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日銀、公定歩合0.35%に引下げ~事実上ロンバートレートに衣替え

  日銀は9日の政策委員会・金融政策決定会合で、公定歩合を現行の年0.5%から0.15%引き下げ、年0.35%にすることを決めたと発表した。週明けの13日に実施する。日銀は同時に、欧州で定着しているロンバートレート型の貸し出し(公定歩合を適用)を3月に創設するなど年度末に向けた流動性供給の改善策も決めた。

  ロンバートレートは、無担保コール金利より高くなるが、担保があれば中央銀行が銀行や証券会社などからの借入申込みに自動的に応じる仕組み。中央銀行が市中金融機関に貸し出す金利の事実上の「上限」ともなるもので、市場金利全体の安定効果が期待できる。

  日銀は、創設するロンバート型貸し出しの金利に公定歩合を適用、貸し付け期間は翌日(オーバーナイト)までだが、一定日数の延長を認める。これにより、公定歩合は事実上、ロンバートレートに衣替えすることにもなる。

  流動性供給の改善では、短期国債買い切りオペの積極活用なども実施する。一方、現行年0.25%となっている無担保コール翌日物の誘導目標は据え置く。公定歩合の引き下げは、1995年9月8日以来5年5カ月ぶり。日銀は一連の政策により、回復テンポの停滞感が際立ってきた景気の下支えを図る。

■URL
・日銀の声明文・ロンバート型貸し出しの骨子
http://www.boj.or.jp/seisaku/01/pb/k010209b_f.htm
・公定歩合の“意味”が変わる?~市場の観測に日銀は音無しの構え
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/02/doc1877.htm
・唐突な日銀総裁指示の波紋~「資金供給策拡充」に憶測広がる
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/22/doc1732.htm

(池原照雄)
2001/02/09 19:20