ARROWS × ケータイ Watch

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「買い」のボルテージ高まる!

「arrows NX F-02H」がパワーアップした4つのポイント

「arrows NX F-02H」

なぜ筆者が富士通のarrowsシリーズを好きなのかと問われた際には、真っ先にその「チャレンジ精神」を挙げたい。新機種が発表されるたびに、それまで誰もやっていなかった意外な要素を盛り込んでくる。あっと言わせるような何かが、毎回必ずどこかにあるのだ。

もちろん、他メーカーの端末も同じように新しい要素を次々に取り入れている。しかし、arrowsシリーズでは、後に世界的にスタンダードになるようなものを2歩も3歩も先んじて搭載していることが多いのだ。

例えば2011年発売のREGZA Phone T-01Dから始まったスマートフォンの指紋認証機能、2012年発売のARROWS X F-10Dで採用されたクアッドコアチップセットなど、今や多くの端末で標準的に採用されるに至ったものばかり。F-04Gから搭載されるようになった虹彩認証についても、いずれは他の端末も追従することになるに違いない。そういった部分も含めて、arrowsシリーズにはユーザーをわくわくさせるような魅力があると思っている。

ところがドコモの2015〜2016年の冬春モデルとして登場した「arrows NX F-02H」を目にした時、たしかに外観は変わっているけれど、前モデルのF-04Gと比べて中身はさほど変化していないように感じて、「無難にマイナーバージョンアップしただけか」とちょっとがっかりした。

のだが、実際に触れてみると思っていたのと全然違う。ぱっと見では目に付きにくいが、そこかしこにarrowsらしさがいくつも見受けられ、一気に「買い」のボルテージが高まったのである。今回はその4つのパワーアップポイントに着目してご紹介しよう。

ボディのあちこちがパワーアップした!

新しいF-02Hを見て最初に気付くのは、その筐体の大きさ。ディスプレイがF-04Gの約5.2インチから約5.4インチへと拡大した影響もあってか、縦横ともに少しずつサイズアップしていて、初めて手に持った時の感想は「すごく、おっきいです......」。でも、厚みはF-04Gから約0.9mmも薄くなり、アウトカメラのレンズ部分も背面と限りなく"ツライチ"に近づいたおかげで、かなり軽快感がある。ズボンのポケットに入れていても違和感がないのは、この薄さのおかげだろう。

手に持つと、けっこう大きい
F-04G(左)に比べ0.9mm薄くなった
カメラレンズ部の盛り上がりがほとんどなくなったのも、薄さをより感じさせる

次に印象的なのが、ボディカラーごとに異なるパターンでデザインされたグラスファイバーによる端末背面。今回試用したホワイトのボディカラーの場合は、縦横方向に織り込まれたような模様がアクセント。ヘッド部のアルミ素材はハードアルマイト処理で耐久性を向上している。ガラスやアルミといった、スマホのトレンドの素材を採用しながらも、arrows独自の素材使いが光る。

ホワイトの背面パターン。分かりにくいかもしれないが、織りの雰囲気がカーボンっぽさをちょっとかもし出している
グリーンの背面
ブラックの背面

そしてなんといっても、米国防総省の装備品に求められる耐久性能を示すMIL規格の14項目に準拠したタフネスさを忘れてはならない。具体的には、落下、水への浸漬(しんし)、粉塵、塩水噴霧、(高)湿度、太陽光照射、振動、風雨、高温動作(60℃固定)、高温保管(70℃固定)、低温動作(-20℃固定)、低温保管(-30℃固定)、低(気)圧保管、低(気)圧動作に対する一定以上の耐久性能を保持している。従来から防水・防じんに対応してきた国産スマートフォン。今後はこのMIL規格が標準的な耐久性能の指標になりそうな予感がする。

ヘッド部分の金属は、普通のアルミ素材と比べて耐傷性が高いハードアルマイト加工されている
底面も同じように金属。MIL規格準拠というタフネスさをイメージさせる
細かい点だが、microSDスロットとnanoUIM(SIM)カードスロットの挿入口が別になり、間違えて差し込むことも少なくなった

ディスプレイがパワーアップした!

前モデルの5.2インチから5.4インチに拡大したディスプレイは、モデルチェンジのたびにそのテクノロジーも進化し、F-02Hでは一般的に多く採用されているIPS方式の新世代版「IPS-NEO方式」と呼ばれる液晶が採用されている。IPS液晶は一般的に"黒"の表現が苦手とされているが、IPS-NEOでは液晶内部の光漏れを防ぐ工夫を施すことで、引き締まった黒を再現できるようにしたという。

黒の表現を改善したというIPS-NEO。動画も大変美しく表示できる
自分で撮った写真も美しい

同じ画像を表示したF-02GとF-02Hを並べ、写真に撮って比較してみても、その差にはっきりと気付ける。F-02Gでは犬の毛が赤茶けて見えるところがあるが、F-02Hでは全体的に黒々としているのが分かるだろうか。ハイライト部分もくっきり白く浮かび上がっていて、メリハリのあるコントラストを表現できていると感じる。

サンプル画像でF-02G(右)と比較。明らかに黒の色合いが異なる

ちなみに、ディスプレイ解像度は前モデルから変わらず1440×2560ドット。フルHDをはるかに超える高精細な画面で、写真だけでなく動画、フルセグ、3Dゲームなんかを高画質で堪能できる。一度この解像度に慣れてしまうと、フルHDディスプレイでは満足できなくなるほどだ。

バッテリーもちがパワーアップした!

バッテリー容量はF-02Hでさらにアップした。F-04G比でプラス270mAh増の3390mAhだ。ウリ文句では「たっぷり3日間使える」としているが、朝と夜の通勤移動中はもちろん、仕事中もそれなりにガンガン使う筆者のような人にとっては、3日間充電なしで暮らすのは無理にしても、丸1日程度ならゆとりをもって過ごすことができる。しかも、F-04Gから継承の「バッテリーセーバー」という機能でさらにバッテリーを延命できる。

バッテリーセーバーはかつてARROWS NXに搭載されていた「NX!エコ」の進化形と呼べるようなもので、NX!エコでは機能ごとに制限する・しないを手動で選ぶこともできたが、バッテリーセーバーでは機能のオンとオフの切り替えのみが可能。あるいはバッテリー残量が5%や15%以下になった際にオンにする、といった設定しかできないシンプルな内容になっている。

バッテリーセーバーの設定画面

その分、より効果的にバッテリーを節約できる仕組みになっているようで、オンにすると画面の輝度をぐっと下げたうえで、処理能力を抑え、画面切り替えの際やアイコン・ボタンをタップした時のアニメーションなども大幅に省略される。たしかに、バッテリーがある限りはできるだけ普段と同じパフォーマンスで使い続けたいし、いざ「ヤバい!」と思った時は徹底的に消費電力を抑えたいもの。常時パフォーマンスを微妙に下げながら使うよりは、不満に感じることも少なそうだ。

オンにするとステータスバーやナビゲーションバーの色がオレンジに
設定できる内容はシンプルだ

通信機能がパワーアップした!

通信やデータの送受信に関わる機能もパワーアップしている。前モデルから変わらず下り最大225MbpsのPREMIUM 4Gに対応し、十分に高速なモバイルネットワークを利用できるが、F-02Hでは、宅内無線LANを一段と高速・安定化させる新手法「MU-MIMO」(マルチユーザーMIMO)も利用できるようになった。

MU-MIMOは、F-02Hがサポートしている高速無線LANの規格IEEE 802.11acに含まれる技術の1つ。従来のWi-Fi MIMOは、無線LANルーターとスマートフォンそれぞれが複数のアンテナをもち、それらを束ねて通信することで高速化を図っていた。

一方、今回のMU-MIMOは、実はユーザー1人(端末1台)当たりの通信速度の上限はWi-Fi MIMOの時と 変わらない。しかし家族や友人らもスマートフォンなどで同時に通信する場合に、待たされることなく ムーズに通信できる仕組みとなっている。利用するには別途MU-MIMO対応の無線LANルーターが必要になってしまうが、家族全員がそれぞれ自分の端末を持っているような家庭だったり、友人らを招いてホームパーティをよく開く人なら、MU-MIMOによる通信の安定性や高速さの恩恵にあずかれるはずだ。

当然ながら、Wi-Fiとモバイルネットワークの通信を組み合わせて高速化したり、通信を安定させるマルチコネクションにも対応している。arrowsは、ネットワーク関連機能の充実度合いもピカイチなのである。

通信の安定化や高速化を図るマルチコネクションも引き続き搭載

ハイスペックに磨きをかけ、プリインアプリもアップデート

というわけで、ボディ、ディスプレイ、バッテリー、通信というスマートフォンにとっての4大要素を余すところなく進化させたのがarrows NX F-02Hということになる。これら以外にも、F-04Gから引き続き搭載している虹彩認証機能「Iris Passport」は健在だし、チップセットは1.8GHzデュアルコア+1.4GHzクアッドコアのヘキサコア構成で、ハイスペックさも申し分なし。

瞳の中にある虹彩で認証を行うIris Passport。ロック解除やパスワード自動入力に使える
「スライドイン」では左右方向に寄せる機能も追加された

ソフトウェア面では片手のタッチ操作を補助する「スライドイン」機能がバージョンアップして、下方向に画面全体をスライドできるのに加えて、左右に寄せることまでできるようになった。最初はF-04Gからさほど変わり映えしないように思えたF-02Hだけれど、挙げてみるとこんなにも違っていて、ますますパワフルで完成度の高い端末に仕上がっていることが分かる。F-04Gより少しばかり大きくなっているのは、ダテじゃないのだ。

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