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2010年11月11日

“ネタっぽい”けど作りは丁寧
24個もポートがあるUSB 2.0ハブ
「DN-HUB2024A」を試してみる

 

上海問屋がラインナップする豊富な周辺機器の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。今回は、発表時に「さすが上海問屋」との声も出た、24ポートのUSB 2.0ハブ「DN-HUB2024A」をご紹介する。

一般向けのUSB 2.0ハブとしては最多のポート数を備える本機だが、その作りや使い勝手はどうだろうか、実際に使ってみての感想をお伝えしたい。

“円盤形”の本体形状やアクセスLEDには意外なまでの使い勝手へのこだわりが

DN-HUB2024Aの本体。直径14cmの本体(意外に大きいのだ)の周囲にぐるっと配置されたUSB端子を見ていると、非常に機能的な側面が見えてくる
本機周辺のUSB端子に、USBメモリやケーブルなどを装着した状態。USB端子の周囲の横幅に大きな余裕があることがわかるだろう。なお、時計でいうところの2時方向にあるケーブル2本は、本機の電源ケーブル(ACアダプタに繋がる)と、パソコンとの接続用ケーブルだ
パソコンとの接続はミニB端子で行う。その右にあるのは電源(ACアダプタ接続用)端子だ
付属品はパソコン接続用のUSBケーブルと、ACアダプタの2点のみだ
天面のUSB端子に隣接した、機器の接続を示すLED。写真では若干見にくいが、右上に赤く光るのが電源オンを示すLEDだ
本体周囲のUSB端子も、対応するLEDが用意されている。写真上段の黄緑色は上下両方、写真中央の緑色は下側の端子のみ、写真下段の赤色は上側の端子のみに機器が接続されていることを示す

まずは、本機の機能について紹介しよう。

といっても、実はこのモデル、USBハブとして(ポート数が非常に多い点を除けば)、基本に忠実、かつシンプルなもの。1基のUSB端子を24基に分岐すること以外、付加的機能は一切ない製品である。

その代わりに配慮されているのが、使い勝手。24もの端子を実用的に使えるよう、意外に工夫されている。

そうした一端が、本体の形状。本機はUSBハブとしては非常に珍しい円盤形だが、USB端子は天面中央の2基に加え、本体の周囲をとりまくように、22基(縦2段×11個)配置されている。

ポイントは、周囲を取り巻くようなUSB端子の配置だ。小さな本体で多くのUSB端子を搭載するだけならば、狭い空間に端子ギリギリの大きさで配置すればいい。しかしそうしてしまった場合、USB端子より幅の広いUSBメモリやケーブルを接続すると、隣り合った端子が使えなくなってしまう。

本機であれば、USB端子間の横幅が十分に広いため、そうした幅広のUSBメモリやケーブルを装着しても、ほかの端子に干渉することなく使えるというわけだ。

なお、上下に隣り合った端子の間隔は、PC本体と同程度。つまり左右の間隔に比べると狭いのだが、これはUSB機器の形状を調べた結果と思われる。実際にUSBメモリなどを見ても、左右に広い製品は多いが、本機で装着できないほど上下に広い製品は少ない。実用上はこれで問題は起きないということだろう。

また、本体重量は230gと意外に軽い。大量のUSBメモリなどを装着する際は、いったん持ち上げて作業することも多そうだが、そんな場合でも気軽に作業できる。

さらに、パソコンとの接続がミニB端子なのも隠れたポイントだ。ポータブルHDDなどのケーブルが使えるだけでなく、持ち上げた際にケーブルが邪魔ならば、パッと外すことができるからだ。

また、使い勝手に関するもうひとつのポイントが、機器の接続を示すLED。一見すると、天面USB端子脇の2個だけしかないように見えるが、実は、24個のUSB端子すべての接続状態が分かるよう、上下一組に1つずつ、接続状態を示すLEDがついている。

上下どちらに接続されているかは、発光色で判別する仕組みで、上下両方ならば黄緑(写真上段)、下側のみなら緑(写真中央)、上側のみなら赤色(写真下段)という具合になっている。

このLEDにより、本機の機器接続状態はかなり容易に確認できる。本機の使い勝手が(意外に?)いい理由の一つといえるだろう。

デバイスマネージャーから内部を推定
使用部品は8ポートUSBハブ3台分+α?

本機を接続してインストールされるドライバを確認したところ、Generic USB Hubが4台認識される。なお、特別なドライバのインストールは不要だ
Windows 7のデバイスマネージャーを接続別表示に切り替えて、本機の構造を探ってみたところ。4台のGeneric USB Hub(LSI)が、2階層に分かれて接続されていることがわかる

さて、24ポートものハブとなると、どのような構造になっているのか、興味がある読者もいるだろう。今回は、Windows 7のデバイスマネージャーを使って、内部構造を簡単に推定してみた。

まず、Windows 7のPCに本機を接続、インストールされるドライバを確認すると、USBハブ(のLSI)が4つ認識される。また、いくつかUSB機器を接続した状態で、デバイスマネージャーを接続別表示にして状態を確認すると、内部では、USBハブのLSIが2階層——親となるハブが1個、子となるハブが3個——に接続されていることが確認できる。

では、これらのハブのLSIと、本機のポートはどのように連動しているのだろうか?筆者がUSB機器をいろいろな場所の端子に接続して、Windows上から接続状態を見てみたところ、パソコンと接続するUSB ミニB端子を真上に置いた状態で、

電源アダプタ右から4ポート……親ハブに直結 続く側面6ポート(「USB 2.0」の「0」の文字のところまで)と天面の右側のポート……子ハブ1 続く側面6ポート(「24-Port」の「2」の文字のところまで)と天面の左側のポート……子ハブ2 残る側面の6ポート……子ハブ3

という接続になっていることがわかった。つまり、本機は8ポートのハブのLSIを4個使い、1個を親ハブ用、3個を子ハブ用として使っているようだ。

若干強引な表現になるが、本機は一般的な8ポートのUSBハブ3台分+αの構成になっている……というわけで、意外と手の掛かった機器なのである。

余談だが、これを調べている際の作業は、どことなく「黒ひげ危機一発」で遊んでいるような気分で、妙にテンションが上がったことを紹介しておきたい(笑)。

丁寧な作りに好感
ACアダプタの電流量はちょっと惜しい

ACアダプタのラベルに書かれた仕様。出力電流は正直もう一声欲しいところ

このように、本機は、そのユニークな見た目からは想像できない(?)ほど、手の掛かった構造になっている。ただ一方で、残念な点もあった。

それは、ACアダプタの容量が若干少ないと思われる点だ。アダプタ本体に書かれた供給電源容量は、電圧がDC5V、電流が4A(4,000mA)となっている。この時点でピンと来た読者もおられるだろうが、USBポートの最大供給電流は1基あたり500mAなので、4,000mAでは理論上、8台で手一杯になってしまうのだ。

制限いっぱいの電力をを使う機器といえば、バスパワーのHDDやUSBで充電する機器などがある。これらを合計8台使う、というニーズがどれほどあるかはわからないが、ちょっと残念な点として覚えておいた方がいいだろう。なお、USBメモリの消費電力は最大値で200〜250mAほど、マウスの消費電力は20〜50mAほどが一般的だ。もちろん、セルフパワーのUSB機器ならこうした電力の心配は一切無用だ。

ちなみに、価格はUSB 2.0ハブとしてはハイエンドな4,999円(税込・送料込)。一般的な8ポートハブ3個分+αと考えると、これは十分納得できる金額だろう。

電源供給力は少々気になるが、筆者が使ってみた限り、製品自体はかなり丁寧にできており、動作もしっかりしたもの。USBハブとしての実用性もまったく問題ない(いい意味でこの言葉がふさわしいのだ)。

本連載の読者にはお馴染みのフレーズだが、本機も「ネタ製品に見えて実は堅実」という、いい意味で上海問屋らしい製品と言える。

■USB2.0 24ポートハブ (ACアダプタ付き)DN-HUB2024A 製品情報
http://www.donya.jp/item/18458.html

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