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2010年9月1日

激安なれどかなりの高音質、
D/Aコンバーター搭載ヘッドフォンアンプ
「DN-USBDAC」をじっくり使ってみた

 

上海問屋がラインナップする豊富な周辺機器の中から、注目製品を紹介するこのコーナー。今回は、8月3日に発売されたD/Aコンバーター機能付きヘッドフォンアンプ「DN-USB DAC」を紹介しよう。

USB接続のサウンドユニットと
オーディオ用DACの機能が1台に

DN-USB DAC本体。大きさは幅10.5cm、奥行き11.1cm、厚さ3cmの手のひらサイズ。重さは約174gと軽く、持ち運びも楽だ

本製品を紹介するには、「D/Aコンバーター」(DAC)というジャンル名について紹介しておく必要があるだろう。これは、デジタル信号で記録された音声や映像の信号を、人間が認識できるアナログ信号に変換するための機器のこと。本機の場合はオーディオ、つまり音声を変換する役割がある。

実際の機能は、大きく分けると2つ。まず、USB接続の外付けサウンドユニットとしての機能。これはパソコンと接続することで使える。そしてもう1つが、オーディオ機器用のDACとしての機能。これは、デジタル出力端子(光タイプと同軸タイプのどちらでもOKだ)を持つCD/DVDプレーヤーや、ゲーム機などと組み合わせることで使える。なおこの場合、電源の供給は、付属するACアダプタを本機のUSB端子に接続することになる。

この製品の特徴のひとつは、この2通りの使い方ができる点。USB接続のサウンドユニットには本機より安価な製品もあるが、本機のようにオーディオ用のD/Aコンバーターとして使える機種は多くはない。

入力は、電源入力を兼ねるUSBポートと、光デジタル入力(角形)、同軸デジタル入力の3系統。複数の機器を接続した際に便利なように、3系統の入力を切り換えるスイッチも備えている。対する出力端子は、アナログのライン出力と、ヘッドホン出力だ。ヘッドホン出力用の音量調整ボリュームも装備している。

USBサウンドユニットとしての対応OSは、上海問屋公式ではWindows 7/Vista/XPとされている。64bit版への対応が気になる読者もおられるだろうが、今回筆者が64bit版Windows 7 Ultimateで試したところ、問題なく動作した。ドライバはOS標準搭載のUSBサウンドドライバを使うため、この点でのトラブルは少ないと思われる。

背面には3種類の入力端子と、入力切り換えスイッチがまとめられている。左から切り換えスイッチ、光デジタル入力、同軸デジタル入力、USB端子だ 正面にはアナログライン出力とヘッドホン出力、音量調整用ボリュームが備えられている。ボリュームは他のUSBサウンドユニットとは異なり、ソフトウェアと連動しないタイプだ付属のUSB ACアダプタ。これを使うことで、デジタルオーディオ機器との接続が可能になる。出力端子はUSB Aタイプなので、汎用性が高い。出力電流も1Aと、USBの規格(500mA)の倍だ

USBサウンドユニットとして使うには
若干の設定が必要になることも

Windows 7で使う際の設定画面。本文中で紹介したように、中央のリストから「SPDIF インターフェイス」をクリックし、続けて「規定値に設定」をクリックすればOKだ
本機のプロパティ画面で、取り扱い可能なデジタルデータの一覧を表示したところ。24bit/96000Hz(96kHz)のデータにも対応していることがわかる。一覧には表示されていないが、24bit/192kHzも対応している

さて、今回はUSBサウンドユニットとして評価してみたが、パソコンと接続して使う際に若干の設定が必要だった。使用するOSなどでも異なるが、単に接続しただけではWindowsから規定のデバイスとして設定されないため、音が出ないのだ。こうした手順は説明書などには記載されていないため、ひょっとすると戸惑うユーザーがいるかもしれない。ここでWindows 7での設定方法を紹介しておこう。

本機を接続してドライバのインストールが終了した後、通知領域のスピーカーアイコン(ボリューム調整用アイコン)を右クリックし、「再生デバイス」を選択する。すると「サウンド」画面が表示されるので、リストの「SPDIF インターフェイス」をクリックし、続いて「規定値に設定」をクリックすればよい。これで本機からの出力が有効になる。

実際の音質に関しては、低域がしっかりした厚みを持ちつつも、ドラムス系のアタックなども高速に再生してくれる。聞き慣れた音楽をもう一度じっくりと聞きたくなるという、いい意味でオーディオ的なキャラクターを持っている。本機の価格は3,999円(税込/送料別)と手頃なので、正直なところ「さすがにこの値段なので、音も相応だろう」と思っていたのだが、そうした先入観をまったく感じさせない実力があると感じた。筆者も音を出した途端、その質に驚いて聞き直してしまったほどである。

オーディオ用DAC機能を備えた製品としてみると、ライバル機種は実売1万円以上が相場なので、この価格は掛け値なくお買い得と言えそうだ。

また、デジタルオーディオ信号の入力規格は、24bit/192kHzの高音質仕様もサポートする。高音質な音楽配信サービスで使われる、24bit/96kHzの高音質なデータも再生が可能だ。ただし、デジタルオーディオ信号でも、ドルビーデジタルや「DTS」規格には対応しない。これらが使われているDVDなどの再生時には注意が必要だ。

総合的な評価としては、上述した設定が必要な問題や、入力切り換えスイッチにある「123」の番号の意味がわかりにくい(端子側に対応する番号が印刷されていないため。ただし、これはスイッチと端子の位置が連動しているため、直感的にわかる)という問題など、若干作りが粗い点もあるが、実際の音質とコストパフォーマンスはそれを差し引いても、十分魅力的だ。

パソコンで音楽を楽しんでいて、もっといい音で聞いてみたいというユーザーは、ぜひとも本機に注目してほしい。

■D/Aコンバーター搭載 ヘッドホンアンプ
DN-USB DAC 製品情報

http://www.donya.jp/item/18094.html

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