アンジェリーナ・ジョリーを一躍有名にしたのが、『17歳のカルテ』での迫真の演技だろう。反社会性人格障害の少女という難しい役どころを完璧なまでに演じ、見事アカデミー賞助演女優賞を獲得したことは記憶に新しい。そんな彼女に、会見ではまず作品選びについての質問が飛び出した。演技派としての評価が高まった後にアクション大作への出演を選んだ理由について、ジョリーはこう語りはじめた。
「オスカーを受賞したら、オスカー女優になったんだからこれから選ぶ作品は慎重にとか、相応しいものをという声もありました。でも、私はそれほど作品選びを重要なものとは考えていません。オスカーをもらっても、自分の好きなこと、自分のやりたいものを選ぶということを変えたくありませんでした。賞を獲ったことで自分を変えたくなかったので。この作品は私にとって新しい分野に挑戦するものでした。前にやったことのない作品だから引き受けたのです」。

  世界的人気を誇るゲームのキャラクターを演じるということで、気を配ったことはあったのだろうか。
「このゲームはファンが沢山いるわけですから、そのファンがちゃんと受け入れてくれるような役柄にしたいと思いました。そして、あまり期待にそぐわないような変化をつけず、すべてのララ・クロフトの特徴はちゃんと残すことに注意を払いました。また、ゲームファンが知らない事に関してもリアルに描いてゆこうとも心がけましたね。ゲームでの彼女のルックスとか、ちょっとした癖といったものはきちんと生かしてファンの期待に応えるようにしたつもりです」。

  高い演技力、役への真摯な取り組みに評価が集まるジョリーだが、彼女の活躍は、実は、スクリーンの中だけに留まらない。国連の親善大使として難民救済活動にも参加している。
「この映画の撮影で1年間イギリスに滞在しました。ヨーロッパの世界のニュースとアメリカで見ているニュースとは随分違います。アメリカでは見えない世界が初めて見えてきた。その一つが難民の事だったんです。そこで国連に電話をして、難民の実態についてもっと学びたいと伝えました。私はそれまで、あれほど世界に難民がいるとは知らなかったんです。いろいろと学んだ後、活動にぜひ参加したい、旅行をしてもっと学びたいと国連に伝えました。そして7カ月かけて各地をまわり、難民たちがいかに素晴らしい人たちか、そしていかに強く生きているかをこの目で見たんです。すると自分が見たことを世界中の人々に知らせてゆきたいという気持ちに駆られ、もっと真剣に活動に取り組むようになりました。人類はいろいろな違いを持っているけれど、そこが素晴らしいんだということを学びました。この活動を通して自分の人生も変わったし、より良い人間になれたと思います。難民たちが新しい家を見つけてくれたら嬉しいし、それに関わることができるなんて光栄。彼らを受け入れてくれるホスト・カントリーが見つかるといいんですけれど」。


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