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第6回:ドッグイヤーの移動通信業界

■ 猫派か犬派か

Felix

 人間の世界では、人や物事を動物などにたとえて分類したがる傾向があるようだ。日本では、なぜか猫好きと犬好きに分けたがるようで、牛や馬という話を聞かない。さしずめ、夏目漱石や赤川次郎は猫派、井上ひさしは犬派だろう。一方、オイラの生まれ故郷のアメリカはオレンジとアップルのようだ。その端的な例がApple Computerだ。また、ニューヨークはビッグアップルとも呼ばれている。これは、大恐慌時代に多くの失業者がニューヨークでリンゴを売っていたことに由来するそうだ。知っていたかい?

 日本でも、オイラが来るはるか昔のバブル花盛りの頃、トマト銀行なんてのができたと聞いたことがある。だが、最近ではそのような話をとんと聞いたことがない。バブルの頃の浮かれ気分が、このような所にも表れていたのだろう。その結果が、今の大不況だ。慾に目のくらんだ人間は、オイラたち猫よりはるかに愚かだ。

 さてさて、移動通信業界をみると、どうだろう。ドコモは猫好きとみて間違いない。その根拠として、まず、ペット用のPHSを開発するに当たって、新聞広告に猫を採用した。また、キティバージョンのポケットボードを売り出した。iモードでもサンリオが“キャラっぱ!”というキャラクタの画像配信サービスを提供しているが、その中にハローキティは当初からあるが、“ぶるぶるどっぐ”はカラー版になってやっと登場した。

 一方、最近ドコモを蹴散らす勢いのJ-フォンはどうだろうか。藤原紀香をみる限り犬系のような気がするが、態度が不明確だ。IDOは。織田 裕二の寝返りの速さからすると、猫や犬ではなく、コウモリかトカゲの部類か。DDIやアステルはまったくどちらか皆目見当がつかない。

 さて、出だしから延々とタイトルとずれた話をしてきたので、ここいらで、話を戻そう。
 最近は漢字もかなり読めるようになったので、オイラだけで新聞を読んでいると、モバイルコミュニケーション関係の記事のところで“ドッグイヤー”なる言葉をよく見かける。これは、犬の成長が人間に比べて3倍程度速いことに由来しており、急成長を遂げるハイテク産業で良く使っているようだが、なんとなく、成り振り構わず大きくなろうと言う意味も暗に含まれているように感じる。弱肉強食のことを“Dog eats dog.”と言うが、品の良いオイラたち猫と違って犬は品の良い例えに使われないような気がする。



■ ドッグイヤーで良いのか

 オイラの頭の中にふっと疑問が浮かんだのだが、本当にドッグイヤーで良いのかということだ。キャットイヤーの方が正しいような気がする。人間や有袋類を除けば、ほとんどの動物が産まれて間もなく自分で歩きだす。問題は、どのくらいの期間で成長し、寿命が何年間かだ。一般的に体の大きい動物ほど、長く生きる傾向がある。犬の場合、寿命は長くても20年程度だ。それに対し、オイラ達猫は哀しいことに、まずそこまで生きられない。

 さて、移動通信産業はどうだろうか? 最近、立て続けに倒産したポケベル事業者の寿命は、10年チョットだ。PHSも身売りで延命しているが、同じようなものだ。ドコモだけがやけに元気だが、ひとつのサービスの平均寿命は十数年程度のような気がする。常に新しいサービスを提供し続けられる会社だけしか生きのびられないだろう。
 これが、ドッグイヤーよりキャットイヤーの方が当たっていると言った理由だ。

 この論法でいけば、携帯電話の端末類は、半年から1年で新しい機種に取り換えられるので、さしずめマウスイヤーか?!

Felix

 さて、移動通信業界と並んで急速に成長しているコンピュータ業界に目を移してみると、企業の浮き沈みの速さは移動通信業界の比じゃない。企業の寿命もユーザーに飽きられて命尽きるというより、大手企業に飲み込まれて命尽きることが多い。まさに“Dog eats dog.”の世界だ。平均寿命は5年程度でなかろうか。動物界には、基本的に同じ仲間同士では、喧嘩はするが食い殺すことはない。そう言うことから、オイラの頭にはコンピュータ業界の成長の速さを表現する適当な表現が思い浮かばない。


(Felix Mobile)
2000/01/26


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