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「日本の政治を読む」~自民はもう大都市では勝てない?

  【今週の主な政治日程】

  ▼19日(木) 経済対策閣僚会議、財政首脳会議合同会議
           森首相がアジア欧州会議(ソウル)に出席(21日まで)
  ▼22日(日) 衆院東京21区、参院滋賀選挙区両補選投開票

  【今週の焦点】
  ●地方中核都市でも「政党離れ」
  15日投開票が行われた長野県知事選で無所属の新人で作家の田中康夫氏が勝ったことは、先の衆院選で示された「政党離れ」の流れの傾向が大都市だけでなく、地方の中核都市にも確実に起こっていることを意味する。

  同知事選の結果、22日に投開票される衆院東京21区補選でも自民、民主両党など大政党をバックにした候補ではなく、HIV訴訟で有名な無所属候補者が当選する可能性が一層高まった。

  同補選でこの無所属候補が事前の予想通り当選するようなら、今後、自民党が都市部で勝つことは非常に難しくなるとの見方が強まっている。このことは来年夏の参院選での自民党敗北にとどまらず、現在の連立政権の崩壊や政界再編へとつながる可能性も秘めている。

  【先週のポイント】
  ●国会空転の元凶は青木幹事長
  国会は、参院比例代表選に非拘束名簿式を導入する公選法改正案をめぐる与野党の対立が解けないまま、与党だけによる審議強行という不正常な状態が続いている。正論でいえば、もちろん審議に出て来ない野党も悪いのだが、少数政党(野党)の意見を全く無視している与党、特に自民党の責任は大きい。

  問題が選挙制度に関わる事柄だけに、たとえ少数党であろうと極力意見を尊重しなければならないのは民主主義の基本。これに反し、強硬方針を指揮しているのが、自民党の青木参院幹事長。竹下元首相という後ろ楯を失った青木氏が、来夏の参院選での自民敗北をひたすら恐れ、また自らの権威を守るため、国会運営で野党側にことさら強く出ているとの見方は自民党内にすら存在する。

  今国会には公選法改正案以外にも補正予算案をはじめ重要法案が目白押しで、参院での無用な対立が国会全体をおかしくしているのは紛れもない事実だ。

  ●近い将来は分裂必至か―民主党
  民主党の鳩山由紀夫代表が15日、テレビ朝日の番組で憲法9条改正問題について「当然見直さなければいけない」との考えを改めて強調。さらに「今の環境の中で集団的自衛権を一切認めないという発想だと、国際的貢献が十分行えない」と、憲法に集団的自衛権の行使を明記すべきだと強調し、党内で波紋を呼んでいる。

  社民党出身議員や先の党役員人事に不満を持つ羽田特別代表に近いグループが鳩山氏の発言を問題視。菅直人幹事長も鳩山氏にこの問題で同調するのは難しく、近い将来、同党は憲法問題をめぐって分裂する可能性が高い。

  ●動き出した年末人事
  今臨時国会閉幕直後の12月10日ごろと予想される内閣改造・自民党役員人事が動き出した。焦点の幹事長は、野中氏の更迭が既成事実のように再三報じられている。後任には同じ橋本派の村岡兼造氏の起用が取りざたされているが、参院選を控え、同氏の力不足を指摘する声は根強い。このため。亀井静香政調会長の横滑りや、振り出しに戻って、野中氏の続投に落ち着く可能性も否定できない。

  一方、加藤紘一元幹事長の財政相(蔵相を改名)起用については、加藤派内でも「今の政権とは政策が違う。信念を曲げてまで入閣するのはマイナス」(若手)など、ベテランと若手とで大きく意見が異なっている。

  ところで13日夜、加藤氏が倒れたとの情報が流れ、関係者が一瞬冷やっとする場面があった。もろん間違いだったが、小渕前首相の時と同様、共産党系の看護婦が情報源との尾ひれまでついた。こういうガセ情報が流れるのは、加藤氏が「ポスト森」の有力候補になった証拠ともいえそうだ。

  [政治アナリスト] 北 光一


2000/10/16 09:39
3/30(金)
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