大しました。前引近くでは、日経平均は400円弱上昇する局面もありました。

　しかし後場は次第に値を下げる展開となりました。日経平均が13,500円に近づくと上値が重くなり、目先筋の利益確定売りを誘ったようです。年度末ということで積極的な売買を控えた投資家もいた模様で、取引に厚みを欠く中、徐々に下げピッチが速まりました。一時的に反発する局面もありましたが、引け際は売り優勢となり、前日比マイナス圏に達しました。結局、日経平均は13,000円を僅かながら下回る水準で年度末を迎えました。

　前場高かった銘柄も引けでは値下がりに転じるものが多くなり、主要銘柄も総じて軟調でした。業種で見ると、海運、空運、通信などの下げが大きくなりました。個別では、ピープル、三城、日本システム、住商情報、川崎重工などの下げが目立ちました。一方、中低位株物色は本日も見られ、神鋼電機、兼松、クラリオンなどが急伸しました。また東京海上や大東京火災など、損保株の上昇も目立ちました。

　債券は大幅高でした。昨日まで売り圧力となっていた国債入札に絡むヘッジ売りが一巡した模様です。年度末ということで、後場は目立った商いもなく小動きで推移していましたが、引け際ややまとまった買いが入り、上げ幅を拡大しました。為替は大きく円安に振れました。年度末で需給が不安定なところに、日米が円安容認で合意しているとの見方が広まり円安が進みました。

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　225平均株価は続落。72.66円安の1万2999.70円（出来高概算6億8000万株）と終値ベースで3月19日以来の1万3000円を割り込んで取引を終了した。米ナスダック指数が一時1800ポイント割れに迫り、昨年来安値を更新したものの、本日の東京株式市場は、来週に控えた緊急株価対策や期末のドレッシング買いに対する期待から買い先行のスタートとなり、その後も小じっかりに推移した。しかし、大引けに掛けて期待するほどのドレッシング買いが入らないと、期待先行で買った向きの見切売りが加速、先物主導で下げ幅を拡大し、終値で1万3000円を下回った。

　さくら銀(8314)が抱えている株式、不動産の含み損5000億から6000億円を一括償却する報じられた住友銀行(8318)など銀行株が不良債権の本格処理に踏み切るとの見方から堅調に推移したほか、プロミス(8574)、三洋信販(8573)などノンバンク株も反発。また、引き続き神鋼電機(6507)、蝶理(8014)、兼松(8020)、クラリオン(6796)、ナイガイ(8013)など低位材料株も堅調な展開となった。

　反面、先物が下げに転じたことで、ソニー(6758)、松下通信(6781)、アドバンテスト(6857)、NECソフト(4774)、日本オラクル(4716)など値がさのハイテク株が下げ幅を拡大し、NTTグループも大引けに掛けて下げ幅を拡大した。

　＜マザーズ＞
　 マザーズ市場では値上がり銘柄が目立っている。昨晩の米ナスダックは安値を更新したが、下げ幅が小さかったためにあまり影響はなかったようだ。ただし、小幅レンジでの値動きとなっている。反発して25日移動平均線を上回ったネット総研（4741）は、5日移動平均線と25日移動平均線がゴールデンクロスしている。また、昨日ストップ高となったリキッド（4740）は、小幅高となったが上ヒゲを残す結果となっている。そのほかでは、Vテク（7717）、インターアクション（7725）、サイトデザイン（4818）などが堅調。一方、インテックコム（9443）、コンピュータG（4787）、バリューC（4759）、インテックW＆G（4821）はさえない値動きとなった。中古ゲームソフト販売への進出観測が伝えられたCCC（4756）は、前日比変わらずとなっている。

　＜ナスダックジャパン＞
　 ナスダックJ市場では、値下がり銘柄数が多くなっている。しかしながら、マザーズ市場同様に値動きは小幅にとどまった。4日間、S高を交えて高騰していたゲオ（2681）は、利食い売りに押されて反落している。また、ガーラ（4777）が大幅反落となったほか、近鉄エクス（9375）、野田スクリーン（6790）も軟調。一方、ナノテク関連として注目を集めているフォトニクス（7708）は、連日の高値更新となって終値で300万円台に乗せている。また、ソーテック（6829）が5日移動平均線を支持線として反発したほか、プライムS（4830）は切り返して500円回復を窺う値動きを見せた。

　週末の東京株式以上は、昨晩の米ナスダック安にもかかわらず反発している。平均株価の午前の終値は、前日比320.53円高の1万3392.89円（出来高概算3億株）となった。昨日は600円を超える下げ幅を記録、1万3000円割れが目前となったことから、ハイテク銘柄を中心として幅広い銘柄に買いが先行している。

　金融庁などが検討していた不良債権の最終処理策が固まったと報じられたほか、柳沢金融担当相が本日中に不良債権処理に関する金融庁の考え方をまとまるとコメントしたことから、不良債権処理などを含んだ構造改革の進展期待が膨らんだ格好となったようだ。不良債権処理の進展期待から、住友銀行(8318)やみずほHD(8305)などの都銀株が全面高となっているほか、松下(6752)やNEC(6701)、東芝(6502)、日立(6501)などの主力ハイテク株も総じて堅調な値動きとなっている。

　また、マイクロソフトの「Xbox」絡みでセガ(7964)が人気となっているほか、筆頭株主の交代が伝えられたクラリオン(6796)、1：5の大型株式分割を発表した日本テレコム(9434)なども値を上げている。一方、マイカル(8269)やNTT(9432)、日本テレビ(9404)、ドン・キホーテ(7532)などはさえない値動きとなった。

　29日のNY株式市場はまちまち。ダウ工業株30種平均は前日比13.71ドル高の9799.06ドル、ナスダック総合株価指数は前日比33.56ポイント安の1820.57ポイントで取引を終えた。引き続き企業収益に対する懸念が根強く、ナスダック指数は1800ポイント割れに迫る下げとなり、終値ベースでの昨年来安値を更新。98年11月以来の水準となった。

　サン・マイクロシステムズ向けの売上比率の高いJNIが業績下方修正を発表。これを受けて、サン・マイクロシステムズなどストレージ（外部記憶装置）関連株に売りが波及した。

　今年最大の下げ幅を記録した東京株式市場は、本日も米ナスダックの動向に左右させられるスタートとなりそうだ。しかし、日本の株価水準を割高と見る根拠となっていた日米間のPER（株価収益率）格差が急速に縮小すると報じられていることや、不良債権処理促進や緊急経済対策などが期待されている状況であり、また本日はドレッシング買いも流入することが考えられるため、全体的には底堅い相場展開を想定している。