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2011年1月13日

手軽な価格でサラウンド対応
ボイスチェンジャー付きのUSBサウンド
「DN-EUSB1570」を使ってみた

 

上海問屋がラインナップする豊富な周辺機器の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。2011年最初の紹介となる今回は、人気のUSBサウンドユニットの新顔をご紹介しよう。7.1チャンネルのサラウンド出力とマイク入力を備えたモデルだ。

豊富な入出力端子を備えボリューム調整機能も搭載

DN-EUSB1570の本体。多くの端子を搭載することもあり、本体の大きさは幅126×奥行き63×厚さ25mmと、USBサウンドユニットとしては比較的大柄だ

上海問屋の中でもオーディオ関連の機器はアイテム数が多く、かなり力の入ったジャンルとして挙げられるだろう。新製品も続々と投入されており、この連載でも高音質なDAC搭載ヘッドフォンアンプや、USB DAC付きの真空管ヘッドフォンアンプといった、個性派モデルを紹介している。

今回紹介する「DN-EUSB1570」は、7.1チャンネルのサラウンド出力に対応しつつ、手頃な価格を実現したモデルだ。

最大の特徴として挙げられるのは、入出力端子が豊富な点。7.1チャンネルのライン出力(アンプ内蔵スピーカー接続用。3.5mm径のミニジャック)を搭載するだけでなく、ヘッドホン出力端子とマイク入力端子、ライン入力端子を搭載する。

また、さらに光デジタル入力と出力端子も搭載されているが、実はこの端子、パススルー(通過)用でしか使えない。つまり、本機からのデジタル出力や本機へのデジタル入力端子としては使えず、入力端子の信号をそのまま出力端子から出力することしかできない。これは上海問屋公式の製品紹介ページでも注意点として書かれているように製品の仕様なのだが、購入時には注意したい点だ。

また、もう一つの特徴が、ボリューム調整用のボタンを本体に搭載している点。本体を手元に置いておけば、急な音量調整が必要になった場合などに便利だ。

ただし、こちらもちょっとした注意点がある。ボリューム調整用の他に、「録音」と「再生/一時停止」のアイコンがつけられたボタンがあるのだが、これらの機能がアイコンと微妙に異なり、録音ボタンは搭載された入力端子のミュート(消音)ボタンとして、再生/一時停止ボタンは再生ミュートボタンとして動作する。これは付属のCDに収録された解説図に書かれているので仕様なのだが、これを読まないで触るとちょっと驚くところだ。筆者も最初に触れて驚いてしまった。

本体と付属品一式。付属品はUSBケーブルと光デジタルケーブル、マニュアルとドライバCDだ 天面には録音・再生ミュートとボリューム調整用のボタン、2つのLED(左が録音ミュート状態、右が電源)が備えられている 左側面には、USB端子(Bタイプ)とヘッドホン出力端子が用意される
正面。ラインとマイクの入力端子、サラウンド用のライン出力端子(右側4つ)が並ぶ 右側面には、パススルー用の光デジタル入力・出力端子が用意される。本文中でも紹介したが、本機に対しての入出力端子としては使えないので、使う必要性は薄い ドライバCDに収録されたマニュアルで本体のボタンの解説を見ると、再生/一時停止のアイコンのボタンが「Playback Mute」と書かれていた

隠れた特徴としては、対応OSの広さが挙げられる。上海問屋で公式サポートするのはWindows XP/Vista/7だが、非公式ながら、本体の外箱とマニュアルにはMac OS Xでのサポートも記載されている。マニュアルにはMac OS X上のインストール方法も紹介されているため、WindowsとMacの両方を使っているユーザーには魅力的だろう(標準ドライバでの動作となる。また、Macでは上海問屋からのサポートは受けられない点には要注意)。

なお、64bit版Windowsへの対応に関してはとくに触れられてはいないが、筆者が64bit版Windows 7 Ultimateでテストしたところ、問題なく動作した。

さまざまな特殊効果に注目
マイク入力へのボイスチェンジャーも

今回筆者は1週間ほど本機を使ってみたが、サウンドデバイスとして、動作が非常に素直な点が印象的だ。

これには、本機のサウンドコントローラチップが、台湾C-Mediaの「Xear3D」シリーズであることも一役買っているようだ。このチップは高級なUSBヘッドセットをはじめとして、非常に採用例が多いため、不具合などが少ないのだ。

また、ドライバCDからインストールできるコントロールパネルで設定できる、さまざまな特殊効果も面白い。ヘッドホンや2チャンネルスピーカーでも簡易的なサラウンド効果が楽しめるバーチャルサラウンド機能や、グラフィックイコライザーや、デジタルリバーブ(エコー)などの特殊効果が使えるようになる。

中でも個人的に注目なのが、マイク入力に対する特殊効果が多い点。一般的なデジタルエコーやカラオケ用のボーカルキャンセル機能だけでなく、音声の高低をコントロールする「マジックボイス」と呼ばれる機能も搭載されている。男声や女声、いわゆる機械的な音声などから選べるので、カラオケでウケを狙ったり、Ustreamやニコニコ生放送などで地声を出さずに放送する……といった用途にも使える。

また、個人的に好感が持てたのは、Windowsの標準ドライバでの動作も可能な点。ドライバをインストールしないとコントロールパネルは使えないものの、基本的な入出力や音量調整(本体のボタンでの操作を含む)は標準ドライバだけの状態でもOKだ。

なお、上海問屋の公式製品紹介ページでは、使用する本体によっては、本機を接続しただけでは音が出ないことがある旨の注意が記載されている。本連載のバックナンバー( http://www.watch.impress.co.jp/donya/DN-USBDAC.html )に、Windows 7での対処方法を紹介しているので、購入後にトラブルが起きたら参照してほしい(Windows XPでの設定は公式製品紹介ページにある)。

気になる音に関してだが、ヘッドホンでじっくり聞いてみたところ、比較的高音・低音ともに強調されておらず、かなりフラットで自然な印象だ。本連載でこれまでに紹介したUSB DACの音質重視モデルと比べるとかなりあっさりした感じも受けるが、逆に言えばクセが少なく、イコライザーなどの特殊効果が扱いやすいタイプの音でもある。

もちろん、イマドキのUSBサウンドユニットだけあって、ノイズなども少ない。本機の価格は2,499円(税込・送料別)と、サラウンド出力対応のUSBサウンドユニットとしては非常に手頃だ。このクラスのUSBサウンドユニットとしては文句なしのクオリティを備えているといえそうだ。

HDMI出力付きのノートPCを液晶テレビに接続して映画を楽しむ……といった使い方を考えている方や、Usteramなどの生放送を楽しんでみたい方などにはとくにオススメしたい一品である。

正面。ラインとマイクの入力端子、サラウンド用のライン出力端子(右側4つ)が並ぶ コントロールパネルのエフェクト画面。デジタルリバーブ(エコー)の設定となる「環境」とイコライザーの操作が可能だ マイク入力用の特殊機能の充実もポイント。音声の高さを変えられる「マジックボイス」やマイクエコー、カラオケ用のボーカルキャンセル(流れている音楽のボーカルを小さくする機能)などが搭載されている

■7.1チャンネル対応 USB DAC DN-EUSB1570 製品情報
http://www.donya.jp/item/18622.html

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