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Google Daydreamの魅力は? 専用VRゴーグル「Daydream View」をレビュー

Google Daydreamとは?

「Daydream」とは、GoogleのモバイルVRプラットフォームだ。対応するスマートフォンとVRゴーグルを用意すれば、Daydream対応の様々なVRアプリを利用できる。

昨年末に日本でもDaydreamを使うための専用VRゴーグル「Google Daydream View」が発売され、利用できるようになった。徐々に日本語対応コンテンツも増えきているようだ。

安価な段ボールタイプなどのゴーグルよりも断然リッチなVR体験が味わえる「Google Daydream」

スマホを使うVRゴーグルとしては、「Gear VR」や、「HTC LINK」が国内で先行しているが、どちらも特定のスマートフォンのオプションという位置付けで、対応機種が限定的だ。両者に比べると対応機種が多くなる見込みのGoogle Daydream Viewが、ここから一気に追い上げる可能性は十分にある。

たとえば、対応機種のひとつで1月25日に発売された「LG V30+」のドコモ版では、購入者にGoogle Daydream Viewをプレゼントするキャンペーンも実施中(なくなり次第終了予定)。

そこで、これから増えるであろう新たなユーザーに向けて、改めてDaydreamおよびGoogle Daydream Viewの魅力を紹介したい。

Google Daydreamを楽しむのに必要なものは?

DaydreamはGoogleが提供するスマートフォン向けVRプラットフォームであり、事実上、Androidで動作する標準のVRプラットフォームとも言える。専用VRゴーグルの「Daydream View」と対応するAndroidスマートフォンがあれば楽しむことができる(コントローラーはゴーグルに同梱)。

Google Daydream Viewは、Googleストアで1万2000円で発売中。ゴーグルと充電式のモーションコントローラーがセットになっている。国内モデルはカラーがチャコールのみだ

ただし、Daydream ViewはAndroidならどのスマホでも使えるわけではなく、対応機種の条件はかなり厳しく規定されている。

Daydream対応(Daydream Ready)のお墨付きが与えられるのは、VRコンテンツを楽しむのに十分な性能を持ったスマートフォンだけ。1月末現在、国内で購入できるモデルでは、前述のLG製「LG V30+」のほか、サムスン製「Galaxy S8 / S8+」と「Galaxy Note 8」、ASUS製「ZenFone AR」、モトローラ「Moto Z」などが対応機種となっている(2018年1月現在)。

スマホ不要の一体型ゴーグルも登場予定

Daydreamプラットフォームに対応のデバイスとしては、スマホとあわせて使用するVRゴーグルのGoogle Daydream Viewのほか、Lenovoからスタンドアローン型のVRヘッドセット「Mirage Solo」も発表されている。スマホ不要でVRコンテンツが楽しめるこのヘッドセットでは、前面に搭載された2基のカメラでトラッキングを行うことで、ユーザーの向きだけでなく位置やポジションも認識可能。つまり外部センサーなしにVR空間を動くことができ、Daydreamプラットフォームをさらに拡張するデバイスとしても、注目されている。
Mirage Soloの発売は2018年の第2四半期で、価格は400ドル以下を予定。Google Daydream View同様、モーションコントローラーがセットになっている

「Google Daydream View」のセットアップ

Google Daydream Viewのセットアップは簡単で、前述のスマホをレンズ前面に挟み込むようにセットするだけ。するとGoogle Playから専用の「Daydream」アプリをインストールするように指示されるので、一旦スマホを取り外してインストール後、アプリの手順にしたがって、モーションコントローラーとのペアリングを行えば準備が完了する。

再びスマホをセットするよう促す画面に従い、セットしてGoogle Daydream Viewを装着すればすれば、ホーム画面またはチュートリアル画面が示される。あとは個々のアプリを起動してコンテンツを楽しむだけだ。

「Daydream」アプリを起動し、「ヘッドセットをお持ちの場合」をタップして、あとは手順に従って進んで行くだけ。指示通り、ヘッドセットのストラップを調節し、モーションコントローラーをペアリングする。準備ができたら「VRを開始する」または画面右下のアイコンをタップ
この画面が表示されたらスマホをGoogle Daydream Viewにセットする。
ゴム製の留め具をフックからはずし、スマホの画面をレンズ側にして挟み込むようにセットする。6.2型と大画面の「Galaxy S8+」も問題なくセットできた
顔に当たる部分には、柔らかだがしっかり弾力のあるクッション素材が用いられていて、装着時に光が入りんくいように工夫されている。他のVRゴーグルに比べると幅が細めなので、メガネを着用したままの装着は難しそうだ
コントローラーの先端にはタッチパッドを兼ねたメインボタン、真ん中には「-」と書かれた凸状の戻るボタン、一番下には「○」と書かれたホームボタン、右サイドには音量ボタンがある
コントローラーはUSB type-Cの充電式。背面にはストラップホールもあり、ストラップが取り付けできるようになっている
画面はこのように2画面化され、視差を利用して立体的に見えるしくみ。ピント調節などは特に不要で、自動的に焦点があうようになっている

どんなアプリが使える?

Daydream対応アプリはホーム画面の「Google Play」やDaydreamアプリの画面からも閲覧&インストールができる。

「YouTube」や「Googleストリートビュー」などおなじみのGoogleアプリが、VRでも手軽に利用できるのはDaydreamならでは。

アプリについては、通常のAndroidアプリと共通になっているものと、Daydream専用のアプリが用意されているものがある。例えば、「Googleストリートビュー」は通常のアプリにVR機能が内包されているが、YouTubeについては「YouTube VR」というDaydream専用のアプリがリリースされている

特にアプリ「YouTube VR」では、YouTubeの一般的な動画から360度動画まで幅広く楽しむことができる。

Gear VRやHTC LINKでもYouTubeの360度動画は視聴可能だが、検索機能まで含めてYouTubeをフルに楽しめるのは、Daydreamの大きな魅力だ。YouTubeの360度動画は「Cardboard」のような簡易VRビューアでも閲覧できるが、Google Daydream Viewで見るそれはまったくの別モノ。映像に奥行きがあり立体的で、かなりの没入感が得られる。対応機種をハイエンドのスマホだけに厳選しているだけあり、高画質かつ遅延もほぼなく、快適な視聴が可能だ。

Daydreamで利用可能なアプリはこのほかにも、「360Channel」のような動画配信プラットフォームから、オンライン対戦が可能な釣りゲーム「釣りスタ」まで、日本語に完全対応しているものも含め、ゲームを中心にバラエティに富んだラインナップが揃う。Daydreamアプリから入手可能なアプリをざっと数えたところ、320タイトル以上確認できた。

Daydreamの公式サイトでも数多くの対応タイトルが紹介されている

数はまだそれほど多いとは言えないが、Gear VRやHTC LINKでも配信されているコンテンツ以外に、前述のYouTubeやGoogleストリートビュー、Googleがデジタルデータ化した世界の名画を間近で、拡大・縮小しながら鑑賞できる「Google Arts & Culture VR」など、オリジナルアプリが充実している点はやはり大きな魅力だ。

DaydreamはChromecastへのキャスト(出力)にも対応。自分が見ているVRの世界を、簡単に周囲の人と共有できる機能も備えている

また残念ながら手持ちのGalaxy S8+では再現できなかったが、日本未発売の対応端末「Google Pixel」では、Chromeブラウザを起動中に端末をGoogle Daydream Viewを装着すると、VR空間にブラウザ画面が表示されWebの閲覧ができることが確認されている。

この機能はまだベータ版とのことだが、ChromeはWeb上でVRコンテンツを簡単に配信できる、WebVRに対応している。今後さらに多くのVRコンテンツがDaydreamで楽しめるようになるはず。その期待も含めて、Google Daydreamは要注目のプラットフォームと言える。

太田百合子

レビューする商品がついつい欲しくなってしまい、ちっともお金が貯まらない物欲デジモノライター。

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