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中平幸典・国際経済研究所
副理事長に聞く
[インタビュー一覧]
 ITをばねに、驚異的ともいえる長期持続成長を遂げる米国経済。当面の焦点は11月の大統領選を挟んでの金融政策・経済運営となり、その帰趨が回復途上の日本の景気にも大きな影響を及ぼす。元大蔵財務官の中平幸典・国際経済研究所副理事長(略歴)に、9月23日にチェコのプラハで開かれる今世紀最後のG7(主要国蔵相・中央銀行総裁会議)の見通しも含めて聞いた。
 (聞き手 編集長 池原照雄)
中平幸典氏

――米国経済の現状および大統領選挙前後の金融引締め(利上げ)の可能性をどう見て
   いますか。

中平:米経済は設備投資意欲が依然として強いなど、高い水準にある。しかし消費に一時の勢いがなく、ようやくスローダウンしてきたともいえる。利上げの効果が出始めたということだ。従って、選挙前には余程のことがない限り金融政策に動きはないだろう。さらに、選挙後も(ゴア氏、ブッシュ氏の)どちらが選ばれるにせよ、年内までは利上げはないと見ている。  米経済は、IT革命により世界経済のペースを上回る成長率となっており、これを巡航速度に軟着陸させ、良好な状態をサステイン(保持)することが課題。最近の動きは狙った方向に行っている。8年前にクリントン政権が誕生した時は、失業率が7%台にあり、“ジョブ”が課題であったが、今年は選挙後も当面は大きな変化はない。

――懸念材料は、原油価格の高騰くらいですか。

中平:それは心配だ。日本では不思議なくらい大きな問題になっていないが、米国はクルマ社会だからセンシティブになる。また、原油とともに世界的な波乱要因としては、ユーロ安がある。現状の欧州経済は、日本よりはるかにパフォーマンスが良いのに、ユーロはファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)とは、明らかにかい離している。ユーロ売り・円買いは、円ドル相場でも円高に振れることになるわけで、日本にとっても問題だ。EU諸国は、マルク、フランなど自国通貨の下落に対しては各国が危機感をもつが、統合されたユーロには、どうも危機感が乏し過ぎる。

――年内、米国の経済情勢や金融政策に変化がないとして、日本への影響は。

中平:金融政策が変わらないということは、ソフトランディングに入っていくということだから、日本経済にとって望ましい。日本の景気の評価は色々あるが、消費は弱いものの設備投資主導型で自律的回復に向かっている。一番恐いのは長期金利と為替だ。現状の低すぎる長期金利が少しづつ経済の実体に合わせて上昇することが必要。当面は補正予算の論議となるが、どれだ国債を出すのか(=予算規模)をよく考えなければならない。  もう一方の為替は、日本経済は強いよということになると、ユーロ安とのからみもあって一気に円買いに向かうリスクがある。自律回復といっても、まだひ弱だから、日米欧の通貨協調が必要となる。

――その意味からも、今回のG7のテーマはどうなるのでしょう。

中平:前回4月のG7は、米株価の急落の翌日だったので緊迫感があったが、今度は今のところ順調な世界経済を、どうサステインナブル(保持可能な状態)にしていくかがテーマだ。まずマクロ政策での協調、2番目にユーロ安への対応。そして、今世紀最後のG7として金融のグローバリゼーションが進む21世紀に向け、通貨の危機管理の推進や短期の資本移動の透明性をどう確保するかなどを確認することになろう。

 
池原照雄
2000/09/13
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