ぼくらの自由研究室

“税”が付いてもみんな大好き! 「ふるさと納税」のイベントに行ってきた

支給額計 □□□,□□□円
控除合計 □□,□□□円
差引支給額 □□□,□□□円
振込額計 □□□,□□□円

毎月の給与明細に書かれるこの数字。ぼくの場合は見たところでなんの喜びがないうえ、明日への活力が奪われるのを避けるため、毎月いちいちチェックしていませんが……。

なかには桁が違ううらやましい読者の方もいるかと思いますが、みなさんの毎月の控除金額はどれくらいですか? 所得税と住民税をはじめ、健康保険、介護保険(40歳以上)、厚生年金、雇用保険あたりが、基本的なサラリーマンの給与所得控除ではないでしょうか。税金や社会保険でけっこうな金額が毎月天引きされているわけです。

さらにマイカーを所有していれば、毎年5月に自動車税・軽自動車税の納付書が送られてきますし、家やマンションを所有していれば、同じころに固定資産税の納付書も送られてきます。そして、日々の買い物では消費税を払いますし、財産を相続しても与えても税金がかかります。

NO MORE 税金!

また、お酒が好きな人ならば酒税を、喫煙者ならばたばこ税を、ゴルフが趣味ならばゴルフ場利用税を、温泉に入浴するときには入湯税を間接税として払っているわけです。このへんの嗜好や趣味の範囲は人それぞれですが、まあ、右も左も上も下も前も後ろも税金だらけのなかで暮らしているのです。ちなみに、先日はSNSでは「独身税」の話題で怒り心頭な人が続出していました。

「ふるさと納税」から高額な返礼品がなくなるかも!?

そんな誰もが大嫌いな「税」のなかで、ひと際盛り上がっているのが「ふるさと納税」。好きな地域に何回でも寄付ができ、税金が還付または控除され、実質2,000円で各自治体の特産品や名産品が返礼品としてもらえるおトクさ、そして使い道を指定できることが人気の要因です。「ふるさと納税」の詳細はこちら。

ふるさと納税に係る控除額等の推移(総務省のHPより

2008年には72億円だった寄付金が、2015年には1,471億円、2016年には2,540億円まで増加。家電やパソコン、宝飾品などの高額な返礼品が登場したおかげで急増しています。そんな盛り上がりを見せるなか、4月には総務省が資産性の高いものや商品券、調達コストの割合が3割以上となる返礼品の自粛を通達。あくまで「自粛」であり「強制」ではないものの、三重県の志摩市や鳥羽市が真珠の返礼品を取りやめたように、返礼品を見直す自治体が増えています。通達にはいろいろな事情があるとは思いますが、「ふるさと納税」返礼品の転売ヤーはダメ、絶対!

とはいえ、まだまだ盛り上がっている「ふるさと納税」。以前に返礼品でペット用品を調べたり、日ごろは手が出ない高級食材を探したり、いずれやりたいと思っていました。そんなタイミングで「第3回 ふるさとチョイス ふるさと納税大感謝祭」が9月1日・2日に東京ビッグサイトで開催されたので行ってきました。

大盛況だった「第3回 ふるさとチョイス ふるさと納税大感謝祭」

全国から100以上の自治体が出展し、参加費無料(事前登録制)で全国各地の名産品の試食や試飲、購入ができることもあり、会場は大盛り上がり。各ブースで一番人気やオススメの返礼品などを聞くのも、来場者にゆっくり話を聞くのも困難なほど、お目当ての試食などを求めて、あちこちのブースで長蛇の列ができていました。そして、各地であっという間に試食が終了していきます。

東京ビッグサイト東5ホールで開催された「第3回 ふるさとチョイス ふるさと納税大感謝祭」
よくわからないゆるキャラたちも大集合
2日間の来場者数は1万1,000人以上
各ブースで長蛇の列が

初日のみの印象ですが、来場者は夫婦や家族連れの方が圧倒的に多かったです。やっぱり家族が多いほど、税金を少しでもおトクにしたいと考えるようですね。自治体側もたくさんの名産品や特産品をアピールしていました。そして、当日はスマホからの納税が推奨されていましたが、スマホ操作がわからない人に向けて専用カウンターが設けられており、専任担当者とともに寄付をする姿もちらほら見られました。

寄付受付カウンター
VRシアター。ほかにもステージでの伝統芸能披露や、ふるさと工芸品ワークショップなどの企画も多数開催されていました
返礼品の試食は大人気。みんな肉大好き! 銀髪さんにも食べさせてあげたい
返礼品の工芸品なども多数展示。こちらは埼玉県・鶴ヶ島市の鉄道模型
全国2位の長野県・伊那市は寄付件数は少ないのに、寄付金額は72億!
ビールや日本酒、焼酎にワインなどがたっぷり試飲できます

また、実際に来場者にもイベントに来た目的やふるさと納税の経験などを聞いてみました。30名程度でしたが、納税経験がある人は半数くらい。とくに年配の人が、実際の故郷やお気に入りの旅行先に寄付している傾向でした。残りの半数は、寄付をしてみたい・興味があるという感じでした。なかには「少額でもすべての自治体に寄付するのが目標」というツワモノも。

【ふるさと納税に関するコメント例】
・田舎に寄付している
・好きな旅行先に寄付している
・おいしそうな返礼品を探すのも楽しみのひとつ
・返礼品がおトクなうちに寄付したい
・いろいろなものが試食できるから
などなど

「ふるさと納税」ランキング全国1位の宮崎県・都城市は、会場で1万円以上の寄付をした人に牛ヒレ肉100g相当の試食を提供。隣でおじさんが「うまいぞ~」を連呼していました
北海道・栗山町のメロンの試食
なんだかんだでそれなりに試食しました。こちらは鹿児島県・志布志市の鰻
宮崎県・小林市のぶどう
茨城県・小美玉市のサンゴク豚
山口県・山口市の地ビールのヴァイツェン

イベントを開催した「ふるさとチョイス」をはじめ、ふるさと納税のポータルサイトはいろいろありますが、実際に返礼品を間近で見たり、試食したり、地元の方の話を聞けたりすると、パソコンで検索するよりも「欲しい度」がグンと高まると思います。次回は「大阪コングレコンベンションセンター」で10月14日(土)・15日(日)で開催される予定なので、気になる人は足を運んでみてください。つい先日、野田総務相が「自治体にお任せするのが当然」とも語っているので、まだまだ魅力的でおトクな返礼品が期待できそうです。

イベントで各自治体に聞いた人気やオススメの返礼品に関しては、後日まとめた形でお届けしようと思います。

清水英行