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第2回:ニャン権侵害のPHS

Felix

 1カ月ほど前、マムの膝の上に乗っかって新聞を読んでいたら、同輩の猫が首に何かつけて凛々しく新聞一面に写っているではないか。首に付けているのは、位置を検出するためのPHSでドコモが開発を進めているそうだ。ドコモは、セルラーホンのユーザの伸びが落ちてきたものだから、人間だけでなくペット、特に猫にPHSを持たせようと考えているようだ。

 オイラ達猫族は、よく「ご主人になつかなくて、家になつく。」と言われるがそんな事は決してない。オイラは、マムが帰って来る足音を聞き付けただけで玄関に迎えにいく。また、マムの膝の上に乗っかって、咽をゴロゴロさせる。ただ犬達と少し違って、散歩の代わりに1日に何時間か気ままに近所を徘徊したいだけだ。とは言っても、犬達より少し身勝手で我がままで、甘えはするが絶対媚びないのは、否定できないが……。時々からかいに行くマムの妹の家にいるグーフィは、散歩の時とオイラが遊んであげている時以外、ほとんど寝ているので位置検出用のPHSなどは不要だ。

 家の近所(とは言っても半径1km程度なのだが)を歩き回っている時、ご主人たちは、オイラ達がどこに行っているか気になるらしい。それで、ドコモは、いつでもどこに行っているかわかるように、ペット用のPHSを開発し売ろうというわけだ。
 おいら達、ペットだってプライバシーを守る権利は欲しい。おいら達に先立ってPHSを持たされた子供たちの気持ちがよくわかる。

 とは言っても。今回はPHSの“いまどこサービス”なので、誤差は100m程度あるので平気だ。半径50mの円内で捜すなんておいらが事故にあって動けないかぎり、不可能に近い。捜しに来た時には、とっくに他の所にいっている。これが、誤差が数十cmのDGPSとオートジャイロを搭載した最新のカーナビを首に付けられたら、たまらない。機器が重くて動きにくい上に、ピンポイトで居場所がわかってしまう。

 マムがおいらのことを心配してくれるのはうれしいが、いつどこで恋猫と会っているかまで詮索されたくない。

Felix

 実は、オイラは、内心ドコモが本気で猫用のPHSを開発するつもりなど無いとたかを括っていたのだが、以前と同様にマムの膝に乗っかって新聞を読んでいたら、具体的仕様が出ているではないか。名前は、「P-doco」という。オイラ達に付けることを前提にしているため、JIS防滴4級という防水対策を施すようだ。大きさは41×16.5×74mm(幅×奥行×高)で、重量は60g、連続待ち受け時間は約600時間となっている。オイラは由緒正しい猫ゆえ、箸も持ったことがない(本当は、箸を持ちたくても、持てないのだが)。
 今回の「 P-doco 」は、普通の猫には適しているが、オイラには大き過ぎ、重過ぎだ。

 さらに嫌なことには、ドコモは繁華街やビル内でも窓際であれば位置検出可能なGPSサービスを提供すると言うではないか。この主要技術は、オイラが以前住んでいたLosGatos近くのSanJoseにあるスナップトラップ社が提供するそうだ。

 相変わらず革新的技術はアメリカで開発されているようだ。アメリカ生まれのオイラとしては、日本の猫に負けていられぬ。何か革新的なことをしなくては……。

 さて。問題はこの新しいGPSだ。従来のGPSは少なくても3つのGPS衛星を直接見通せないと位置がわからなかった。ほんとうに精度の高いGPSは7つ程度の衛星を捕捉するようになっている。それが、スナップトラップ社の技術を利用すると、インドアでも反射波を受信できる所であれば、位置がわかるそうだ。こうなると、オイラの主な活動エリアである住宅地の空き地や床下にいてもどこにいるかわかってしまう。

 この技術を利用した猫用の端末を開発しないでほしい。ドコモは、オイラのニャン権を侵害するな!! こんな端末を持たせるのは、人間か自動車にしてくれ。


(Felix Mobile)
1999/10/29


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