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2011年2月8日

コンパクトだけど高画質
超小型で低価格なメディアプレーヤー
「DN-MP8626L」で遊んでみた

 

上海問屋の取り扱う多数の製品の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。今回は、最近静かな流行を見せつつあるメディアプレーヤーを紹介したい。コンパクトで6,000円を切る低価格ながら、フルHDビデオファイルの再生にも対応する実力を備えた小さな巨人的なモデルである。

手のひらサイズのコンパクトな本体ながら
AVCHDファイルにも対応する高性能

読者には「メディアプレーヤー」という機器について聞いたことがない方もおられると思うので、まずは簡単に説明したい。これはメモリカードやHDD内のビデオや音楽などのファイルを再生するための機器だ。主にテレビやオーディオ機器に接続して使うのが一般的。

こうした機器の対応メディアは製品ごとに差があり、HDDを内蔵するタイプやLANに対応したタイプも存在している。本機は対応メディアをSDカードとUSBメモリ、HDD(USB接続)に絞り、幅79mm×奥行き108mm×厚さ25mmという手のひらサイズと、142gという気軽に持ち歩ける軽さを実現している。

なお、HDDはNTFSフォーマットに対応するのがポイントだ。一昔前の低価格機種ではNTFS非対応のモデルが多かったので、ここは嬉しい。

また、メディアプレーヤーの製品選びで重要なポイントとしては「再生可能なファイルの種類がどれだけあるか」という点があるが、本機の対応種類は幅広い。

主立ったところでは、ビデオはAVCHDをはじめ、H.264、AVI、MOV(QuickTime)、MPEG1、MPEG2、MPEG4と、最近で主要となっている形式をサポート。音楽でもAAC、MP3、WMA、WAV、RA(Real Audio)、OGG、FLACなど、主要な形式を幅広く網羅している。加えて画像(静止画)に関しても、JPG、BMP、PNG、GIF、TIFFなどに対応する。

これだけの種類に対応していれば、WindowsやMacで使うほとんどのファイルが再生できると言えるレベルだ。さらに、字幕(ただし日本語は非対応)や、マルチ音声の切り換えにも対応している。

テレビとの接続は、HDMI接続(ただしケーブルは別売り)と、本体のAV端子によるコンポジットビデオ出力の2種類をサポート。本体側の最大解像度は、もちろんフルHD(1920×1080ドット)となっている。

「DN-MP8626L」本体。全体的な大きさは(USB端子からおおよそのあたりが付くだろうが)手のひらサイズと、非常に小さい 外箱には、対応するファイル形式の一覧が表示されている。最新モデルだけあって幅広い形式に対応するのがポイントだ 本体と付属品一覧。ACアダプタ(右上)がコンパクトタイプなのが嬉しいところ。テレビ用出力ケーブル(中央上)はコンポジット端子に対応したタイプだ
本体正面には、SDカードスロットとリモコン用のIR(赤外線)窓、動作状態を示すLED、USB 2.0端子がある。なお、カードスロットの表示にはMMCカードやMS(メモリースティック)も記載されているが、上海問屋でのサポートはSDカードのみとなる 本体背面の端子類。こちらは電源(ACアダプタ)入力端子とHDMI端子、AV出力端子だけとシンプルだ 本体には一切のボタンがないため、全ての操作はこの付属リモコンで行なう。ボタンの数が比較的多いため、スムーズに操作するにはある程度の慣れが必要だろう

映像や音声の品質は意外なまでに高い

今回は本機を3日程度使ってみたが、実力は最近の上海問屋製品らしく、かなりのもの。とくに驚いたのは、コンポジットビデオ出力の品質が想定外に良かったことだ。

最近の低価格メディアプレーヤーは、HDMI接続を基本として想定しているものが多いため、HDMIでは画質がよいものの、アナログ方式のビデオ出力の品質はイマイチ……というものが多い。しかし本機は、コンポジット出力でも、メニューの細かい文字などもしっかりと読み取れるだけの解像度で表示してくれる。このあたりは、下手な1万円台の製品と比べてもよほどしっかりとしていると感じた。

そこで今回はあえて、筆者宅の20インチブラウン管テレビに接続した状態での画面を撮影してみた。テレビ画面を撮影している関係上、実際の画面で見る状態より画質は劣ってしまうため、実際はこれより綺麗だ。もちろん、HDMI接続であれば、非常にくっきりとした画面になることを改めて紹介しておく。

また、映像だけでなく、音声の品質もかなり好感が持てるもの。もちろん本格的な機種に比べると高音や低音の広がりなどは限られるが、とても6,000円割れのモデルとは思えないほどの実力だ。

ただし、残念ながら価格なり……という点もある。実際に使ってみて気になったのは、日本語(2バイト文字)に対応しないこと。

この点は上海問屋の公式製品紹介ページにも注意が記載されているが、メニュー画面は英語と中国語のみの対応となり(マニュアルも英語のみ)、ファイル選択時でも、ファイル名の日本語部分は□(四角)で置き換えられてしまう。ここは注意が必要だろう。ただし、一昔前の日本語非対応製品にあった、「日本語ファイル名では再生できない」といった症状は起こらないので、そこはありがたい。

ちなみに、ファイル選択はリモコンで操作するが、階層が深いフォルダではそれなりに操作が面倒だ。できれば、本機に移す前に、PCでフォルダを1~2階層程度に整理しておくのがよいだろう。

合わせて筆者が気になったのは、動画再生時の早送りや巻き戻しの操作性だ。実際の画面を見ながら2/4/8倍速に設定できるのだが、それ以上の速度や、タイムサーチ(時間を指定しての頭出し)といった、長時間ビデオを見る際に重要な機能が用意されていないのである。ビデオ再生中の操作画面にはシークバーのようなものが表示されるが、これはあくまで「全体の中でどのあたりを再生しているのか」という表示だけなのである。

個人的にこの点は非常に勿体ないところなので、できればファームウェアのアップデート(本機はアップデート用のメニューが用意されている)で対応して欲しいところだ。

コンポジット出力+ブラウン管テレビの環境で表示した本機のメインメニュー。上部の「Home」や左の「Movie」といった、小さな文字も十分読み取れる。なおメニューは左より動画、静止画、音楽、テキスト、ファイル管理を意味しており、動画からテキストまでは、本機で再生可能なファイルのみが表示される(いわゆる絞り込み表示)。ファイル管理では対応するすべてのファイルが表示される ファイル選択画面はこのように表示される。本文でも紹介したように、ファイル名の日本語(2バイト文字)部分は、このように□で置き換えられてしまう ビデオ(AVCHDファイル)再生中の画面。安価な製品でありながら、コンポジット接続でこれだけの画面が出るのは、ちょっとした驚きだ。右下に表示されているのが、本文中で紹介した「シークバーのようなもの」。これが操作できれば非常に便利になるので、ぜひアップデートでの対応を望みたい

こうした点はあるものの、実際の再生品質などは、先述したように良好。メディア側の転送速度が十分高速であれば、AVCHDのファイルを再生してもコマ落ちなどはまったくないため、快適なビデオ再生が楽しめる。

また、静止画の切り換え時などにはフェードイン/アウトなどのアニメーションが入り、拡大・縮小時もリアルタイムのアニメーション表示されるのだが、これらが滑らかで見やすい点も好印象。

これだけの実力を備えていて、価格は5,999円(税・送料込)と、非常にお買い得感が強いのも特徴だ。価格と画質を重視するなら、なかなか検討の価値があるモデルと言えるだろう。

■コンパクト&HD対応 メディアプレーヤー
DN-MP8626L 製品情報

http://www.donya.jp/item/18925.html

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