みなさんは日頃から親とコミュニケーションしているだろうか。近くに住んでいるからよく会話している、という人もいると思うが、筆者の場合は東京と北海道とで離れて暮らしていることもあり、年に1、2回の帰省でしか会わなかったり、普段から連絡を取ることもあまりしない、なんていう親不孝状態になっている。
近況を伝えるなら電話やメールでもいいのかもしれない。が、改まって電話やメールで話すような内容もそれほどなかったりする。とはいえ、筆者としては、自分の子供が生まれて以来まだ1度しか顔を見せられていない親に対して、もうちょっと頻繁に孫の様子を伝えてあげたいとも思う。
電話やメールよりも手軽にコミュニケーションでき、スマートフォンを使い慣れていない親にも簡単に使ってもらえる、そんなサービスはないものだろうか。実は7月26日に発売された「らくらくスマートフォン3 F-06F」に搭載されている「ファミリーページ」という機能が、これらの要求をばっちりカバーしている、らしいのだ。
スマホ食わず嫌いの父にスマホデビューしてもらう
「らくらくスマートフォン3」は、主にスマートフォンを初めて持つことになる、シニア層に向けた製品だ。らくらくタッチパネルや無料電話サポートといった「らくらくスマートフォン」シリーズでおなじみの機能を継承しつつ、デザイナー原 研哉氏によりデザインが一新、スタイリッシュさを増したほか、高性能文字入力「Super ATOK ULTIAS for らくらく」搭載など、新機能も充実している。
今回注目したいのは、その新機能の中の「ファミリーページ」。文字通り家族との間で利用するのに最適な機能で、最近流行の「デジタル親孝行」にうってつけだという。というわけで、まだスマートフォンを持っていない筆者の父親に「らくらくスマートフォン3」を渡し、一緒に「ファミリーページ」を使ってみないか、と持ちかけた。
ちなみに、母親はすでにスマートフォンを所有しているものの、父親はこれまで頑なにスマートフォンを拒んできた。通話はフィーチャーフォンで十分だし、自宅にはPCもあってスマートフォンを使う目的が見つからないから、だそうだ。少し前に7インチタブレットをプレゼントしたものの、タッチパネルの操作感があまり気に入らないようで、それほどヘビーには使いこなしていないようである。
しかし、シニア向けである「らくらくスマートフォン3」は、他のAndroidスマートフォンやタブレットと比べると、特にタッチパネルの使い勝手が大きく異なる。父親のスマートフォンに対する"食わず嫌い"みたいな考えも払拭できれば、という思いで、「らくらくスマートフォン3」を使ってもらうことにした。
親側の難しい操作は不要。一般のSNSにない手軽さが魅力
「ファミリーページ」は、家族間で写真を共有するのに使えるSNSだ。家族しか見られない専用のページに写真を投稿したり、写真に対してコメントを付けたりすることで、家族間で近況を知らせ合ったり、ちょっとしたコミュニケーションを図ることができる。
親が持つことになる「らくらくスマートフォン3」では、ホーム画面にある「らくらくコミュニティ」ボタンからすぐに利用できる。一方、自分のスマートフォンからは、専用の「ファミリーページ」アプリでアクセスできる。
自分と両親のあいだでファミリーページを始めるには、両親にファミリーページに登録してもらってから自分を招待してもらう方法と、自分がファミリーページに登録してから両親を招待する方法の2通りがある。今回は、自分が両親にファミリーページを勧めたこともあり、後者の方法を紹介しよう。なお、富士通のホームページにも詳しい手順があるので、参考にしてみよう。
まず自分のスマートフォンにインストールした「ファミリーページ」アプリで、富士通の個人向けクラウドサービス「My Cloud」のIDを取得し、ログインする。次に"家族招待"機能を使い、親の「らくらくスマートフォン3」に招待メールを送信して利用登録してもらう。
自分のスマートフォンではMy Cloud IDのユーザー登録と「ファミリーページ」のプロフィール設定が必要になるが、らくらくスマートフォン3側のID登録は不要、プロフィール設定のみで使い始められる。
利用方法は、他のソーシャルフォトサービスと少し似ている。写真をその場で撮影するか、撮影済みの写真を読み込んで、タイトルと説明文を付けて投稿でき、投稿写真に対してお気に入りを表す"拍手"を付けたり、コメントを付けたりできる、というのが大まかな機能。
自分のスマートフォンから写真を送ってみる
他のソーシャルフォトサービスとの大きな違いは、自分と招待した家族の間でのみ写真を共有できる点。親の「らくらくスマートフォン3」からも、子のスマートフォンからも同じように投稿でき、閉じたコミュニティなので顔写真なども気軽に扱える。写っている内容にあまり気を遣う必要がないのは、それだけで投稿に対するハードルがぐっと下がるように感じるものだ。
写真が新しく投稿されると、「らくらくスマートフォン3」を使っていれば待受画面やホーム画面、端末のランプなどで通知される。また、待受画面上で投稿された写真を順番に映し出すスライドショー機能も備えていて、フォトフレームのような感覚で楽しめるのもポイントだ。
「けっこういいな」と、父は言った
これまでスマートフォンを拒絶していたこともあり、使い始める前は「あんまり使えないかもしれんぞ」とこちらが不安になりそうな言葉を口にしていた父。ところが、「ファミリーページ」を中心に使ってみてもらった結果を電話で聞いたところ、「けっこういいな」という予想外の返事が。
「ファミリーページ」とは直接関係ないけれど、「らくらくスマートフォン3」は通常のスマートフォンと異なり、軽くタッチするだけでは反応せず、画面を押し込むようにタッチして操作するようになっている。この独特の操作感によってタッチミスしにくいのが、なによりもありがたいらしい。
写真を投稿する時の操作方法も、迷うことはほとんどないようだ。「使えないかもしれない」なんていう最初のセリフとは裏腹に、ほぼ2日に一度のペースで趣味の山登りで撮った写真を熱心に投稿している。筆者が子供(孫)の写真を投稿したところ、丁寧にコメントまで付けてきたりして、父の意外な"マメさ"にも驚いた。
結果的に「ファミリーページ」の"家族で簡単に写真共有できる"特長は、筆者と父親とのコミュニケーション(不足)事情にぴったりはまったと言えるだろう。電話で話したいと思うほどの内容ではないけれど、その日にどんなことがあったのか、なんとなく伝えたいことを写真を通して軽い気持ちで教えられるだけでなく、互いの生活に過度に干渉せず、ちょうどよい"距離感"を保てるのも利点かもしれない。
メール添付や他のソーシャルフォトサービスでは、写真共有の難しさや手間の多さがどうしてもネックになる。初期のアカウント登録も親側では必要なく、それ以外でも難しい操作や設定が強いられることがないのも、大きなメリットのように感じた。
子である筆者としては、当初考えていた"手軽にコミュニケーションできて、親にも簡単に使ってもらえる"という目的はほぼ達成できたと思う。が、父は味を占めたのか、もっと大量に投稿したい、と言ってきた。リタイアして毎日のように山登りしているので、写真ネタはたくさんあるらしい。「ファミリーページ」での写真投稿は1度に3枚まで可能だが、フォルダごと選択するような感覚でごっそり送りたいのだとか。そんなに投稿されても、こちらがちょっと困ってしまうのだけれど......。
専用サービスだからこそ可能になった使い勝手
そんなわけで、「らくらくスマートフォン3」と「ファミリーページ」が親孝行の助けになるか、という問いに対しては、間違いなく助けになる、と個人的には断言したい。これまで両親とはせいぜい年に数回しか互いの近況を教え合うことがなく、普段どんな感じで過ごしているのか全く見えていなかったのが、「ファミリーページ」に投稿される写真で頻繁に様子を知ることができるようになった。この安心感はかなり大きい。親にとっても、きっとそうではないだろうか。
このような連絡の取り方は、当然ながら手紙や電話、メールでは絶対にできなかったこと。他のSNSは両親にとってハードルが高いし、説明の手間もかかりすぎる。「ファミリーページ」では、使い始めの時こそ"どんな機能があって、どう使うか"を説明しておく必要はあるものの、他のSNSを使う時よりは格段に子にかかる説明負担が少ない。これは「らくらくスマートフォン3」の標準機能として用意され、うまく端末に統合されていることの強みとも言えそう。
もちろん、「らくらくスマートフォン3」の機能はこれだけではなく、他にもシニアユーザーに適した要素がふんだんに盛り込まれている。別の機会にでも、筆者の父の協力のもと、スマートフォン初心者かつシニアならではの視点を交え、どんな風に「らくらくスマートフォン3」が使えるのかをお届けしていきたい。
らくらくスマートフォン3(F-06F)は、「つながりほっとサポート」にも対応しています。
「つながりほっとサポート」は体調やスマートフォンの利用状況(歩数計の歩数、電池残量等)をあらかじめ指定するつながりメンバーへお伝えできる無料のサービスです。たとえば、離れたご家族等に元気な様子をお知らせすることができ、あんしんです。
詳しくはドコモのホームページでご確認ください。
つながりほっとサポートとは...
https://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/tsunagari_hotto_support/
※iモードでご利用になれる「つながりほっとサポート」とは内容が一部異なります。
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