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2010年11月25日

サイクリングをより楽しく!
GPSサイクルメーター
「DN-LFG631」を試してみた

 

上海問屋がラインナップする豊富な周辺機器の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。今回は、自転車好きには注目のアイテム「GPSサイクルメーター」を紹介しよう。上海問屋の公式通販では、現在次回入荷分の予約受付中となっている人気アイテムだ。

「GPSサイクルメーター」とはどんな機器なのか

まずは、聞き慣れない方も多いであろう、GPSサイクルメーターという製品の機能について説明したい。

これは、カーナビなどでおなじみのGPSを応用した、主に自転車用の機器。

本体だけで、緯度/経度や移動速度などを表示できるほか、特定地点からの距離、方位などを確認できる。さらに走行後、PCと接続、付属ソフトと組み合わせることで、走行ルートの確認や簡易的なルートナビゲーション機能などが使用可能だ。地図はGoogle Mapsのデータを利用したもの。

この製品は高級機と違い、本体の液晶ディスプレイに直接地図を表示する機能などを持たないが、必要な機能は一通りある上、なにより価格が非常に安い(税込・送料込で5,999円)。1万円を切ることが珍しいGPSサイクルメーターだけに、このコストパフォーマンスの高さが人気の理由といえそうだ。

「DN-LFG631」本体。液晶パネルを搭載した製品GPSサイクルメーターとしては非常に安価な製品だ 付属アプリケーションでトラックログを地図表示したところ。測位地点の問題か若干道からズレがあるが、ルートの確認は十二分に行なえる付属アプリケーションで、簡易ルートナビゲーション機能を設定しているところ。アプリケーション上で設定したルートを本体にアップロードし、本体の液晶パネルでチェックポイントまでの距離や方位を確認するという機能だ
本体液晶パネルでの緯度・経度表示状態。英語表示だが、経度・緯度を知っていれば問題はないだろう。最下段にはGPSから受信した時刻も表示される 本体液晶パネルで速度表示をした状態。文字は大きく表示されるため、見やすい。ちなみにこれは山手線内での計測だこちらは起点からの距離表示状態。こちらの文字も大きく表示されるため、かなり見やすい

必要にして十分な基本仕様
自転車への取り付けは実用重視?

次に、GPSサイクルメーターで重要ないくつかの仕様をチェックしてみよう。

まず本体の大きさは、幅52mm×高さ83mm×厚さ17.5mmと小さく、重さは60gと軽い。搭載されるモノクロ液晶パネルの大きさは1.5インチで、解像度は128×128ドット。本体にはIPX6レベルの防滴加工がなされている。これは「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない」とされるもの。

バックライトを点灯した状態。明るさは派手なものではないが、深夜の屋外でも明るすぎないため、見やすい
本体のUSB端子は、汎用性の高いミニBタイプだ。他のモバイル機器とのケーブル兼用も比較的楽にできる
本体と付属の自転車用取り付けキット。装着法は、一番上の保護用ゴムを装着する場所に巻きつけ、その上から自転車側マウンタ(下中央)をビニールタイで固定。本体側のマウンタ(右下)を本体に取り付け、自転車側マウンタに装着するというものになる

バックライトはモノクロ液晶に多い、ほのかな青色のタイプである。明るさは室内ではあまり目立たない程度のほんのりとしたものだが、夜間では非常に効果的だ。この小ささと軽さ、そしてバックライトにより、夜間のサイクリングでも十二分に使える。

GPSの感度に関しては、筆者個人の感想という点を断った上でだが、この大きさのGPS受信機としては標準的な印象だ。GPS電波が届かない建物の中や地下などではまったく使えないものの、地上であればたとえ電車の中であっても、GPSの捕捉ができた。

さらに、上着のポケット程度でも問題なく使用可能だったので、自転車だけでなく、徒歩や鉄道の旅でも使えそうだ。

なお、バッテリーには、容量1050mAhのリチウムポリマータイプを搭載する。充電はUSB経由(ACアダプタは付属しない)。

気になるバッテリー駆動時間は、公称では「フル充電で最大15時間」とされているが、実際に使用しても駆動時間は非常に長い。今回の試用ではフル充電状態からバックライトを点けたままで連続10時間程度使ってみたが、問題なく動作し、液晶表示では残量30%程度(に見える)状態だった。バッテリーは基本的には交換不可能な仕様だが、これだけ駆動時間が長ければ、長時間のサイクリングでも十分使えそうだ。

内蔵されるフラッシュメモリのユーザーデータ容量も1MBと十分なものである。

自転車への取り付け方法は、「取り付け用のマウンタと固定用のゴムをビニールタイで結束する」という方式。ネジ止め式の凝ったマウンタでないあたり、価格なりとも思えるが、いろいろな自転車に幅広く装着が可能な、実用重視の堅実な方式でもある。このあたりはいい意味でも悪い意味でも上海問屋の製品らしいと感じた。

総合的に見ていくと、決して高性能ではないが、必要なところはガッチリとフォローされている印象だ。こうしたところも、いい意味で上海問屋らしいポイントと言える。

コストパフォーマンスの高さは魅力十分
マニュアルや付属アプリは「上級者向け」

付属アプリケーションの「Track」タブで、トラックログを読み込んだ状態。ここで画面中央上部の「Draw」ボタンをクリックすると、トラックログが地図上に表示される
 完全版のマニュアルにおける「Track Back」機能(トラックログと岐路表示機能)の記述。GPS機器に慣れていないと、どういった機能なのかがわかりにくいのは残念だ

このように、よくまとまっている本機だが、いくつか理解しておきたい点もある。

まず、マニュアルが英語版で、しかも記載がかなり簡素なこと。

付属マニュアルは、印刷された簡易版と付属CD-ROM(8cmサイズ)内の完全版(Microsoft Word形式)の2点だが、完全版でも「機能の操作方法は書かれているが、その機能が“何のためのものなのか”が書かれていない」という程度のもの。GPS機器の経験者なら問題ないと思われるが、はじめてGPS機器を使う人は、試行錯誤することも多そうだ。

また、付属アプリケーションも少々クセがある。英語版なのはいいのだが、画面構成などで慣れが必要な点があるためだ。

例えば、起動直後には「Map」タブのGoogle Mapが表示されるが、メイン機能であるトラックログ(走行履歴)表示を行うためには、いったん「Track」タブを選択し、本体からデータを転送、その後「Draw」ボタンをクリックする必要がある(これでMapタブ上でログが確認できる)。つまり、最初に表示されるGoogle Mapには意味がない。

慣れてしまえば「そういうもの」で済む問題だが、使い始めはこうした細かい点で戸惑うことが多かった。

このほか、実は上海問屋の公式ページにも書かれていないが、付属のアプリケーションは64bit版Windowsにはインストールできない。この点は注意が必要だ。

ただし、そうした点を差し引いても、本機のコストパフォーマンスの高さは、非常に魅力的。正直なところ、筆者も最初は「これはキツイかな?」と思っていたのだが、操作に慣れていくうちに「操作がわかりさえすれば、十分にアリ!!」という感想に変わっていったほどである。

とくに、過去にGPS機器を使った経験のあるユーザーであれば、本機のコストパフォーマンスは非常に魅力的なものではないだろうか。

なお、今回はテストできなかったが、上海問屋のサイトにはGoogle Earthに対応したGPSサイクルメーター(DN-GPS-DLBC20)や日本語マニュアルがWebで公開されているGPSロガー(UK-GPS DATA LOGGER)も掲載されている。これらもやはり5,999円(税込・送料込)なので、条件次第ではこれらを選ぶのもいいかもしれない。

■GPSサイクルメーター
DN-LFG631 製品情報

http://www.donya.jp/item/18525.html

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