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待望ッ! HoloLensを用いたアトラクション「蚊取りパッチン大作戦」をナンジャタウンで体験

ナムコとバンダイナムコスタジオは6日、ナムコが運営する池袋のテーマパーク「ナンジャタウン」でMRアトラクションを提供する「ナンジャタウン×MRプロジェクト」を発表しました。第一弾としてリアル・パックマン・アトラクション『PAC IN TOWN(パック イン タウン)』がすでに稼働中なほか、2月10日(土)からは『一網打尽!蚊取りパッチン大作戦』が稼働開始します。

『一網打尽!蚊取りパッチン大作戦』
『PAC IN TOWN(パック イン タウン)』

いずれのアトラクションも、MicrosoftのMRゴーグル「HoloLens」を用います。国内のテーマパークがHoloLensを用いたアトラクションを提供するのは初めてとのことです。

今回は『一網打尽!蚊取りパッチン大作戦』を実際に体験することができました。

MicrosoftのMRゴーグル「HoloLens」を採用

衝撃波で蚊を一掃せよ!

『一網打尽!蚊取りパッチン大作戦』は、もともとナンジャタウンの開業初年から稼働している人気アトラクション『爆裂!蚊取り大作戦』をMR対応で大きくグレードアップしたもの。現実の風景に出現する蚊の大群を、両の手を打ち鳴らすことで生じる衝撃波で蹴散らします。

プレーヤーはHoloLens、リストバンド型デバイス、そして「巨大な手のひら」を身につけて挑みます。後方に見えるのがライドです
リストバンドはジャイロセンサーと加速度センサーを内蔵し、「両手のひらを打ち鳴らす」動作を検知

ライドに乗り、大量に迫り来る蚊をひたすら手パッチンの衝撃波で殲滅するのは独特の爽快感があります。これは何か既視感が……と思いましたが、たぶん「素晴らしきヒィッツカラルド」ですね(あっちは指パッチン衝撃波ですが。知らない人は「ジャイアントロボ THE ANIMATION」を観ましょう)。

驚いたのはオペレーションのスムーズさ&簡潔さ。アトラクションの流れとしては

・HoloLensを身につける
・ナンジャタウン内を少し歩きながら操作のチュートリアル
・ライドに乗るとゲームスタート

という感じなのですが、プレーヤー側で特別な操作をしないのはもちろん、アトラクションのナビゲーターさんすらも特に機器を操作することなく、「移動するだけ」でゲームはシームレスに進んで行きます。

MRの楽しさを味わうまたとない機会に

もともとバンダイナムコスタジオは、HoloLens登場後すぐにその活用に関する研究をスタート。昨年オーストリアで行われたテクノロジーイベント「アルス・エレクトロニカ 2017」ではHoloLensを用いたMRパックマンの展示を行いました。折しもナムコも、昨年から社内にMRのワークショップを設け、アトラクションへの応用を模索。MRならば現実の風景がそのまま見えるので、ナンジャタウンの町並みを活かしたアトラクションが実現できる、という狙いがありました。そうしたそれぞれの動きが、今回の取り組みにつながったとのこと。

『PAC IN TOWN』は「アルス・エレクトロニカ 2017」の内容をブラッシュアップしたものです。もう一つの新作アトラクションとして「蚊取り」が選ばれた理由としては、MRを使うことで既存のライドアトラクションでも違った体験の可能性があることや、周囲を覆われたアトラクション環境なのでMRに対応させやすいのではないか、という狙いがあったとのこと。

ただ、実のところ「蚊取り」はけしてHoloLensに最適な環境ではなかったようで、HoloLensの標準機能以外にも拡張を施しているとのこと。前述したアトラクションの流れのスムーズさはやはりこだわったポイントで、念入りに調整を施したとのことです。

MRはあくまで現地での調整が必要となるため、デバッグの苦労も大きそうですが、その甲斐あって、普通の人が戸惑うことなくMRという新しいデバイスを楽しめるようになっていると感じました。

何よりも、これまで一般の人が触れる機会が限られていたHoloLensを、ナンジャタウンを訪れさえすれば体験できるのは素晴らしいこと。まだHoloLensを被ったことがない方は、ぜひこの機会にMRの可能性に触れていただきたいところです。

ちなみに『PAC IN TOWN(パック イン タウン)』は2月28日まで、『一網打尽!蚊取りパッチン大作戦』は3月31日までの期間限定アトラクションとなっているのでご注意。詳細は公式サイトをチェックしてみてください。

桑野雄