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ハイエンドVRヘッドセットを100ドルでDIYできるオープンソースプロジェクト「Relativ」が公開

PC接続とモーショントラッキング、2Kディスプレイなどを備えたハイエンドなVRヘッドセットを約100ドル程度で自作するためのオープンソースプロジェクト「Relativ」が公開中です。フランス在住の学生らが開発しています。

かかる費用としては、プロセッサーとして「Arduino Due」(34ドル、中国製クローンなら10ドル)、6軸モーションセンサーの「GY-521 MPU-6050」(1ドル)、5.5インチ2560x1440液晶(40ドル〜)、フレネルレンズ(3ドル)など。加えてゴーグルの外装を3Dプリントする必要があります(3Dデータはgithubからダウンロード可能)。

ヘッドセット本体のソフトウェアとしてArduino用のプログラムがダウンロード可能。さらに、Relativヘッドセット用のアプリを簡単に作れるUnity用SDK「FastVR」、およびArduino+モーションセンサーのデータをUnityと高速でやりとりできるSDK「WRMHL」も用意され、Unityを使ってすぐにVRコンテンツを作り始めることが可能です。

開発チームはフランス在住の学生、Maxime Coutté、Jonas Ceccon、Gabriel Combe、そして彼らの数学の教師であるJerome Dieudonneの4名。Couttéはソードアートオンラインを観てVRに興味を持ちましたが、市販のVRヘッドセットが高価すぎたため、自身で安価なコンポーネントを買い集め、友人たちとともにソフトウェアを書き、最終的に100ドルでPC接続のヘッドセットを製作できたとのことです。

当初は起業しKickstarterでローンチも考えたそうですが、スタートアップ支援団体のOussama Ammarや、Oculusのチーフアーキテクト、Atman Brinstockらのアドバイスを受け、オープンソースプロジェクトとしてリリースすることを決めたとのこと。

現在はPC接続が必要ないスタンドアローンタイプのVRヘッドセットも開発中で、近くリリース予定とのことです。

VRコンテンツ制作に興味がある全ての人にとって、開発や学習の障壁を大幅に下げてくれる、素晴らしいプロジェクトかと思います。

桑野雄