11月16日に発表されたコナミ(9766 東1、7,270円)の2000年3月期上期の業績は、売上高、利益ともに、9月7日の上方修正数字を上回るものだった。2000年3月期に大ヒットした音楽ゲームがピークアウトしたことに加え、プレイステーション2(PS2)発売後にゲームソフト市場そのものが停滞していることなどから、主力のCS(コンシューマソフトウェア)事業は大幅な減収減益となった。しかし、2000年3月期からブームの兆しを見せていたカードゲーム事業を中心とするCP(クリエイティブプロダクツ)事業が大躍進し、減収減益ながらも期初予想を大きく上回る決算となった。
「遊戯王カード」に代表される同社のカードゲーム事業、そしてカードゲーム事業が主力のCP事業は名実ともに同社の収益源になったといえる。2001年3月期上期のセグメント別売上高はCS事業を抜いてトップの36%、営業利益に至っては78%を占める。同事業は、営業利益率が50%と高収益である点も特筆すべきだろう。同社はプロ野球版のカードゲーム「フィールド・オブ・ナイン」も発売し、カードゲーム事業の幅広い展開を始めている。
同社は2001年3月期下期には、カードゲーム事業の好業績を維持することに加え、タイトル数を増やし、海外におけるゲームソフト販売増による収益の増加を見込んでいる。2002年3月期以降はPS2の普及台数が増加することにより、CS事業が回復することが期待される。しかし、現在の収益構造は収益率も含めてカードゲーム事業への依存率が高いため、ウィット・キャピタル証券では同事業の動向が同社の業績に最もインパクトを与える要因として注目したい。
株価(円) |
7,270
|
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52週レンジ(円) |
4,850-21,700
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(2000年11月21日) |
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発行済株数(千株) |
113,738
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時価総額 (十億円) |
826.9
|
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ROE(%) |
26.4
|
決算期 |
99/3
|
00/3
|
01/3予
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売上高 (十億円) |
113.4
|
146.7
|
153.0
|
EBITDA(十億円) |
19.9
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33.4
|
32.7
|
経常利益 (十億円) |
16.2
|
31.1
|
29.0
|
当期利益(十億円) |
5.1
|
18.3
|
19.0
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EPS (円) |
144.4
|
328.5
|
167.1
|
PSR (倍) |
7.3
|
5.6
|
5.4
|
PER (倍) |
50.4
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22.1
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43.5
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(注)EBITDA:償却前営業利益
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