インプレス（9479　東１、650,000円）は、ＩＴ、音楽、デザインのコンテンツを雑誌や書籍、ウェブ、メールニュースなどを通じて多面的に提供している。ＩＴ初心者向けのハウツー本「できる」シリーズや月刊誌「インターネットマガジン」、「ギターマガジン」で知られる。メールニュースの登録読者数は2000年8月末で53万人、ＥＣサイトの登録者数は同30万人に達する。

今回の公募増資で調達した約100億円のうち30億円はコンテンツ拡充のための戦略的投資に充てる計画である。デジタル／ＥＣチャネル事業は最も注力される分野で、メールニュースの外販、BtoB、BtoBtoCへの展開で拡大を図る。

2001年3月期の連結業績は、増収ながら減益となる見込みである。中長期的な拡大戦略上の先行投資が減益要因となる。

公募価格58万円に対し、公開後３日目となる10月11日の引け値は65万円となった。2001年3月期予想ベースのバリュエーションは、PERが141.5倍、PSRで4.2倍となっている。出版各社の同指標と比較すると最も高い位置にある。デジタル／ＥＣチャネル事業によって業績が急拡大するという期待を反映したものと考えられる。