連載:ぼくらの自由研究室

Mac用の良さげなファイラーがなかったのでターミナル沼に入りました。

ブランク10年のMac再入門(3)

Windows→Mac移行時の最大の懸念は「ファイラー」

WindowsからMacに移行するにあたって、個人的に最大の懸念点であったのが「ファイラーどうすんの?」でした。

というのも、筆者はWindowsで10年以上愛用してきたファイラーがありました。それが「だいなファイラー」です。ストイックな見た目、テキスト&画像ビューア搭載、FTP対応、キーボードのみでフルオペレーション可能、それでいてマウスオペレーションもOK、キーボードショートカットはフルカスタマイズ可能などなど、「だいな」は本当に素晴らしいファイラーでした。あまりにも手に馴染みすぎて、Macに移行すると「だいな」が使えない!というのが本当につらかったわけです。

これが「だいなファイラー」です。竹本泉ファンしかわからないこのアイコンも、慣れるとなんとも味わいがあります

筆者が「だいな」のようなキーボードのみで操作できるファイラーを使いたい大きな理由は「マウスカーソルでファイル操作するのが怖いから」、もっと直接的にいえば「ドラッグ&ドロップ超怖いから」です。

多くの方はファイルをある場所から別の場所に移動したりコピーしたりするとき、ドラッグ&ドロップを用いるかと思いますが、その際に「うっかり違う場所でマウスボタンを離しちゃった」とか、「マウスがあらぬ方向にすっ飛んでファイルが変な場所に行っちゃった」という経験があるはずです。「Ctrl+Z」で取り消しが効くならまだしも、取り消しをサポートしないネットワークドライブ上で間違ってファイルの上書きなんてした日には取り返しのつかないことになりがちです。

「マウス操作は信用できない、キーボード操作ならミスが少ない」と個人的には考えています。

「だいな」の代わりを探す

そんなわけでMacに移行後、なんとか「だいな」の代わりになるようなファイラーを探し求めました。条件はもちろん「キーボードで操作可能」です。

「だいな」のようなコマンダー型(横に2画面並んでいるアレ)のファイラーというのは一定の支持層がいるようで、App Storeで検索してもそこそこの数がヒットしますが、結論から言うと、試した範囲では「だいな」の使い勝手に近いものは存在しませんでした。

あるものはキーボードのカスタマイズが自由ではなく、またあるものは動作速度に難ありといった感じで、なかなか満足がいきません。「だいな」を10年以上も毎日使ってきたので、どうしても見る目が厳しくならざるを得ないというのもあります。

また、色々試している中でどのアプリにも共通して感じたのは「SMBのネットワークドライブに接続した際の遅さ」です。これはどうもmacOSの仕様で、デフォルトでSMBのパケット署名がオンになっていることが原因の模様。ターミナルにコマンドを打ち込むとパケット署名を無効にできるようですが、やはりWindowsに比べるともっさりしますし、署名を無効にしてもOSアップデートなどの際に再度有効になってしまうとのことで、面倒な感じです。

そんなこんなで「Macでファイルを扱う際の微妙なストレス」をずっと抱えていたのですが、あるとき思いました。「ターミナル使えばいいんじゃね?」

ターミナルにしてみたらスッキリ

「ターミナル」は、macOS標準のコマンドラインインターフェースです。つまり、「キーボードだけで操作できる」わけです。変にグラフィカルなファイラーを使うより、いっそCUIでいっちゃえば楽なのでは?という判断です。しかもOS標準なので、いちいちアプリを導入する必要がありません。コマンドも、Unixのものがそのまま使えるので、一度憶えてしまえば潰しが利きます。

慣れない人にはとっつきにくい「黒画面」

で、実際どうだったかというと、最初からこうしとけばよかったのでは、と思うほどに快適になりました。これまでの人生であまり積極的にコマンドラインを使ってこなかったので、最初こそやや戸惑いましたが、慣れれば手数も減り、非常に楽です。

ターミナルを使ってみて良かったところ

せっかくなので、ターミナルを使い始めてよかったことを挙げてみます。生粋のコマンドライナー(?)諸氏におかれましては「そんなの当たり前だろ!!」と思われるかもしれませんが……。

  • 繰り返しの操作が楽。例えばあるファイルをネットワークドライブにコピーしたけど、その後すぐに元のファイルを修正したという場合、ターミナル「↑」キーを入力して直前のコピーをやり直せばすぐにまたファイルをコピーし直せる
  • よく使う操作(あるフォルダをネットワークドライブと同期するなど)はスニペットとして保存しとけば再利用できて楽
  • 「Ctrl+r」でコマンドの履歴をたどれるのが神
  • ネットワークドライブのマウントが楽。Finderだと「移動」→「サーバーへ接続」→サーバーアドレスを入力もしくは「よく使うサーバー」を選択→IDとパスワードを入力、とかなり面倒だが、ターミナルなら「mount -t smbfs //[ID]:[PASS]@[サーバーアドレス] [マウント先]」とするだけ。ctrl+rでコマンド履歴辿ればさらに楽。マウント解除も「umount *」のようにすれば一括で可能なので、「マウントしたドライブのアイコンを一個一個ゴミ箱に入れる」という鬼の所業をしなくて済む。
  • SMBへのアクセスも、コマンド打てば一発で目当てのフォルダへアクセスできるので、フォルダ階層をいちいちリスト化しその度に止まるFinderに比べてストレスを大幅に軽減。
  • ファイルをアプリで開く際は「open -a Preview 01.jpg」などとすればすぐ開ける。テキストエディターの「Atom」でディレクトリをプロジェクトとして開く際も便利。
  • ネットワークドライブへのファイルコピーは「rsync」コマンドを利用。「-z」オプションをつければ転送時に圧縮かかるのもいい感じ。
  • 今どのネットワークドライブマウントしてたっけ?という時は「df」入れるだけでわかるので便利。
  • ちょっとしたテキストファイルをエディターで開くの面倒くせえーという時は「cat」か「vi」を使うと手っ取り早くて良い。

さよならファイラー、こんにちはターミナル

そんなわけで、今はファイルの操作は基本的にターミナルで行っています。

最近では「いつでもどこでもターミナル使いてえ!」となってきて、いちいちターミナルのウィンドウに切り替えるのも億劫になってきました。

そこでとりあえず、メニューバーからTerminalを起動できる「TermBar」というアプリを購入してみました。なかなか便利です。

メニューバーのアイコンをクリックするだけでターミナルが使える「TermBar」

ちなみに現在は、「Spotlightからコマンドが実行できたら便利では?」と考え、情報を収集中です。ターミナル沼、なかなか楽しげなので、オススメいたします。

山うら